プーリーの性格や特徴は?初心者に向けた飼い方も
プーリーの性格
個性的なドレッドヘアの犬種「プーリー」。 一見おとなしそうに見えますが、見た目とは裏腹にとても活発で好奇心旺盛。しかも、羊の群れを追い回せるほど足が早く、元気でパワフルな犬種でもあります。また学習能力が高く、物覚えもよい優秀な犬種といわれていますが、プライドが高く寂しがり屋な一面も持ち合わせています。ただ基本的に順応性の高い犬なので、飼い主や家族に対してとても忠実です。
小さなお子さんとも優しく接することができるので、すぐに仲良くすることができますよ。
プーリーの大きさや体重
プーリーの被毛は寒暖差や紫外線を始め、雨風や土埃などから体を守るといわれています。一見、全身がモップのようにも見えるため重そうに感じますが、意外にも運動神経は抜群!羊の背中に飛び乗ってしまうほどの機敏さを持ち合わせています。
また被毛に隠れた四肢は意外にも長く、骨格もがっしりした筋肉質なところも特徴の1つといえるでしょう。
サイズ | 中型犬 |
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体高※ | オス:39~45cm(理想体高:41~43cm) メス:36~42cm(理想体高:38~40cm) |
体重 | オス:13~15kg メス:10~13kg |
プーリーの歴史と原産国
プーリーは、中央ヨーロッパに位置する内陸の国「ハンガリー」が原産の牧羊犬です。古くから存在している犬種としても知られ、2000年以上の歴史があります。また古代から存在していたと見られる兆候が各地で発見されており、一説には6000年の歴史があるのではとも伝えられているそうです。
そしてプーリーは別名「ハンガリアン・ウォーター・ドッグ」「ハンガリアン・プーリー」とも呼ばれ、モンゴル系の遊牧民であるマジャール族がハンガリーに移動する際に連れてきた牧羊犬が後にプーリーの祖先ともいわれています。
プーリーの毛色の種類
子犬の頃はくるんとしたカールにウェーブ状の被毛をしていますが、成犬になるにつれて被毛は伸びていき立派なドレッドヘアになります。毛色は「ブラック」「ホワイト」「クリーム」「シルバー(グレー)」「ブラウン」などがあります。
しかし一般社団法人ジャパンケネルクラブで認められている毛色は「ブラック」とラセットゴールドが全く入っていない「パールホワイト(プラチナブロンド)」のみとされ、これらの色以外やマーキングは好ましくないとされています。
食事量や回数
プーリーの寿命は平均12~16年といわれていますが、健康に長生きするためには適切な食事管理がとても大切です。例えば成犬で避妊去勢済みのプーリーの場合、1日に必要なカロリーと必要なフード給餌量はどのくらいなのでしょうか。
前述でご紹介した成犬時のプーリーの体重と照らし合わせ、さらにフードが100gあたり380Kcalと想定した場合で見てみましょう。
もちろん体重によって必要なカロリーや給餌量は違いますし、ドッグフードの量やカロリーは商品によって異なります。あくまでも参考値としてご覧ください。
オスで体重が15kg程度の場合
- 1日に必要なカロリー:約800Kcal
- 1日に必要なフード量:約210g
- 1ヶ月に必要なフード量:6.3kg
- 1日に必要なカロリー:約700Kcal
- 1日に必要なフード量:約185g
- 1ヶ月に必要なフード量:5.6kg
また健康な成犬については1日2回が適正といわれていますので、1日に必要なカロリーを計算して与えるようにしましょう。
もしもおやつをあげるのであれば、おやつのカロリー分からフードの量を減らすようにしてくださいね。
散歩時間や運動量
プーリーの散歩は、朝夕1日2回を30分ほど行うようにしましょう。その際、装着する首輪やリードは被毛にダメージを与えない柔らかい素材のものにしたり、歩行が邪魔になる部分は束ねたりするようにしてあげましょう。被毛を伸ばしている場合は、洋服を着せてあげると汚れの付着を防ぐことができますよ。
またプーリーは運動好きな犬種のため、エネルギーの消費量が少ないとストレスを溜めたり、欲求不満を招いてしまいます。
