昨今、ペット人気の高まりもあり多くの犬種が知られるようになりました。
しかし、世界にはまだまだ多くの知られていない犬種が存在します。
今回は海外では人気でも日本では知名度が低い犬種や、そもそも希少性が高く滅多にお目にかかることができない犬種まで、国内では珍しいとされる犬種をサイズごとにわけて紹介していきます。
珍しい小型犬
国内で人気の小型犬ですが、それでも日本ではまだあまり知られていない小型の犬種は存在します。
ここでは、そんな知名度が高くない、あまり見かける機会のない犬種を紹介します。
パーソン・ラッセル・テリア
photo by Eric Isselee/Shutterstock.com
・大きさ:小型犬
・体高:オス…36cm、メス…33cm
・体重:6~8kg
・平均寿命:15年
・原産国:イギリス
特徴や毛色
骨太で筋肉質な体つきをしており、V字に折れた耳と短い尻尾が特徴的です。
硬くて粗い被毛の毛色は、ホワイトのほか、ホワイトにタンやレモン、ブラックなどが斑に入った模様もあります。
歴史
外見にとらわれず、作業能力を優先に、ジャック・ラッセル牧師によって作出されました。
一時期存在が忘れられていましたが、猟犬家や乗馬愛好家から人気が高まり、現在では家庭犬として親しまれています。
性格
・友好的
・愛情深い
・忠実
・活発
・勇敢
コトン・ド・テュレアール
・大きさ:小型犬
・体高:オス…26~28cm、メス…23~25cm(+2cm-1cmまで許容)
・体重:オス…4~6kg、メス…3.5~5kg
・平均寿命:14~16年
・原産国:マダガスカル
特徴や毛色
名前の意味は「テュレアールに咲く綿花」で、マダガスカルの貴族が愛した白い綿(コトン)のような毛質の犬種です。
シングルコートの長毛種で、ホワイトやミルクホワイトの個体がほとんどですが、稀にクリーム色やブラックの小斑が混じる子もいます。
歴史
水夫がマダガスカルに持ち込んだことが始まりといわれており、フランスに連れて行かれたことで、フランス風の名前が付けられました。1970年に公認されたことで知名度を上げ、現在に至ります。
性格
・明るく落ち着きがある
・たいへん友好的
・適応力が高い
プラシュスキー・クリサジーク
photo by Cavan Images/iStock
・大きさ:小型犬
・体高: 21 ~23cm(±1cm許容)
・体重:約2.6kg
・平均寿命:12~14年
・原産国:チェコ共和国
特徴や毛色
全犬種の中でも最小レベルの超小型犬で、見た目に反して非常に活発で機敏、遺伝性疾患が少ないという特徴があります。
毛色は『ブラック&タン』の毛色の個体が最も多く、イエローやレッド、ブラック&タン・マール、ブルー&タン、ブラウン&タン・マールなど、豊富なカラーバリエーションを持つ犬種です。
歴史
名前はチェコ語で「プラハのネズミ捕り」という意味で、その意味の通り古くからねずみ駆除として活躍していた犬種です。
チェコの歴史に深く関わり、ボヘミア貴族のたちの抱き犬として人気を博し、他国への贈り物としてヨーロッパ全体に広まりました。
一時は絶滅寸前にまで追い込まれたものの、たった8頭から2017年には5,500頭程まで増え、現在はプラハを中心に世界中で愛されています。
性格
・穏やか
・好奇心旺盛
・愛情豊か
・家族に友好的
スムース・フォックス・テリア
photo by Ekaterina Gorokhova/iStock
・大きさ:小型犬
・体高:~39cm
・体重:オス…約7.3~8.2kg、メス…約6.8~7.7kg
・平均寿命:12~15年
・原産国:イギリス
特徴や毛色
均整のとれたスクエア型のスタイリッシュな体型で、小柄ながら筋量が多く骨もしっかりとしています。
単色のホワイトか、ホワイトの地にタンやブラックなどの斑が入ることがあります。
