アフガンハウンドの性格や特徴は?初心者に向けた飼い方も
アフガンハウンドの性格
アフガンハウンドは利口で穏やかな性格ですが、その一方で猟犬らしく頑固で強い独立心を持ちます。家族に対してとても深い愛情を注ぎ、子供に対しても優しく接しますが、他人に対しては素っ気ない態度で興味を示しません。マイペースなので、一緒になってはしゃいだり遊んだりといったことはあまりしないタイプの犬種です。
アフガンハウンドの大きさや体重
アフガンハウンド最大の特徴といえば、その長く美しい毛並み。大型犬でありながら地面に引きずるほど長い毛は、他の犬種には見られない、正に唯一無二の特徴といえるでしょう。さらに、元々は狩猟犬だったことから運動能力も高く、スマートな見た目と相まってドッグランにいれば一際目を引く犬種です。
長い被毛は体だけでなく頭部からも人間の髪の毛の様に生えていて、顔の左右に分かれて垂れている長い冠毛とシャープな顔立ちも目を引くポイントといえます。
体高
63~74cm
体重
23~27kg
アフガンハウンドの歴史と原産国
アフガンハウンドは、その名の通り中央アジアと南アジアの交差点に位置するアフガニスタン原産の狩猟犬で、地域によっては今も現役として活躍しています。現存する犬の中で、最古の歴史をもつ犬種の1つといわれており、旧約聖書の創世記に登場する【ノアの方舟】にも描写があります。犬種の始まりは紀元前4000年とも5000年とも言われるほど古く、古代エジプト領の聖地モーゼ山の麓に生息していたという説も。当時から猟犬として活躍していたそうで、過酷な環境に対応するために長い年月をかけて現在の姿になったそうです。
事実ピラミッドやパピルス、壁画などさまざまな記録物にアフガンハウンドらしき犬の存在が確認されています。 18世紀になると戦争に勝利したイギリスへと持ち込まれたことで他犬種との交配が行われ、20世紀に入るとショードッグとして世界の富裕層から人気を博しました。
アフガンハウンドの毛色の種類
アフガンハウンド被毛で一般的に見られる色は、【ブラック】【クリーム】【ゴールデン】の3色。ホワイトやグレーといった単色やプリンドル、トライカラーなどもあり、その他ブラックにシルバーやタンが入ったもの、ブルー、ブリンドルなどもあります。ただし成長に伴い毛色が変化していくので、生まれた頃の毛色のまま成犬になるとは限らず、3歳頃になると毛が生え揃い毛色の変化も落ち着きます。
食事量や回数
アフガンハウンドは大型犬ということで、体の大きさに比例して1日の食事量も多めです。 基本的にドッグフードのパッケージに記載されている量を目安に、愛犬の食事の様子や排便を確認しながら量や与え方を調整するようにしましょう。1日に必要な食事量や回数はライフステージによって変化するので、食事の与え方は体の成長や年齢も考慮に入れてください。 例えば成長期である子犬は必要な食事量が多いものの、まだ消化器系が未熟なので1回に少量しか食べられません。1日に必要な量を3~4回に分けて与えましょう。
成長が落ち着き成犬になると、子犬と同じ与え方をしているとすぐに肥満になってしまいます。そのためフードを成犬用の物に切り替えて、回数を1日2~3回に減らしましょう。
また高齢になると内臓の機能の低下により食欲が落ち、それまでと同じ食事ができなくなります。フードをシニア用に切り替え、1日の食事回数を4~5回に増やすことで1回の食事量を減らしてください。
ではアフガンハウンドが必要とする1日のフード量、カロリーはどれくらいになるのでしょうか。 体重25㎏の避妊・去勢済みの健康なアフガンハウンドの成犬が必要とする1日に必要なカロリーは約1200Kcal、1日に必要なフード量の目安は330gです。 これを1ヶ月に換算すると、1ヵ月に必要なフード量は約10Kgとなります。 ただし、フード量は商品によって異なるため、ドッグフードのパッケージに記載された注意書きも確認するようにしてください。
散歩時間や運動量
アフガンハウンドはもとが猟犬なので、運動量が豊富な大型犬の中でも特に多くの運動が必要な犬種です。 犬は運動不足になるとストレスを感じてしまいますが、アフガンハウンドは性格的にやや神経質な面があるので、運動が足りないと輪をかけてストレスを溜めこみがちです。ストレスを過剰にため込むと病気の原因になったり攻撃的になったりするので、最低でも60分の散歩を毎日2回行いましょう。ただ歩くだけでは不十分なので、起伏のある道をコースにしたり駆け足を取り入れたり、変化をつけられれば理想です。
また運動欲だけでなく狩猟欲も満たしてあげるために、週末はドッグランなどで思い切り自由に走らせてあげてください。
お手入れについて
アフガンハウンドは見た目通りの長毛ですが、アンダーコートがないシングルコートの被毛なので、抜け毛はさほど多くはありません。またシングルコートの被毛には換毛期がないため、夏や冬だからといって特別なお手入れが必要にないという点では、比較的お手入れに手間がかからない犬種といえるでしょう。そのためけ毛を取り除くためのブラッシングはそれほど重要ではありませんが、細く長い毛が絡まらないように、2日に1回はブラッシングしてあげましょう。ただし過度なブラッシングは逆に被毛を絡ませることにもなるので、あまり頻繁にブラッシングするのも考えものです。
美しい被毛を保つためには、ブラッシング以外に月1回程度のシャンプーも大切です。洗った後は、すすぎ残しや生乾きに気を付けて、最後まで丁寧に仕上げましょう。 また、お手入れしやすい長さにカットするのもおすすめです。
しつけについて
アフガンハウンドは独立心が強くマイペースな性格なので、他の犬種と比べてしつけが難しい部類に入ります。しつけの大変さから、過去には「世界で最も頭の悪い犬」という不名誉な呼び方をされたことも。しかし実際は頭が悪いわけではなく、自分の判断で行動する賢さがあるがゆえに、納得できないと行動しないのです。アフガンハウンドをしつける際は、短時間に集中して行うようにしましょう。 やや神経質で感受性が強いため、多少のことは大目に見て、急がず時間をかけて教えていってください。
まとめ
アフガンハウンドは、独立心が強いためしつけが難しい犬種といわれています。 加えて、大型犬ということもあり日本の住宅事情では飼育スペースの確保が難しく、1日の散歩時間も長いため、総じて初心者向きとはいえません。しかし、長くエレガントな被毛を持つ大型犬という、他の犬種にはない魅力を持っており、大型犬が特別好きな人でなくとも、犬好きなら抱きついてみたいと思うでしょう。 アフガンハウンドの飼育は大変ですが、それを忘れさせてくれるくらいの魅力を持った犬種なので、興味を持った方は今回の内容を参考にお迎えを検討してみてください。