ミニチュアピンシャーの性格や特徴とは？初心者向け飼い方について
ミニチュアピンシャ―は、他の小型犬にはない引き締まったスマートな体型で、小型犬屈指の運動能力の高さと体力を誇る犬種です。
本記事では、そんなミニチュアピンシャ―を飼ううえで知っておきたい性格や見た目の特徴、被毛、しつけ方、寿命などの情報を紹介します。
ミニチュアピンシャーの性格は？
スマートな見た目から、性格もスマートな印象を持つミニチュアピンシャーですが、実際はは甘えん坊で飼い主に忠実なところも。
では、具体的にミニチュアピンシャーとはどんな性格なのでしょうか？
飼い主には甘えん坊
ミニチュアピンシャーは警戒心が強く、初対面の人やワンちゃんに対して吠えて威嚇したりすることがあります。
反面、一度打ち解ければ懐いてくれて、飼い主にはベッタリ甘えてくれるといったギャップが魅力の犬種です。
活発で遊ぶのが大好き
ミニチュアピンシャーは驚くほど好奇心旺盛で、常に何かを探しているようなところがあります。
運動能力の高さも合わさり、見方によっては落ち着きがなく、いつも動き回って遊んでいるような印象を受けるでしょう。
実際、好奇心が抑えきれず家から脱走するという事例も、決して少なくないようです。
良い意味でも悪い意味でも、飼い主さんは愛犬から目を離せないでしょう。
物音や動きに敏感
ミニチュアピンシャーの警戒心の強さは、人や動物だけでなく、物の音や動きにも向けられます。日常的なちょっとした物音や動きに対しても、非常に敏感に反応するほどです。
こうした素早い反応は、不快な思いをした時に攻撃行動として表れることもあります。
怖いもの知らずな一面も
ミニチュアピンシャーは警戒心が強い反面、怖いもの知らずで無鉄砲なところもあり、自分よりもずっと大きな犬や人に対しても臆することなく向かって行くことも。
飼い主からすれば怖くなってしまうような行動ですが、子犬のうちから教えてあげれば、人や犬への攻撃性抑えることができるので、しっかりしつけてあげましょう。
ミニチュアピンシャーの特徴と魅力
ミニチュアピンシャーの特徴といえば、そのスマートで引き締まった体。
小さなドーベルマンと評されるほど活発で高い運動能力を持つ犬種で、小型犬とは思えないほどです。
ミニチュアピンシャーの平均的なデータ
| 大きさ（体高） | 25～30cm |
|---|---|
| 体重 | 4～6kg |
| 平均寿命 | 12～15年 |
| 原産国 | ドイツ |
ミニチュアピンシャーは寿命が全体の平均寿命よりも長く、長生きの犬種といえます。
また、オスとメスで体の大きさに違いはありません。
ミニチュアピンシャーの歴史
ミニチュアピンシャ―は別名【ツベルク（超小型）・ピンシャー（テリア）】といい、18世紀頃にドイツで生まれ、ネズミを捕る猟犬もしくは番犬として活躍していました。
その見た目から、小型化されたドーベルマンと考えている方もいるようですが、ミニチュアピンシャーの方が約100年も前から存在しています。【ヘルピンシェル】 という犬種と 小型犬をかけ合わせることで生み出されました。
ちなみに、ドーベルマンはヘルピンシェルを逆に大型化したもので、小型化したミニチュアピンシャーとは親戚のような関係にある犬種です。
ミニチュアピンシャーにはどんな毛色がある？被毛の特徴も
ミニチュアピンシャ―の毛色は大きく分けて3種類ですが、細かく分けると実際はそれ以上に豊富な毛色があります。
ここでは毛色を含め、そんなミニチュアピンシャ―の被毛について紹介します。
ミニチュアピンシャーは毛色が豊富！
一般社団法人 ジャパンケネルクラブ（JKC）では、以下の3色をミニチュアピンシャーの毛色として公認しています。
- 単色
- ブラック＆タン
- チョコレート＆タン
被毛の特徴と抜け毛
ミニチュアピンシャーの被毛は、スムースコート（短毛）でシングルコート。
見た目的に抜け毛は少なそうですが、毛の生え変わりのサイクルが短いため、意外と抜け毛があります。短い毛が抜け落ちるので、掃除もしにくく、お手入れにはちょっとしたコツが必要です。
ミニチュアピンシャーの平均的な値段は？飼育にかかる費用も
ワンちゃんと暮らしていくためには、当然ながらお金が必要です。ミニチュアピンシャーの販売価格は決して安くはないですが、どうやって販売価格が決まるのでしょうか？
ここでは、ミニチュアピンシャーを飼う上でしっておきたい費用面について確認していきましょう。