JKCでは、ベースカラーとなるホワイトが優勢であることを、スタンダードとしています。
歴史
非常に古い犬種ですが、起源や沿革は明らかになっていません。
現在の名前で呼ばれるようになったのは18世紀頃らしいと考えられています。1876年にクラブが設立され、そこから改良が進み、20世紀には世界的な人気を獲得しました。
性格
・注意深い
・友好的
・積極的
・怖いもの知らず
シーリハム・テリア
・大きさ:小型犬
・体高:~31cm
・体重:オス…約9kg、メス…約8.2kg
・平均寿命:12~14年
・原産国:イギリス
特徴や毛色
長方形の体型で足が短くコンパクトな体つきですが、筋肉が発達しています。
毛色には白が多く、ホワイト一色かホワイトにレモン、ブラウン、ブルー、アナグマ色(バジャー)の斑が、頭部と耳に入ることがあります。
歴史
オッター・ハウンドといっしょに水辺で働く猟犬が欲しくて、ジョン・エドワード大佐によって作出された比較的新しいテリアです。ウェールズのシーリハムに住んでいたことから、名前が付けられました。
1850年から1891年にかけてワーキング・テリア・タイプとして作出され、その後1903年にショー・ドッグとしてショーに登場することになりました。
性格
・勇ましい
・注意深い
・怖いもの知らず
・友好的
ランカシャー・ヒーラー
・大きさ:小型犬
・体高:オス…30cm、メス…25cm
・体重:5.9~8.2kg
・平均寿命:12~15年
・原産国:イギリス
特徴や毛色
見た目は黒毛のコーギーで、胴長短足の元牧羊犬です。
毛色はブラック&タンまたはレバー・ブラウン&タンで、マズルや胸部、膝から下、後軀の内側及びしっぽの下側の色は鮮やかなタンであります。
歴史
ウェールズからランカシャー州へ牛を移動させた際、連れていたウェルシュコーギーペンブロークとマンチェスターテリアが交配して誕生したとされています。
元は牧羊犬で、牛のかかと(ヒール)を噛んで誘導していたため、ランカシャー・ヒーラーという名前がついたそうです。
性格
・勇敢
・陽気
・愛情深い
ジャーマン・ハンティング・テリア
・大きさ:小型犬
・体高:33~40cm
・体重:オス…9~10kg、メス…7.5~8.5kg
・平均寿命:9~10年
・原産国:ドイツ
特徴や毛色
体長はやや長めで筋肉質な、バランスの良いコンパクト体型。被毛は密集した剛毛と、粗いスムースの2種類です。
毛色はブラック、ダーク・ブラウン、グレイッシュ・ブラックを基本に、眉やマズル、胸、脚、尾の付け根にタンが入っています。
歴史
狩猟家兼繁殖家であるルドルフ・フリーセ氏などが、ハンティング能力の高さを求めて作出した犬種です。
1926年に犬種クラブが設立され、1930年代には10頭程度だった頭数が、約10年で3,000頭近くまで増加。第二次世界大戦により、一時その数を大きく減らしたものの、1947年頃から再び繁殖が進められ、現在に至ります。
性格
・勇敢
・気性が激しい
・社交的
珍しい中型犬
小型犬に続いて、紹介するのは中型犬です。日本犬と同程度の大きさといえばイメージしやすいでしょうか。
ここでは、日本では珍しいとされる中型犬の犬種を5種紹介します。
ノヴァ・スコシア・ダック・トーリング・レトリーバー
photo by Erik Lam/Shutterstock.com
・大きさ:中型犬
・体高:オス…48~51cm、メス…45~48cm
・体重:オス…20~30㎏、メス…17~20㎏
・平均寿命:12~13年
・原産国:カナダ
特徴や毛色
レトリバー種の中で最小の大きさの犬種で、トラーの愛称で親しまれています。指の間に水かきがあり、泳ぎが得意です。
毛色はレッド、オレンジなどで、足や胸などにホワイトのマーキングが入ります。
歴史
ノヴァ・スコシア・ダッグ・トーリング・レトリーバーは、水鳥猟をサポートする目的で作出されました。水鳥をおびき寄せるトーリングを得意としていたようです。