ドッグランで思いっきり走らせたり、ボールで遊んであげたりするなど、体を動かす運動をさせるようにしてあげてくださいね。
お手入れについて
食事の回数については、犬の年齢や健康状態によって変わってきます。 一般的には消化器官が未発達な子犬や消化器官が衰えている老犬は1日3~4回にしていただき、体調を見つつ小分けにして与えてください。プーリーの被毛は「コーテッドコード」と呼ばれる縄状の毛質が特徴的です。また毛の密度が他の犬種よりも高く、小まめにお手入れをしないとすぐに絡まって毛玉になってしまう恐れもあります。
しかもプーリーの被毛は時間をかけて形成されていくため、年齢によって被毛の扱い方が変わってきます。そのため年齢に合わせてお手入れ方法を変える必要があるのです。
ベビーコート
子犬期の被毛は「ベビーコート」と呼びます。 アンダーコート(下毛)がなく、唯一ブラッシングができる時期でもありますので、丁寧にそして念入りにブラッシングをしてあげるようにしましょう。
パピーコート
生後5~6ヶ月頃になるとアンダーコート(下毛)が生えてきます。そして少しずつ毛がまとわりついてくるためブラッシングを行うことが困難になります。
そのため、ブラッシングを止めた時期に一度シャンプーをしてあげてください。
ただし、パピー時期は風邪を引きやすく何よりもコートが形成される時期でもあります。なるべくこの時期は何度もシャンプーをするのは控えるようにしましょう。
ジュニアコート
生後10ヶ月頃から毛束がまとまってきます。
この時期のお手入れ方法によって今後の毛の状態にも影響してきますので、大きな毛玉ができないように毎日チェックを行いましょう。
このとき束になった毛を毛玉と勘違いしてしまいがちですが、プーリーの場合はこれが健全な成長の証です。そのため切ったり、ほぐしたりしないように注意してくださいね。
ヤングコート
1歳半頃になると毛がしっかりと絡み、一本一本の区別がはっきりしてきます。 また縄状の毛束が形成されていき、常に絡みながら伸びていきます。
アダルトコート
ヤングコートが伸びた状態で、被毛が年間10cm程度伸びていきます。絡みながら伸び続けていき、フルコートになるまで約4~5年かかります。
シャンプーの頻度
プーリーの被毛は縄状毛と呼ばれる特徴的なコートです。
そのためコートの構造を理解した上で、常に清潔な状態を保つ必要があります。
適切なシャンプーやドライ方法に関しては、成犬で月に1~2回を目安に行いましょう。ただしシャンプーのし過ぎは負担がかかり、皮膚や被毛を傷つけたり、絡みにくくなることもあります。さらには千切れやすくなってしまいますので十分気を付けましょう。
また普段汚れやすいおしりや足、お腹などは濡れタオルで優しく拭いてあげてしてあげてくださいね。
もしも「プーリーのお手入れが難しい」という場合は、トリミングサロンで洗ってもらうようにしましょう。
しつけについて
プーリーはとても賢く、しつけがしやすい犬種といわれています。しかし少々頑固で自己肯定感が強い傾向にあるため、叱られたり罰を与えられたりするといじけてしまうことも。
また元々牧羊犬だったこともあり吠えやすい犬種でもあります。吠え癖がつかないためにも、子犬時代から正しいこととダメなことを毅然とした態度で教えるようにしてください。
もしもプーリーのしつけに不安があれば、ドッグトレーナーにトレーニングを依頼するのも方法の1つです。一人で悩まず、プロの力を借りながら素敵な愛犬に育てていきましょう。
まとめ
全身ドレッドヘアの犬種「プーリー」。 別名「モップ犬」とも呼ばれるほど、なんともユーモア溢れた愛らしい犬種です。被毛のお手入れに関しては大変な一面がありますが、好奇心旺盛で学習能力も高く、飼い主に対して従順な性格を持ち合わせていますので、きっとお迎えしたら最高のパートナーになってくれることでしょう。
ただし珍しいからといって安易に飼うことはNG。事前にプーリーの生態や特徴、お手入れ方法などを確認し、きちんとその子の最期まで共に過ごせる覚悟を持った上でお迎えしてあげえてくださいね。