犬のイエローリボンをご存じでしょうか。これは犬とその飼い主の「近付かないで」という意思表示です。今回は、「距離を取ってください」という気持ちを周囲に知ってもらうための『イエロードッグプロジェクト』について解説していきます。
まずはブリーダーナビ公式インスタグラムで実施したアンケート結果をご覧ください。
犬の『イエローリボン』の意味、知ってましたか?
(ブリーダーナビ公式Instagramでのアンケート 2021年8月2日実施 回答数74)
犬の「イエローリボン」の意味を既にご存じだった方は、全体の3割以下という結果に。まだまだ知名度の高くない「イエローリボン」ですが、犬を守るためにとても大切なプロジェクトです。ぜひ知って、周囲の方にも広めていってください!
犬のイエローリボンとは
犬のイエローリボンとは、「近づかないでほしい」という意思表示として、リードに付けるリボンなどの黄色い目印のことです。
2016年6月にスウェーデンの関係者を中心としたグループの【イエロードッグプロジェクト】という活動が発祥とされており、ウェブサイトやSNSなどで世界中に拡散されました。
すぐに賛同者が集まり、欧米をはじめ日本などのアジア、南米、南アフリカなど、現在世界中に広がりを見せている活動です。
イエローリボンを何故付けるのか
イエロー『リボン』と言っても黄色いものであれば、なんでもOK。リボンの他に黄色いバンダナやリードカバーを付けている場合もあります。
イエローリボンを付けた犬は【イエロードッグ】と呼ばれ、必ずしも攻撃的であるわけではないものの、さまざまな理由で近付かないでほしいワンちゃんになります。
ケガや病気といった健康上の理由でそっとしておいてほしかったり、飛びつき癖や噛みつき癖、見知らぬ人や動物に強く反応してしまうトラブルを招きやすい子が多いでしょう。
そのほか、盲導犬や聴導犬などトレーニングの最中であったり、社会復帰の訓練中で、集中力を維持するためストレスを与えないための対策として、イエローリボンを付ける場合もあります。
イエロードッグへの接し方
ここまで説明してきたように、イエロードッグとは「近付かないで欲しい」という意思表示です。そのため、「距離を取ってそっとしてあげる」が正しい接し方といえるでしょう。
犬好きな方であれば、かわいいワンちゃんを見かけたら近寄って撫でたり写真を撮ったりしたくなるものです。しかし、中には触れられることはおろか、見つめられるだけでストレスを感じる子もいるため、イエロードッグに関しては「少しだけなら」という考えは捨てましょう。
そもそもイエロードッグプロジェクトとは、「特別に配慮が必要な犬との適切な接し方を啓蒙する活動」です。
イエローリボンを付けている犬だけでなく、全ての犬との接し方を見直してみる機会にできると良いですね。
まとめ
例えば保護犬は、心に傷を負っていたり社会化やしつけが不十分であったりすることが少なくありません。
こうした子は人間に懐いていないどころか敵意さえ持っていることがあり、迂闊に撫でようとすれば噛みつかれるなどトラブルに発展することもあるでしょう。
「仲良くなろうと思っただけ」というかもしれませんが、それは人間の都合です。
相手のことを思うのであれば、むやみに近付くのではなく、離れてそっとしておくことの方が正しい行動といえます。
今回紹介したイエローリボンプロジェクトという活動が広まり、犬をただの愛玩動物ではない1つの意思がある生き物として接する人が少しでも増えてほしいものです。
著者/ブリーダーナビ編集部