性格
・従順
・忍耐力がある
・賢い
・温和
・遊び好き
アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリア
photo by dien/Shutterstock.com
・大きさ:中型犬
・体高:オス…46~48cm、メス…オスより少し小さい
・体重:オス…18~20.5㎏、メス…オスより少し軽い
・平均寿命:13~14年
・原産国:アイルランド
特徴や毛色
たくましい体つきで、被毛は柔らかい毛質でウェーブがかっています。抜け毛が少ないので、アレルギーでも飼いやすいといわれています。
毛色はウィートン(小麦色)で、明るい色調から赤みを帯びたゴールドの色調まであります。
歴史
アイルランドが原産の犬種の中で最も古いといわれており、害獣駆除や家畜の見張りなどさまざまな作業を担っていたようです。ウィートンの愛称で親しまれています。
性格
・愛情深い
・穏やか
・勇敢
・元気
・忠実
チルネコ・デルエトナ
photo by DragoNika/Shutterstock.com
・大きさ:中型犬
・体高:オス…46~50cm、メス…44~48cm
・体重:オス…10~13㎏、メス…8~11㎏
・平均寿命:-
・原産国:イタリア
特徴や毛色
細く引き締まった頑丈な体格で、耳は大きく立っています。極めで短い短毛なので、寒さに弱い傾向があります。
毛色はフォーンで、個体によって明暗が異なります。頭部や胸にホワイトのマークが入ります。
歴史
チルネコ・デルエトナは、古代エジプト時代にフェニキア商人がシチリア島に持ち込んだとされています。野ウサギなどの猟で活躍していたといわれており、現在では狩猟犬や番犬として人気を集めています。
性格
・愛情深い
・利口
・忠実
・意志が固い
・用心深い
チベタン・テリア
・大きさ:中型犬
・体高:オス…35.6~40.6cm、メス…オスよりもわずかに小さい
・体重:8~14kg
・平均寿命:12~15年
・原産国:チベット(中国)
特徴や毛色
全身を豊かな被毛に包まれた、スクエア体型の中型犬です。
名前とは裏腹にテリア種とは無関係で、ただバランスが似ているまったく別の犬種になります。
毛色の種類は豊富で、チョコレート、レバー色以外のすべての色が認められています。
代表的なものでは、ホワイト、ゴールデン、クリーム、グレー、スモーク、ブラック、パーティ・カラー、トライカラーなどがあります。
歴史
ラマ教の寺院で幸福を招く守護犬として大切にされてきた古い歴史を誇る犬種で、紀元前から存在したといわれています。門外不出のため、純血性が維持されてきました。
1925年になるとヨーロッパ持ち込まれ、1930年にはイギリスで犬種標準が定められました。
性格
・優しく気立てがよい
・忠実
・愛嬌がある
・外向的
・勇ましい
プチ・バセット・グリフォン・バンデーン
photo by CaptureLight/iStock
・大きさ:中型犬
・体高:34~38cm(±1cm許容)
・体重:11~18kg
・平均寿命:12~14年
・原産国:フランス
特徴や毛色
胴長短足に大きな垂れ耳、全身を包む硬く長い被毛が特徴の元猟犬です。
被毛の色は、ブラック&ホワイト、ブラック&タン、ホワイト&オレンジ、トライカラーがあり、獲物の色に合わせて「野ウサギ色」「アナグマ色」「イノシシ色」「オオカミ色」などと呼ばれることも。
歴史
『バセット』とはフランス語で「低い」の意味で、低い姿勢で獲物のにおいをかぎ取りながら追跡することから。また『グリフォン』は「粗い」、『バンデーン』はフランスの地名になります。
フランスがこの犬種を海外に紹介し始めたのは20世紀後半になってからで、AKC(アメリカンケネルクラブ)に登録されたのも1990年と、比較的近年になってから知られるようになった犬種です。
