犬のしっぽの役割とは?
ピンと立ったり、ブンブン振ったりと犬のしっぽはとてもかわらしいですよね。ところで犬のしっぽは何故あるのかご存知ですか?
犬にとってしっぽは大事な体の一部ですが、実は大きな役割を果たしているのです。
①感情を伝えるため
犬は吠えたり、鳴いたりする以外にも全身を使って感情を表現します。
特にしっぽは「嬉しい」「楽しい」「悲しい」「怖い」などの感情を表し、コミュニケーションを取るために必要なツールの1つとなっています。
またしっぽの振り方や高さ、早さによって感情が異なるといわれています。
また犬が泳ぐ時には顎で泳ぐ方向を定め、しっぽを舵のように使ってバランスを取りながら泳いでいるそうです。
②体のバランスを取るため
犬のしっぽは、体のバランスを調節する役割を持っています。
例えば全速力で走っている犬は、どんな状況でも倒れないよう上下にしっぽを振りながら体のバランスを取り、転倒を防ぎます。
③寒さから身を守るため
犬のしっぽは、体温を維持するための重要な役割を持っています。
犬は寒さを感じると体を丸くし温めようとしますが、その時しっぽも体に巻き付け鼻をかくします。これは、冷たい空気を吸わないようにするため。そうすることで、体温がこれ以上下がるのを防いでいるのです。しっぽは感情表現をするだけではなく、寒さから身を守るための役割も果たしているのです。
犬の気持ちをしっぽから読み取ろう!
犬のしっぽは3つの役割を果たしていることがわかりました。では、一体どのようにして犬は自分の感情を伝えているのでしょうか。
1.しっぽを大きく振っているとき
犬が大きくしっぽを振っている時は、相手に対する好意や穏やかな服従を表しています。
また、しっぽを勢いよく左右に振っている時は「甘えたい」「仲良くしたい」「大好き」といった気持ちが表れているそうです。
飼い主さんが帰宅した時に見られる光景の1つですね。
2.しっぽをピンっと上げているとき
犬のしっぽがピンと上がっている時は、集中や興奮を表しています。
何か気になる音や物を見つけた時、耳を澄ましながら周りをジッと伺っている時によく見られます。
また犬の場合、他の犬に対して自分を強く見せたいためにしっぽを立てる時があります。これは犬の野性的な防衛本能の表れだそうですよ。
3.しっぽが下がっている・足の間に巻き込んでいるとき
犬のしっぽが下がっている状態は、不安やストレスが湧きおこっているサインです。特に体勢が低い時は周りの状況に対し、強い緊張や不安を感じているといわれています。
また後ろ足の間に巻き込むくらいしっぽを下げているのは恐怖や警戒によるためで、かなりの緊張状態にあるといえます。
さらに姿勢を低くして動かない場合は、攻撃するか逃げるかを迷っている状態です。あまり無理をさせないようにし、犬が落ち着くまで一定の距離を保つようにしましょう。
しっぽが短い、またはほとんどない犬もいる
犬種の中には、トイプードルやフレンチブルドッグなどのように生まれつきしっぽが短い犬種や、コーギーのように生後間もなく人の手によって断尾されてしまう犬種もいます。
これらの犬の場合、しっぽから感情を読み解くことが難しいため、日頃からしっぽ以外の部分に現れる感情表現を見逃さないようにしてください。
例えばおしりを上げたり、おなかを見せたりした場合は「あなたに敵意はないですよ」という意味を持ちます。また視線を外したり、あくびをしたりした場合は、ストレスがかかっているためそっとしておいてあげましょう。
まとめ
犬のしっぽは、感情によって振り方や動かす速度が変わります。
小刻みに早くしっぽを動かしている時は「嬉しい」「楽しい」といった喜びの感情を表していますが、逆にゆっくりと動かしている場合は「こわいよ…」「どうしよう…」といった不安や恐怖などによる警戒心を抱いていることがあります。そんな時はやさしく「大丈夫だよ」と声を掛けてあげてくださいね。
犬は人のように言葉で感情を表すことができませんが、その分しっぽを始め、全身で感情を表しています。そこから犬の気持ちを読み取り、信頼を深めていってくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部