1.ぶどう
レーズン(干しぶどう)を含むぶどうは、犬が食べるとぶどう中毒になってしまい、腎不全を引き起こす恐れがあります。
症状としては、食べてから12時間以内に嘔吐、元気消失、下痢が起こり、その後に脱水症状、食欲減退、排尿増加とそれに続く排尿減少につながることも。
小型犬の場合、種なし小ブドウ約70グラムを食べた5時間後に嘔吐と乏尿の症状が現れ、4日後に死亡したという事例があるほど、犬にとっては危険な食材です。
2.アボカド
アボカドに含まれる「ペルシン」という成分は、多くの動物にとって有毒です。
犬がアボカドを食べてしまうと、中毒を引き起こす可能性があるほか、高い脂肪分が消化に悪く、個体によってはアレルギーの原因にもなります。
また植物の種は胃腸で消化されないので、アボカドのような大きな種はお腹に長く停滞してしまったり腸を詰まらせてしまったりする恐れがあります。摂取後、嘔吐や腹痛といった消化器症状が現れることがあるため危険です。
少量であれば症状が出ないこともありますが、アボカドは与えない方が無難でしょう。
3.キシリトール
人工甘味料としてさまざまなお菓子、食品に使用されているキシリトールも犬にとって危険な食材です。犬が摂取すると、血糖の急激な定価により肝障害などが起こり、最悪死に至ることもあります。
摂取すると、数分後から数時間後に嘔吐やけいれん発作、ふらつきなどの運動失調といった症状が現れるので、直ちに動物病院に連れて行ってください。
体重4.5㎏の子であれば、たった1個のシュガーレスガムだけでも中毒症状を起こすことがあります。
キシリトールは歯磨剤、マウスウォッシュ、噛むタイプのビタミン剤、咳止めシロップなどにも使われているので、口にしないよう気を付けましょう。
4.ネギ類
ネギ類には【有機チオ硫酸化合物】という成分が含まれており、これを摂取すると中毒になり元気消失や筋力低下といった症状が現れます。死亡例こそ多くはないものの、赤血球が破壊され、血尿や下痢、嘔吐など、深刻な中毒症状を引き起こすので絶対に食べさせないようにしましょう。
ここで挙げるネギ類には、長ネギや玉ネギをはじめ、ニンニクやエシャロット、アサツキまで広く含まれます。
特にニンニクに含まれる中毒の原因となる成分は、タマネギの約5倍と非常に多く強力なので、注意が必要です。
ワンちゃんが自分から食べることは滅多にありませんが、加熱しても成分が分解されることはないため、ネギ類が含まれるハンバーグや餃子なども与えてはいけません。
5.アルコール
人間は体内でアルコールを分解できますが、犬はアルコールを分解する酵素や代謝機能を持っていません。そのため、アルコールが分解されないまま長時間体内に残ってしまい、一度体内に吸収されると脳や中枢神経に悪い影響を与えてしまいます。最悪、臓器系の機能不全から死に至る危険もあるのです。
中毒症状には、嘔吐、見当識障害、高体温、情動不安、過剰なパンティング、筋肉の振戦(ふるえ)、けいれん発作があります。ワンちゃんの体の大きさや摂取した量にもよりますが、通常30分程度で中毒症状が現れます。
6.チョコレート
チョコレートの主成分であるカカオには犬を中毒にさせる成分が含まれています。摂取すると嘔吐や下痢を引き起こし、ショック状態や急性心不全になることがあります。
摂取後、2〜6時間ほどで「落ち着きがなくなる」「興奮状態になる」「呼吸が荒くなる」といった症状が現れます。
場合によっては数日後に症状が出るケースもあるので、チョコレートを食べた後で動物病院へ連れて行ったとしても安心せず、予後を注意深く観察しましょう。
袋の音やチョコレートが含むバターの香りが食欲を刺激し、欲しがるワンちゃんも多いので家族が食べる場合は手が届かない場所か違う部屋に移動するようにしましょう。
まとめ
飼い主がに普通に食べている物であっても、愛犬にとって毒となる食材は珍しくありません。症状が重いと最悪死に至ることもあるのです。
人と犬は違う生き物であることを理解し、基本的に人間の食べ物を与えないようにして、与える際は細心の注意を払いましょう。
著者/ブリーダーナビ編集部