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血統書ってないとダメなの?

血統書とは純血種である出生を公的に証明する書類のことで、人間でいう「戸籍謄本」にあたるものです。両親犬が同じ犬種で、どちらも血統登録されている場合に発行が可能になります。 発行は複数の団体がしており、中でも最大規模なのはJKC(ジャパンケネルクラブ)です。 血統書は血筋を証明する書類であり、その両親から生まれる子犬の健康状態や優劣をはかるものではありません。ドッグショーや競技大会に出場する際には必要となりますが、一般的な飼い主が日常生活で使うことはほとんどないため、血統書がないことでのデメリットやリスクもありません。

血統書とは

血統証明書(以下 血統書)とは、JKCなど国内の血統書発行団体から発行される純血種である出生を公的に証明する書類で、私たち人間でいう戸籍謄本や家系図のようなもの。子犬の品種名、名前、性別、生年月日などの他、両親とその祖先が記載されているほか、血統の中に過去の受賞歴も反映され、血統書を見ればその子の素性が一目で分かるようになっています。

発行の条件として、両親が血統登録されていなければならず、多少の費用がかかります。

『純血の犬種である証』なので、両親ともに純血種であっても、種類が異なれば血統書は発行してもらえないということを覚えておきましょう。

血統書発行団体について

国内の血統書発行団体は複数あります。ブリーダーは自身が登録している団体に申請して血統書を発行してもらうため、同じ犬種であってもブリーダーが違えば、違う団体の血統書になることもあります。

日本国内の主な血統書発行団体
  • 一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)
  • NPO法人 日本社会福祉愛犬協会(KCJ)
  • 社団法人日本警察犬協会(PD)
  • 公益社団法人 日本犬保存会

血統書発行団体とは?

血統書を発行する団体は畜犬団体と呼ばれ、規定されたスタンダードの基準を満たし、かつ優秀な純血種を守ったり、それらを作出するためのブリーダーの情報交換の場になることを目的とした団体です。

団体ごとに犬の審査をするドッグショーや品評会を複数開催しており、入賞目指して参加するブリーダーも多くいます。

血統書はいつもらえるの?

血統書の発行手続きは基本的にブリーダーが行い、ブリーダーの手元に届いた血統書を譲り受けることになります。しかし、ブリーダーによっては子犬の名前が決まってから血統書を請求することもあるので、子犬の購入と同時に受け取れないことも珍しくありません。

手続きの流れは、まず母犬の所有者がJKCに申請。申請内容を審査したうえで、犬籍原簿に登録し、血統証明書を発行します。JKCでは、この申請~登録の実働をおよそ15営業日で行っているので、血統書が届くまでの期間は長く見積もっておよそ1ヶ月見ておくと良いでしょう。

また、ブリーダーによっては子犬が生まれたと同時に血統書の発行を申請している方もいるので、そのような場合は子犬を引き渡すタイミングで血統書を受け取ることができます。

血統書のある犬とない犬の違いは?

血統書が発行できる犬と発行できない犬の違い

血統書が発行できるのは、純血種と認められた子犬、つまり『血統登録された同一犬種の父母によって生まれた子犬』という条件があります。つまり、親が血統登録されていない、純血種だと証明できない子犬の場合、血統書は発行してもらうことはできないのです。

また、異なる犬種を掛け合わせたMIX犬の場合は、両親ともに純血種であっても種類が異なるため、血統書を発行してもらえないので注意しましょう。 そのほか、作出されたばかりの新しい犬種は、新犬種・登録犬として認定されていないため、そもそも血統書を発行してもらえない場合があることを覚えておいてください。

血統書が発行できても発行「していない」犬もいる

血統書を発行してもらうには、申請する必要があります。逆にいえば、申請しない限り発行してもらえません。そのため、上記の条件に合致した子犬であっても、発行していない場合もあるのです。

血統書がないことのデメリット

上述したように血統書は純血種であるという証明なので、血統書がないとドッグショーや競技会に参加できないというデメリットがあります。
しかしこれは専門的な話であり、一般的な人が犬を飼う分には特にデメリットやリスクがあるわけではないといえるでしょう。

名義変更や再発行について

JKCでの名義変更

購入した時点では、子犬の所有者は血統書上は親犬の所有者(=ブリーダー)のままなので、血統書の効果を最大限発揮するには、血統書は名義人を飼い主さんの名前に変更する必要があります。
例えば、『繁殖を行う』『ドッグショーに出場する』『名前など書類の情報を変更したい』などは、血統書の名義を変更することで初めてできるようになるのです。