性格
・陽気
・勇敢
・従順
・意志が強い
・情熱的
珍しい大型犬・超大型犬
日本では、特定の犬種以外の大型犬はあまり見かける機会がないでしょう。
そんな希少な大型犬の中でも、特に珍しい犬種を紹介します。
おそらく、名前すら聞いたことがないという犬種もいるのではないでしょうか。
ブービエ・デ・フランダース
photo by Eric Isselee/Shutterstock.com
・大きさ:大型犬
・体高:オス…62~68cm、メス…59~65cm
・体重:オス…約35~40㎏、メス…約27~35㎏
・平均寿命:10年以上
・原産国:ベルギー、フランス
特徴や毛色
筋肉質な体つきで、眉毛や口ひげが特徴的です。耳は三角に垂れています。
毛色はグレーやグレー・ブリンドル、グレーにブラック・オーバーレイ、ブラックとなります。
歴史
ブービエ・デ・フランダースは家畜追いや荷引きをする作業犬として活躍し、第一次世界大戦では軍用犬としても働いていました。
また、有名な物語「フランダースの犬」に登場するパトラッシュのモデル犬といわれています。しかし、アニメでは違う犬種で描かれており、ベルジアン・タービュレンなどとも推測されているため定かではありません。
性格
・落ち着きがある
・我慢強い
・忠実
・賢い
・愛情深い
イビザン・ハウンド
photo by Kuznetsov Alexey/Shutterstock.com
・大きさ:大型犬
・体高:オス…66~72cm、メス…60~67cm
・体重:20~23kg
・平均寿命:10~12年
・原産国:スペイン(バレアレス諸島)
特徴や毛色
スマートで引き締まった体つきで、尻尾は細長く、垂直に耳が立っています。被毛はラフとスムースの2種類があります。
毛色はホワイト&レッド、ホワイト、レッドです。
歴史
イビザン・ハウンドの起源は古く、古代エジプトの王が狩猟犬として用いた犬種といわれています。フェニキア人やカルタゴ人によって持ち込まれ、次第に広まっていきました。嗅覚や聴覚、運動能力が優れ、ウサギの追跡や捕獲の役割を担っていたようです。
性格
・友好的
・忠実
・賢い
ジャーマン・ショートヘアード・ポインター
photo by Eric Isselee/Shutterstock.com
・大きさ:大型犬
・体高:オス…62~66cm、メス…58~63cm
・体重:20~32kg
・平均寿命:10~14年
・原産国:ドイツ
特徴や毛色
スリムで筋肉質な体型で、俊敏で力強い動きをする犬種です。被毛は短毛で光沢があり、指の間には水かきがあるので泳ぎが得意です。
毛色はブラウン、胸や足にホワイトの斑が入るブラウン、ダーク・ブラウン・ローン、ライト・ブラウン・ローンがあります。
歴史
ジャーマン・ショートヘアード・ポインターは、運動能力が高いダルメシアンやイングリッシュポインターなどが交配され作出されました。獲物の追跡や回収、ポインティングの能力を併せ持つ優秀な鳥猟犬として活躍するほか、ドッグショーでも人気です。
性格
・従順
・穏やか
・利口
・我慢強い
・陽気
ブリアード
・大きさ:大型犬
・体高:オス…62~68cm、メス…56~64cm
・体重:30kg前後
・平均寿命:10~12年
・原産国:フランス
特徴や毛色
ウエーブがかったボリューミーな長毛に全身を覆われています。顔の上半分を覆う垂れ下がった被毛の下には、立派な眉毛やひげ、太くて短い鼻面と非常に愛嬌ある顔が隠れています。
毛色はアイボリー、ブラック、フォーン、グレーといった単色が多いですが、耳や鼻先にブラックがまざっている個体もいます。
歴史
ブリアードは、日本では「フレンチ・ローランドシープドッグ」という名前でも知られる犬種です。8世紀頃には存在したことが窺える、フランスで最も古い牧羊犬といわれています。
