グレートピレニーズの性格や特徴は?初心者に向けた飼い方も
グレートピレニーズの性格
グレートピレニーズの性格は、穏やかでおおらか。飼い主への愛情が深く、大きな体を使って全身で甘えてくるなど、家族に対する愛情表現がとても豊かな犬種です。反面、縄張り意識が強いため来客など、見知らぬ人間相手には警戒心を向けることも。 またもとが牧羊犬ということで独立心が強く頑固な一面もある性格なので、しつけには時間がかかるかもしれません。
グレートピレニーズの大きさや体重
極寒の山岳地帯で生活していた犬種なので、骨太でがっしりとした体を厚いダブルコートの被毛が覆っており、優雅で迫力のある姿をしています。体長は体高よりやや長く、大きな頭に垂れ耳、後ろ足に左右2本ずつの狼爪が生えているという外見的な特徴があります。
体高
オス:70~80cm(+2cm)
メス:65~75cm(+2cm)
体重
オス:50~60kg
メス:45~55kg
グレートピレニーズの歴史と原産国
グレートピレニーズは、フランス原産の牧羊犬。 祖先は、西暦500~600年頃に遊牧民や行商人の手で中央アジアまたはシベリアから入ってきたチベタン・マスティフ系の大型犬といわれています。17世紀にフランス宮廷に迎えられ護衛犬として働くようになり、1635年には『フランス王室犬』に定められました。
しかし護衛としての仕事が減ると同時に人気も徐々に低下、一時期は絶滅寸前にまで追い込まれてしまいます。
その後、山岳地帯に残っていたグレートピレニーズが発見されると、愛好家たちの手で改良繁殖が行われ、再びその数を増やし絶滅を免れることができました。 そうして、1885年にはイギリスのケネルクラブに登録が認められ、現在に至ります。
グレートピレニーズの毛色の種類
毛色は主に白系統の色が基調となっており、もふもふした白くまのようなグレートピレニーズ。全身真っ白なタイプだけでなく、グレー、薄いイエロー、ウルフカラー、オレンジなどの斑が、頭部や耳、尾の付け根に見られることがあります。
食事量や回数
ドッグフードは種類によってカロリーが異なるため、給餌量はドッグフードのパッケージに記載がある量を基準にするようにしましょう。そのうえで、食事後の様子や体調、便の硬さなどを考慮して、量を調整するようにしてください。例として52kgの成犬(避妊・去勢済み)の場合の給与量をご紹介します。 1日に必要なカロリーは約2200kcal。1日に必要なフードの量は商品のカロリーによって違いますが、平均すると約600g程度となります。この場合、1ヶ月では18kgのドッグフードが必要という計算です。 1kgあたり1000円程度のプレミアムフードの場合、月に1万8,000円の食費がかかることになります。
また、食事の回数はライフステージごとに異なります。 成犬であれば、1日に必要な分のカロリーの食事を2、3回に分けて与えると良いでしょう。 子犬は内臓が未発達で、一度に多くの量を食べることができないため、一度に与える量を少なくして、1日4回以上に分けて与えるようにしてください。
また老犬の場合消化器系の機能が衰え、さらに代謝も落ちるので、それまで当たり前にできていた食事もできなくなります。様子を観察して愛犬の食欲に応じて調整してあげましょう。
散歩時間や運動量
犬にとって運動不足は肥満やストレスの原因になり、体型キープのためにも散歩は欠かせません。ただし、グレートピレニーズという犬種は激しい運動よりも飼い主と一緒にゆっくり散歩することを好むので、ペースを合わせてあげましょう。激しい運動を好まないといっても、大型犬ということで、それなりの運動時間は必要です。 1日の散歩は、1回60分程度を日に2回ほど連れて行ってあげてください。
また雪山で活躍していた使役犬ということで、坂や階段の上り下りといった起伏のある道、寒さや雪といった一般的に辛いと思われる環境も苦にしません。変化に富んだお散歩コースを設定できるとより良いですね。
お手入れについて
グレートピレニーズは、ダブルコートの被毛を持つ大型犬で、抜け毛の量はトップクラスといえるほどに大量です。そのため、毎日のブラッシングは必要不可欠。特に春と秋に毎年訪れる換毛期にはブラッシングが追いつかないほどに大量の毛が抜け落ちるので、お手入れの重要さは普段以上になるでしょう。
ダブルコートの被毛を持つ寒さに強い犬種であるため、反面夏の暑さには滅法弱く、ほかの犬種以上に熱中症のリスクが高くなります。体温の放熱を妨げる抜け毛を除去して少しでもリスクを抑えるために、夏場は特に丁寧なブラッシングを心がけましょう。
基本的にトリミングが不要な犬種なので、その分毎日のブラッシングと定期的なシャンプーを欠かさず行うことで、清潔さと健康を維持するようにしてください。
そのほか、グレートピレニーズの特徴の1つである後ろ足の左右に2本ずつある狼爪のお手入れも必要です。 ほかの爪とは異なり自然に削れることがないので、月に1〜2回程度、忘れずに爪を切ってあげましょう。
しつけについて
大型犬であるグレートピレニーズには、小型犬や中型犬以上にしつけが重要となってきます。もしも十分なしつけができず成犬になってしまったら、成人男性の体力でも抑えることが難しくなってしまうでしょう。 最悪の場合、散歩中通行人にケガをさせてしまうという事故を起こすことにもなりかねないので、まだ抑えが効く子犬のうちにしつけてあげてください。幸いグレートピレニーズは非常に知能が高く賢いので、物覚えは良い傾向にあります。 ただし、独立心が強く頑固、自己判断による行動が多いので、その点はしつけで苦労するかもしれません。
重要なのは、しつけに興味を持ってもらうこと。 飼い主が一方的に指示するだけでなく、関心を持たせるようおもちゃやおやつを上手に活用して遊びながらしつけに取り組むようにすれば、持ち前の賢さでしつけも覚えてくれるでしょう。
まとめ
グレートピレニーズはとても個性的な大型犬で、のんびりとした穏やかな性格ですが、頑固な面もあるため、時には思い通りになってくれないこともあるでしょう。 それでも生まれながらの賢さと飼い主への愛情から、子犬の頃から十分なしつけができれば良いパートナーになってくれるでしょう。また抜け毛の量が多い大型犬ということで、ブラッシングなどのお手入れは大変かもしれません。 これからグレートピレニーズを迎えようと考えている方は、どんな点に気を付けて飼育すれば良いのか、事前に情報を集めておくことをおすすめします。