ミニチュアピンシャーの平均的な販売価格
ブリーダーナビで掲載しているミニチュアピンシャーの平均価格は約 35万4,952 円でした（ 2022年2月2日 時点）。
ワンちゃんの販売価格には定価が存在せず、同じ犬種、同じ毛色であっても価格が違うことは珍しくありません。その理由の1つが、「犬種ごとに定められたスタンダード（標準）」です。
スタンダードの条件にどれだけ合致しているかは、その個体の「評価＝販売価格」に大きく影響し、スタンダードに近ければそれだけ価格も高くなるのです。
ここに、仕入れルートやお店の方針、ワンちゃんの特徴といった販売者側の都合が加わり、最終的な販売価格が決まります。
ミニチュアピンシャーの飼い始めと年間で発生する費用
ワンちゃんを飼う場合、お金の問題はどうしても無視できないでしょう。
一度に大きな金額が必要となる初期費用だけでなく、迎えた後に継続してかかる生活費も事前に考えておく必要があります。
ミニチュアピンシャーを飼うために必要な初期費用
- 登録料：約3000円
- ワクチン代：1万～1万5000円
- 狂犬病予防注射：約3500円
- 避妊去勢手術：3万～6万円
- グッズ代：3万～4万円
ミニチュアピンシャーにかかる年間の費用
- 定期健診代：2000～3万円（検査内容による）
- 保険料：2000円～／1ヶ月
- フード、おやつ代：約7万2000円
- 光熱費：プラス5000円程度
- トリミング：3000～4000円／1回
- おもちゃ代：1000～5000円
- しつけ教室代：5000～1万円
- その他消耗品：2500～7500円
ミニチュアピンシャーの飼育に必要なものは？
当然ですが、人間とワンちゃんは違う動物なので、一緒に暮らす場合でも飼育に必要な物を揃える必要があります。
一度に全てを揃える必要はありませんが、どんな準備が必要なのでしょうか。
お迎え前に必要なものは？
愛犬にテリトリーを作ってあげるために、ケージもしくはサークルは欠かせません。しつけやお留守番、愛犬の安全のためなど、なくてはならないグッズなので、特に重要といえるでしょう。
ミニチュアピンシャーの場合、90cm×60cm程度の広さで、屋根付きのものが良いでしょう。
ワンちゃん用のトイレは、トレーにペットシーツをセットした物です。
ペットシーツは噛みついて破いてしまう恐れがあるので、予防のためのメッシュが付いたトレーをおすすまします。
トイレトレーニングのために、おしっこの臭い付きシートを利用するのも良いでしょう。
最初はサークル（ケージ）内にトイレシートを敷き、そのうえに毛布やバスタオルを置いて、そこを寝床にしましょう。トイレを覚える前にベッドを置くと、ベッドで排泄してしまう恐れがあります。
また、ミニチュアピンシャーは寒さに弱いので、冬にはペットヒーターの上にタオルや毛布を敷くといいでしょう。
食事中に誤ってひっくり返さないように、ある程度重量のある食器を用意してください。
プラスチックなどの傷つきやすい材質だと傷に雑菌が繁殖しやすく不衛生なので、ある程度の重さがあり傷つきにくい陶器や金属の食器がおすすめです。
自由に水を飲めるよう、給水機を置いておきましょう。お皿だとひっくり返してこぼす恐れがあるので、ペットボトル型の給水器がおすすめです。
犬にミネラルウォーターを与えると尿道結石の原因になるので、飲み水は絶対に水道水にしましょう。
家に迎えてから1ヶ月の間は、それまで食べていたフードと同じものを食べさせてください。ある日突然違うフードを与えると、変化に胃腸がついてこれず体調を崩してしまいます。
与えるフードを切り替える時は、それまで食べていたフードに新しいフードを少量混ぜて、少しずつ割合を増やしていきましょう。
ワンちゃんにもおもちゃの好みがあるので、複数用意して好きな物を選ばせてあげましょう。おすすめは、乱暴に扱っても壊れない丈夫なぬいぐるみなどです。
また、誤って飲み込んだりしないよう、小さなものは与えないようにしましょう。
飼い始めてから用意したいものは？
コームやスリッカー、ピンブラシ、獣毛ブラシなど、一口にブラシといっても種類はさまざまなので、用途に合わせてブラシを用意するといいでしょう。
ミニチュアピンシャーは毛が生え変わるサイクルが短いので、ブラシは頻繁に使うことになります。
爪切りは、可能であれば自宅で行いたいお手入れの1つです。