第二次世界大戦の際は軍用犬として用いられ、その数が激減。1789年にはアメリカに輸入されましたが、アメリカで繁殖が始まったのはそこからさらに130年以上後のことでした。
性格
・賢い
・忠誠心が強い
・人見知り
・安定している
・勇敢
チェコスロバキアン・ウルフドッグ
・大きさ:大型犬
・体高:60~65cm
・体重:20~26kg
・平均寿命:12~16年
・原産国:旧チェコスロバキア
特徴や毛色
FCI(国際畜犬連盟)に正式なウルフドッグとして公認されている、ウルフドッグ愛好家に
人気の高い犬種です。
そのため、野性味溢れる引き締まった筋肉と骨格を持ち、シュッとした細長な顔立ちと立ち耳、ふさふさした垂れ尾といった狼そのものといえる外見をしています。
毛色はどれもグレーが基調となっており、黄色がかったグレー、シルバーグレー、ダークグレーの3色。頸下と前胸には明るい部分があります。
歴史
1955年、旧チェコスロバキアで行われた実験により、ジャーマンシェパードドッグとカルパチアンウルフの交配によって誕生したウルフドッグです。
作出後、犬と狼の血のバランスを取るために交配調整が繰り返されることで、現在の姿になりました。
1982年にはFCI公認となることで活躍の場面を増やし、現在に至ります。
性格
・活発
・従順
・勇敢
・用心深い
ブル・テリア
・大きさ:大型犬
・体高:53~56cm
・体重:24~28kg
・平均寿命:10~14年
・原産国:イギリス
特徴や毛色
何といっても、のっぺりとした大きな顔に小さな目という、ほかの犬種にはないユーモラスな顔が最大の特徴でしょう。元々闘犬として作出されたため、筋肉質で均整がとれた力強い体躯をしておりとても活動的です。
ブルテリアのスタンダードカラーは、ホワイトかブリンドル、ブラックブリンドル、レッド、フォーン、トライカラーになります。
歴史
19世紀初め頃のイギリスで、当時盛んだった牛と犬を戦わせる娯楽競技のためにブルドッグとテリアによって作出された犬種です。
1835年になると闘犬が廃止されたことで少しずつ今の姿に変わっていき、1860年頃に白いブルテリアが出現し現在の基礎となりました。
性格
・陽気
・忠実
・頑固
・安定している
ナポリタン・マスティフ
photo by Eriklam/iStock
・大きさ:大型犬
・体高:オス…65~75cm、メス…60~68cm(±2許容)
・体重:オス…60~70㎏、メス…50~60㎏
・平均寿命:8~10年
・原産国:イタリア
特徴や毛色
たるんだ皮膚としわが特徴で、体の大きさもあって一見怖そうに見えます。元々闘犬として作出されており、このたるんだ皮膚で噛まれても大丈夫なように身を守っているのです。
被毛の色はグレー、ブラック、ブラウン、フォーンで、胸や脚先に小さな白い斑が入ることも。また、ブリンドルのほか、ヘーゼルやドーブ・グレー、イザベラのシェードも許容されます。
歴史
先祖はローマの軍用犬であるローマンマスティフで、ローマ軍によりヨーロッパ全土に広まり多くのマスティフ犬種が生まることに。その後、イタリアで開発されたことで現在のナポリタンマスティフの形へと変化していきました。
性格
・落ち着きがある
・誠実
・利口
イングリッシュ・ポインター
・大きさ:大型犬
・体高:オス…63~69cm、メス…61~66cm
・体重:20.4~29.5kg
・平均寿命:12~17年
・原産国:イギリス
特徴や毛色
均整がとれた筋肉質で引き締まったスマート体型と、まっすぐに伸びたしっぽが特徴の犬種です。一見細身で華奢に見えるものの、しなやかで力強い体躯をしています。
毛色はレモン&ホワイト、オレンジ&ホワイト、レバー&ホワイト、ブラック&ホワイト。このほか、単色とトライカラーも認められています。
歴史
イングリッシュポインターの祖先は、スペインかポルトガルにいた犬と考えられています。