名義変更は、血統書の裏面にある【所有者名義変更届け】で行うので、必要な事項を記入したうえで送付してください。発行から半年以内なら1200円、それ以降は3400円の事務費用がかかります。
書類が届いてから新しく血統証明書が発行されるまでの所要日数はおよそ3週間、実働15日間程度です。

詳しい手続き方法に関しては、こちらのリンク先のページをご覧ください。
参考 血統証明書・所有者名義変更について一般社団法人ジャパンケネルクラブ

再発行

もし、何らかの理由で血統書を紛失してしまい、再発行してもらいたいと思ったらどうすれば良いのでしょうか。
再発行の手順は血統書発行団体によりますが、例えばJKCの場合、所有者のみが再発行の申請ができるので、名義変更していない場合はブリーダーから申請してもらう必要があります。

ただし、直接JKC本部に手続きの申請はできないので、所属している愛犬クラブから手続きの申請をしてください。

詳しい手続き方法に関しては、こちらのリンク先のページをご参照ください。
参考 お手続き方法一般社団法人ジャパンケネルクラブ

誤解されがちな血統書の犬種名

ティーカッププードルや豆柴は、血統書を発行する団体によっては正式な犬種として扱われていないことをご存じでしょうか。これらは販売上の商品名にあたるものなので、JKCが発行する血統証明書には『トイプードル』や『柴』として表記されています。

ティーカッププードル・タイニープードル

「ティーカッププードル」や「タイニープードル」は、トイプードルよりも小さいプードルの1種と認識されがちですが、厳密には『サイズが小さいトイプードル』です。小柄なトイプードルを探している人の要望に応える形で使われている呼び名のようなものであり、正式な犬種名ではありません。

「ティーカッププードル」や「タイニープードル」として飼い始めても、発行される血統書は「トイプードル」のものとなることは事前に知っておくとよいでしょう。

豆柴

昔から小さいサイズの柴犬に使われていた呼び名が「豆柴」です。

JKCでは個別の犬種ではなく「小柄な柴犬」として扱われているため、血統書は「柴犬」のものとなっています。一方KCJ(日本社会福祉愛犬協会)では、そのサイズで半世紀以上固定されているという理由から独立した犬種と認めており、「豆柴」として血統書を発行しています。

豆柴の血統書が欲しい場合は、あらかじめブリーダーに登録団体を確認してみるとよいでしょう。

血統書の見方(JKC)

ここではワンちゃんの血統書(血統証明書)として最も広く普及している社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)の血統書を例にとり、血統書の見方を解説します。

[出典/引用]ジャパンケネルクラブ ホームページ 血統証明書

血統書の見方<表面>

血統書見本(表)
1 犬の名前
犬名は、名前と犬舎名からなり、組み合わせて名づけられます。繁殖者がつけた正式な犬名が血統証明書に記載されます。犬舎名とは、繁殖者が所有する繁殖する際の屋号=姓にあたるものです。「JP」は、国際畜犬連盟にこの犬舎名が国際犬舎名登録されていることを表す記号です。
2 本犬のデータ
犬種名、登録番号、性別、生年月日、毛色、DNA登録番号、ID番号、股関節評価、肘関節評価が記載されています。また、本犬の繁殖者名、登録上の所有者名が記されています。新しい所有者が自分の名前に名義変更を済ませると、その譲渡日の日付が記されます。
所有者欄があなたのお名前になっていない場合は、所属の愛犬クラブ経由で、正式な飼い主であることを登録(名義変更の届出)をしましょう。
3 父親の血統図
1番は本犬の父犬、3番は父方の祖父、4番は父方の祖母を記載しています。7~10番はさらにその曽祖父母へと遡って記載しています。
4 母親の血統図
2番は本犬の母犬、5番は母方の祖父、6番は母方の祖母を記載しています。11~14番はさらにその曽祖父母へと遡って記載しています。

血統書の見方<裏面>

血統書見本(裏)
5 登録日、出産頭数、登録頭数、一胎子登録番号
本犬が本会に登録された日と、一緒に生まれた兄弟(一胎子)数を牡牝ごとに記してあります(死亡犬は除く)。
一胎子登録番号欄には同胎犬(本犬を含んだ兄弟犬)の番号が記載されています。
6 チャンピオン賞歴
取得したチャンピオンの種別と登録日が記載されています。
7 DATE ISSUED
血統証明書の発行日が記載されています。
8 4代祖血統証明書発行申込書
JKCでは通常、3代前の祖先までを記載した血統証明書を発行していますが(3代祖血統証明書)、さらに詳細な血統管理のために、4代祖血統証明書を発行しています。