ワンちゃんの爪は放っておくと伸び続けて歩行の邪魔になるので、適度な長さを維持しましょう。短くしすぎると血管を傷付けてしまうので注意が必要です。
シャワーができるようになるのは、ワクチンが終了して散歩ができるようになってからです。短毛のミニチュアピンシャーは皮膚に刺激が伝わりやすいので、低刺激のシャンプーを使ってください。
散歩デビューはワクチンプログラムを終えてからになるので、急いで準備する必要はありません。
ミニチュアピンシャーは首が細いので首輪を選ぶ際は注意しましょう。特に理由がなければ、胴体に装着するハーネスがおすすめです。
ミニチュアピンシャーはスムースコートかつシングルコートの被毛を持つ、寒さに弱い犬種です。寒さ対策だけでなく抜け毛の飛散防止として着させるのも良いでしょう。
ミニチュアピンシャーを室内飼いする上での注意点
ミニチュアピンシャーを室内で飼うには、不便がないように生活環境を整えてあげる必要があります。
飼い主が気付かないような些細なことでも、ワンちゃんにとっては意外と重大な問題ということもあるので、迎える前に室内を見直してみると良いかもしれません。
床は滑りにくくしておく
小型犬は骨が細く関節が弱いので、日常生活では極力負担をかけないようにしたいものです。
加えて、ミニチュアピンシャーはとても活発な犬種なので、生活環境を整えてできる限りケガのリスクを減らしてあげてください。
床の素材がフローリングの場合、滑りやすく立っているだけでも股関節に負担がかかってしまうので、カーペットや絨毯を敷いて滑りにくくしてあげましょう。
寒さ対策は万全に
ミニチュアピンシャーは、短毛でシングルコートの被毛なので寒さに弱く、冬場には洋服を着せたりエアコンなどの暖房を使うなど、寒さ対策は欠かせません。散歩などの外出時はもちろん、室内にいる時も寒さを感じないようにしてあげてください。
また、冬は寒さだけでなく乾燥もしやすいので、保湿スプレーやクリームで皮膚や被毛のケアもしてあげましょう。
飼育ポイント「食事量・散歩・しつけ・病気」
ワンちゃんを飼うにあたり、飼い主が日常的に管理してあげなければならないことは少なくありません。
特に毎日の食事や散歩、愛犬のやかかりやすい病気の予防など、自分のこと以上に気を遣うこともあります。
1日に必要なミニチュアピンシャーの食事量は？
ミニチュアピンシャーに与えるフードは、基本的にはパッケージに記載された1日に与える量で問題ないでしょう。
そのうえで、体調や体重、便の状態を確認して、愛犬に合った量に調整してあげることができればベストです。
主食は、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。成長に伴い必要な栄養素や食事量は変わってくるので、ライフステージに合わせて【子犬用】【成犬用】【シニア犬】に切り替えてください。
ミニチュアピンシャーの散歩はどうすればいい？
引き締まったスマートな見た目のイメージ通り、活発で運動好きなミニチュアピンシャーは、「小さなドーベルマン」と呼ばれるほどの体力と運動能力を持つ犬種です。
そのため、1日に必要な散歩時間・距離は他の小型犬と比べると長く、時間にして30分～1時間程度、距離にすると3～5km程度の散歩を毎日2回行うのが理想とされています。
しつけはいつから？何が必要？
ミニチュアピンシャーを家に迎えたら、しつけは可能な限り早い段階、理想は迎えたその日から始めたいところです。
ワンちゃんのしつけでは、何よりも飼い主と愛犬との信頼関係が大切になります。愛犬が飼い主を認め、しっかりとした関係性を築いたうえで、飼い主が適切な教え方をすれば、どんな子でも言うことをきいてくれるでしょう。
そのためにも、まずはミニチュアピンシャーが安心して暮らせる環境を家の中に準備してあげてください。
かかりやすい病気は？
ミニチュアピンシャーは皮膚がデリケートなので、アトピー性皮膚炎を始めとした皮膚病になるリスクが高い犬種です。また、原因不明の大腿骨頭壊死症（レッグペルテス病）や小型犬がなりやすい膝蓋骨脱臼（パテラ）にも注意が必要です。
まとめ
ミニチュアピンシャーは、スマートな見た目に反して、飼い主には思い切り甘えてくれるギャップが魅力的な犬種です。人見知りはするものの、総合的に見ると比較的飼いやすい部類の犬種といえるでしょう。
愛犬との良好な関係を築くには、何よりも信頼関係の構築が重要です。
今回の記事を参考に、愛犬から認められる飼い主になってくださいね。
子犬情報が更新されたとき