作出は1650年頃から始まり、その犬たちに狩猟犬を交配したのが、イングリッシュポインターの始まりでした。
狩猟犬から家庭犬として飼われるようになってから、性格が穏やかになるように改良されたため、現在は非常に穏やかで友好的な性格になっています。
性格
・優しい
・安定している
・忍耐強い
グレート・スイス・マウンテン・ドッグ
・大きさ:大型犬
・体高:オス…65~72cm、メス…60~68cm
・体重:38.5~63.5kg
・平均寿命:10~11年
・原産国:スイス
特徴や毛色
筋肉質でがっしりとした体格の、いかにも大型犬といった存在感のある犬種です。鈍重そうな外見とは裏腹に、持久力も高く機敏な動きをしています。また体高より体長の方が長く、威厳のある堂々とした大型犬といえるでしょう。
典型的なトライカラーの犬種で、メインはブラックで、左右対称のタンのマーキングとホワイトのマーキングがあります。頸のホワイトのパッチ、または頸周りのホワイトカラーは許容されます。
歴史
古代ローマ時代にアルプス地方へ持ち込まれたマスティフ系の犬が、土着の犬と交配が続けられて誕生し、その後ヨーロッパ全土へ広まったそうです。
しかし、独立した犬種として認められたのは20世紀に入ってから。
1908年にスイスのドッグショーで2頭のバーニーズマウンテンドッグが披露されたことをきっかけに、1909年になってようやくグレートスイスマウンテンドッグは固有の犬種としてスイス・ケネル・クラブに公認されました。
性格
・用心深い
・温厚
・愛情深い
・物怖じしない
イングリッシュ・セター
・大きさ:大型犬
・体高:オス…65~68cm、メス…61~65cm
・体重:23~35kg
・平均寿命:10~12年
・原産国:イギリス
特徴や毛色
大型犬としてはやや小柄で、無駄のない筋肉質な体を美しい被毛で包んでいます。頭部には明確なストップがあり、垂れ耳で四角めなマズルが特徴です。
ややウェーブがかった被毛は絹状の長毛で、毛色はブラック&ホワイト、オレンジ&ホワイト、レモン&ホワイト、レバー&ホワイトと、トライカラーが認められます。
出生直後は全身がほぼ白一色ですが、生後1週間頃から徐々に色が変わっていきます。
歴史
名前の由来は、獲物を見つけたらその場にしゃがみこむ(セッティング)姿勢を取っていたことから。
歴史は15世紀頃が始まりといわれており、セッティング・スパニエルという犬種が祖先といわれています。19世紀初頭から人気に火が点き、日本には渡ってきたのは明治初期頃でした。
性格
・活動的
・友好的
・頑固
・甘えん坊
・従順
アイリッシュ・ウルフハウンド
・大きさ:大型犬
・体高:オス…79cm~(81~86cmが理想)、メス…71cm~
・体重:オス…54.5kg~、メス…40.5kg~
・平均寿命:6~10年
・原産国:アイルランド
特徴や毛色
目を引くのは、何よりもその大きさでしょう。子犬の時点ですでに50㎏近くにまで成長する、全犬種中最大ともいわれる超大型犬です。顔や手足に加え尻尾まで長く、とにかく大きい犬種といえるでしょう。
被毛は硬く針金状で、毛色は、グレー、ブリンドル、レッド、ブラック、ピュアホワイト、フォーンなどさまざまです。
歴史
祖先犬は紀元前1500年代頃にヨーロッパから渡ってきたらしく、起源が古代にさかのぼるほど歴史ある犬種です。最も古い記録は、紀元前400年頃にローマへ献上されたという内容で、その後大型化され多く輸出されるようになりました。
19世紀には飢饉により絶滅寸前にまで陥りますが、その後愛好家たちの保護により、ほかのハウンド種などとの交配により個体数を増やし、現在に至ります。
性格
・優しい
・辛抱強い
・穏やか
・落ち着きがある
セントラル・アジア・シェパード・ドッグ
・大きさ:大型犬
・体高:オス…65cm~、メス…60cm~
