プロのお仕事!犬の『職業』11種
働く犬といえば、盲導犬や介助犬、災害救助犬などが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。人間のために尽くしてくれるお仕事犬たちには頭の下がる思いですね。
全部で11種類もあるプロとして働く犬の職業と、その職業の代表的な犬種を見ていきましょう。
1.盲導犬
視覚障碍者をサポートする特別な訓練を受けた「目が見えない方の目になる」職業犬です。
一般的に犬の立ち入りが認められていない公共施設や交通機関、デパート、ホテルなどの民間施設に入ることが特別に認められています。
代表犬種:ラブラドールレトリーバー、ゴールデンレトリーバー
2.聴導犬
耳が不自由な人の代わりに、タイマーの音やスマホの着信を知らせる、聴覚をサポートする職業犬です。
ただ音を知らせるだけでなく、複数の音を聞き分けることができ、音源まで誘導したり警報音が鳴れば避難を促したりするなど、対応を変えることができます。
代表犬種:シェットランドシープドッグ、柴犬
3.介助犬
手や足に障害がある方のために「ドアを開ける」「スイッチを押す」など、日常生活のサポートをしてくれる職業犬です。
また、緊急時に人を呼びに行ったり緊急ボタンを押すなど、緊急の対応までしてくれます。
物理的なサポートはもちろん、精神的な支えにもなってくれるパートナーです。
代表犬種:ラブラドールレトリーバー
4.警察犬
警察の捜査や警備で活躍する、専門性の高い仕事をするため高度な訓練を受け、とても高い能力を持った職業犬です。
大きく分けて、【麻薬探知犬】【跡追及犬】【臭気選別犬】【威警犬】という4つの仕事に分かれます。
代表犬種:シェパード、ドーベルマンなど
5.災害救助犬
犬の鋭い五感を活用して、災害で生き埋めになった要救護者を発見・救助するために訓練された職業犬です。
人命救助が使命なので、極めて高い能力が求められます。
代表犬種:セントバーナード、ジャーマンシェパードドッグ、ニューファンドランド、レオンベルガー
6.牧羊犬
牧畜犬とも呼ばれる、家畜の群れの誘導や見張りを生業とする職業犬です。
外敵から守る【ガーディングドッグ】と、家畜を誘導する【ハーディングドッグ】という2つの役割があります。
代表犬種:ボーダーコリー、シェットランドシープドッグ
7.セラピードッグ
コミュニケーションを通じて高齢者や障碍者、患者さんの癒やしとなるよう訓練を受けた、心を癒す【ドッグセラピー】を行う職業犬です。
人間だけでなくワンちゃんに対しての癒しという、双方向のリハビリという側面もあります。
代表犬種:ゴールデンレトリーバー、ダックスフンド
8.猟犬
ハンターに獲物の場所を知らせたり、追い立てて狩りがしやすい状況を作ったりするほか、獲物を捜索、回収する役割を担う職業犬です。
主に【鳥猟犬(ガンドッグ)】と【獣猟犬(ハウンド)】に分かれ、地上から岩穴、水中までさまざまな環境で活躍します。
代表犬種:イングリッシュポインター、イングリッシュセッター
9.闘犬
【闘犬】という言葉には、犬同士を戦わせる競技と、そこで活躍する犬という2つの意味があります。
洋の東西を問わず、古くから世界各地で娯楽として親しまれてきた競技ですが、近年は動物愛護の観点から、廃止または縮小の傾向にあります。
代表犬種:ブルドッグ、土佐犬
10.競争犬
複数の犬たちが競走するドッグレースを行う職業犬で、簡単に説明すれば競走馬の犬バージョンです。
近年は動物愛護の観点から禁止の方向へ動く国がある一方、公営ギャンブルとして扱う国もあり、2極化の流れになっています。
代表犬種:ウィペット、グレイハウンド
11.害獣駆除犬
農家の畑を荒らすなど、人間の日常生活に害をもたらす野生動物を駆除する役割を担う職業犬です。
猿を駆除する【モンキードッグ】や熊を駆除する【ベアドッグ】などが活躍しています。仕事の性質上、危険が伴うことが多いため、小型犬よりも大型犬の方が向いています。
代表犬種:グレートデーン
まとめ
ワンちゃんは古くから人間の良きパートナーとして、さまざまな場面で私たちを助けてくれていました。増えた職業もあれば規模が小さくなっていった職業もあり、時代の流れが感じられますね。
日常で目にする機会もあると思うので、実際にどんな活動をしているのか一度注目してみてはいかがでしょうか。ただしお仕事中の犬に声をかけたり触ったりするのは厳禁。そっと見守ってくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部