・体重:40~79kg
・平均寿命:12~15年
・原産国:ロシア
特徴や毛色
古くから家畜を守るための番犬として活躍してきた犬種で、外敵である狼などに対するために重厚な骨格構成と力強い筋肉を持っています。
体高より体長がやや長く、性別による差はとても顕著に現れます。
毛色はホワイト、ブラック、グレー、ストロー、ジンジャー、グレー・ブラウン、ブリンドル、パイボールドとなっています。
歴史
古くから羊などの家畜を守る番犬として活躍してきた犬種で、その歴史は約4000~6000年前にまで遡るとされていてます。
中央アジアの各国に広く存在しており、特に砂漠地帯のとても厳しい気候の中を生き抜いてきました。
セントラルアジアシェパードドッグのスタンダードが作られたのがロシアだったので、原産国がロシアになっているます。
性格
・穏やか
・警戒心が強い
・従順
・優しい
ドゴ・アルヘンティーノ
photo by Rafal Rutkowski/iStock
・大きさ:大型犬
・体高:オス…62~68cm、メス…60~65cm
・体重:40~45kg
・平均寿命:10~15年
・原産国:アルゼンチン
特徴や毛色
筋肉質でがっちりしており、骨格までしっかりした体型をした犬種です。
喉の下にある『デューラップ』と呼ばれるたるみが特徴的で、頭の幅が広く、垂れた耳は厚く頬の後ろを覆っています。
被毛の色はホワイト一色。
短い毛が密集して生えており、そのため地肌のピンクが透けてみえる部分もあります。これは、猟師に誤射されないためといわれています。
歴史
数少ない南米原産の犬種になります。
アルゼンチンのコルドバ地方で、マスティフ、ブルドッグ、ブル・テリアなどの交配により作出され、闘犬や猟犬として活躍してきました。
性格
・陽気
・素直
・控えめ
・友好的
・勇敢
日本ではとても珍しい犬種
日本で血統書の発行などを行う「一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)」が発表した犬種別犬籍登録頭数(2020年)のデータによると、133種類の犬種が日本で飼われており、その中でプードルの飼われている件数が最も多いという結果となっています。
一方で、1頭しか登録されていない犬種が5種類存在しています。
ディアハウンド
photo by Eric Isselee/Shutterstock.com
・大きさ:大型犬
・体高:オス…下限76cm、メス…下限71cm
・体重:オス…約45.5㎏、メス…約36.5㎏
・平均寿命:10~11年
・原産国:イギリス
特徴や毛色
大型で粗毛のグレーハウンドタイプです。優れた嗅覚やスピード、力強さを持っています。追跡する衝動が強いので、小型犬などの小動物との同居には注意が必要です。
毛色はダーク・ブルー・グレー、ブリンドル、イエロー、サンディー・レッド、レッド・フォーンにブラック・ポイントがあるなどバリエーション豊かです。固体によってグレーの中でもさまざまな色調に分かれます。
歴史
ディアハウンドは、ウルフハウンドから鹿狩り用として改良された犬種といわれています。しかし、19世紀末になると鹿が減少し、それに伴ってディアハウンドも絶滅の危機に陥りました。その後、愛好者によって頭数は増えてきていますが、現状も頭数が少ない犬種です。
性格
・従順
・友好的
・優しい
・素直
・落ち着きがある
紀州犬
photo by slowmotiongli/iStock
・大きさ:中型犬
・体高:オス…52cm、メス…49cm(±3cm)
・体重:13~27kg
・平均寿命:13~15年
・原産国:日本
特徴や毛色
均整が取れ引き締まった体躯の、発達した筋肉を持つ犬種です。
見た目通りのすぐれた運動能力を持ち、立ち耳と巻き尾または差し尾という日本犬らしい見た目をしています。
被毛は短いもののダブルコートなので抜け毛が多くなります。毛色は白、赤、胡麻の3種類で、特に白が全体のほとんどの割合を占めます。
歴史
紀伊半島の和歌山・三重・奈良にまたがる山岳地帯で、自然発生した犬を飼育したことが始まりです。
元々は地域ごとに分かれていた犬種を、日本犬保存会に登録する際、まとめて『紀州犬』と名付けられ1種類にまとめられました。
1934年(昭和9年)に天然記念物に指定され、この機に紀州犬の毛色を白に統一するように方向が定められました。近年は猟犬としてではなく、家庭犬向きの気質に育種される傾向にあります。
性格
・忍耐強い
・忠実
・従順
・警戒心が強い
スムース・コリー
・大きさ:大型犬
・体高:オス…56~61cm、メス…51~56cm
・体重:オス…20.5~29.5㎏、メス…18~25㎏
・平均寿命:12~15年
・原産国:イギリス
特徴や毛色
外見的にはラフコリーに似た、短毛で均整の取れたスタイリッシュなプロポーションのコリー種です。足は長く筋肉が発達しており、見た目の通り運動能力が高い犬種です。
被毛の色は、セーブル&ホワイト、トライカラー、ブルーマールの3種類。白い部分が多いと好まれません。
歴史
スコットランドで生まれた牧羊犬種で、イギリスに存在していた犬とラフコリーとの交配により生まれました。
1860年代に爆発的に人気が高まり、【名犬ラッシー】によりさらに人気が高まりました。
性格
・陽気
・友好的
・活動的
・愛情深い
・人見知り
サールロース・ウルフドッグ
photo by cynoclub/iStock
・大きさ:大型犬
・体高:オス…65~75cm、メス…60~70cm
・体重:41㎏
・平均寿命:10~12年
・原産国:オランダ
特徴や毛色
狼の血が入っていることもあり、狼のような顔立ちをした犬種です。
ジャーマンシェパードやシベリアンハスキーなど、狼の交雑犬のことを狼犬といい、サールロースウルフドッグもこれに含まれます。
引き締まった柔軟性のある体型、立ち耳とふさふさした垂れ尾が特徴です。
歴史
野生の狼と、学習能力の高いジャーマンシェパードを交配させて作り出した犬種です。
1932年に【ヨーロピアン・ウルフドッグ】という新しい犬種を作出し、1975年には犬種としての公認を受け、その際作出したLeendert Saarloos氏に敬意を表して、現在の【サールロース・ウルフドッグ】と命名されました。
性格
・活発
・愛情深い
・控えめ
・忠実
・慎重
・用心深い
ゴードン・セター
・大きさ:大型犬
・体高:オス…66cm、メス…62cm
・体重:オス…29.5kg、メス…25.5㎏
・平均寿命:10~12年
・原産国:イギリス
特徴や毛色
しっかりした骨格をしており、全体的にスタイルがよい犬種です。やや短めな背中とシャープな頭部、比較的短いしっぽという特徴があります。
わずかにウェーブがかかったやわらかく光沢がある直毛で、毛色はブラックとチェスナット。
眼の上、口吻、喉、胸、四肢の先、後肢の内側、尾の下側に、ブラックが混ざらない赤系マホガニーのマーキングが入ります。また、胸にホワイトの斑点、肢先にブラックがある個体も存在します。
歴史
セター種の中では最も新しく公認された犬種です。
しかし、ルーツは1620年まで遡るといわれており、スコットランドの城主兼狩猟家のゴードン公爵が1820年頃に作出した犬種とされ、公爵の名がそのまま犬種名として残りました。
性格
・勇敢
・外向的
・優しい
・好奇心旺盛
・積極的
まとめ
日本では珍しいワンちゃんをご紹介しました。なかなか出会うことがないかもしれませんが、もし見かけたときは特徴や歴史を思い出してみてくださいね。
ブリーダーナビは、日本全国のブリーダーが生み出したワンちゃんが集まる場所です。運が良ければ珍しい犬種に出会えることができるかもしれませんよ。
著者/ブリーダーナビ編集部