日本と海外（ペット先進国）の「犬」事情の違いって？
国によってワンちゃんに対する考え方は違います。
日本の場合、かつては番犬としての役割がありましたが、近年では家族として一緒に過ごすことが多くなってきました。それに伴ってワンちゃんと同伴できる施設が増え、飼育マナーや動物愛護の意識も高まっています。
日本は近年になってワンちゃんの扱いが見直されたので、ペットに関しては発展途上国といわれています。
では、ペット先進国とされる国はどのようにワンちゃんを扱っているのでしょうか？
ペット先進国の「犬」事情
ペット先進国といってもワンちゃんに対しての考え方や法律などは、国によってさまざまです。
内容が細かく設定されている場合もあり、日本との違いがよく分かります。
それぞれのペット先進国の犬事情を確認してみましょう。
アメリカ
アメリカは今の日本と同じく、ワンちゃんは家族の一員という認識をしています。室内飼いが基本で、人間の子どものようにきちんとしつけが行われます。しつけに対する意識が強く、専門のドッグトレーナーに依頼する家庭が多いようです。
また、ワンちゃんに関する法律が厳しく定められています。動物を傷つけた場合は「第二級動物虐待罪」が適用されます。アメリカでは罰則が3段階に分かれ、第二級動物虐待罪はその内の2段階目です。動物を傷つけることは重い罪になることが分かりますね。
さらに、州によっては日本のペットショップのように店頭でのワンちゃんの販売を禁止しています。現在では飼い主がいない動物を保護しているアニマルシェルターからワンちゃんを迎え入れることが一般的となっているようです。
ドイツ
ドイツは「犬大国」と呼ばれるほど、ペット先進国の中でもトップクラスの国です。
生活の中にワンちゃんがいることは当たり前という認識で、どんな場所でも人間とワンちゃんが一緒にいる光景が見られます。
ワンちゃんをどこにでも連れて行けるように環境が整っていたり、ワンちゃんが入れる施設が多かったり、ワンちゃんと一緒に気兼ねなくどこへでも出かけることができます。
ペット同伴OKが多いのは施設が整っているからだけではなく、しっかりと子犬の内にしつけを行っていることも理由の一つです。ドイツでは一般的にワンちゃんをしつけ教室に通わせます。そのため、どこに行っても行儀よく過ごすことができるのです。
また、ワンちゃんに関する法律が多く、細かく定められています。
例えば、ドイツでは店頭でワンちゃんを販売することが禁止されています。ワンちゃんを迎える場合はブリーダーに予約しなければなりません。
そのほかにも、屋外飼育をする人はあまりいませんが、生後1歳までは室内飼育が義務付けられています。
スウェーデン
動物愛護の精神が高いスウェーデンでのワンちゃんの飼育率はそれほど高くありません。その理由の1つにペットを飼うことへの責任感が考えられます。
とはいえ、生活の中でペットを飼うのは当たり前という認識もあり、住宅などには日本のように「ペット可」という表記はありません。
室内飼いが多く、ワンちゃんと一緒にスポーツを楽しむ傾向があります。
ワンちゃんの幼稚園も普及しており、仕事などで家を留守にするときはワンちゃんを預け、飼い主の代わりに幼稚園で散歩をしたり遊んだりしてもらっています。
また、ワンちゃんを飼うルールが細かく設定されていることも特徴です。
ワンちゃんはペットショップでの販売は禁止で、ブリーダーから迎える方法が取られます。
子犬が産まれると飼い主の電話番号などのデータが登録できるマイクロチップを埋め込まれるようにもなっています。
動物保護法も厳しく、ワンちゃんから6時間以上目を離してはいけない、苦しめるようなブリーディングをしないなどと定められています。
カナダ
カナダはペットを飼育している家庭が多いです。健康志向が強い国民性から、ワンちゃんの食事も高品質の食べ物を与える傾向があります。
ペットを飼っていると病気やケガで動物病院を受診しますが、カナダの動物病院でかかる治療費は日本よりも高額に設定されています。そのため、ペット保険加入率が高い国ともいわれています。
また、ワンちゃんに関する法律は厳しいうえ、動物虐待についてもシビアです。
例えば、外出時に車にワンちゃんを残している場合、通報されて逮捕されてしまうことがあります。
一部の地域ではペットショップでの生体販売が禁止となっており、ワンちゃんを迎える場合はブリーダーもしくは動物保護団体から迎え入れるようになります。
生後3ヶ月を過ぎたワンちゃんは住民登録が義務付けられ、外出時は発行されたタグを付ける必要があります。
まとめ
ペット先進国の犬事情を確認してみると、日本はまだ発展途上ということが分かりますね。国によって犬事情は異なりますが、どの国でもワンちゃんを大切にする気持ちは同じです。責任と思いやりを持ってワンちゃんと一緒に過ごしていきましょう。
ブリーダーナビでは、日本全国のブリーダーが登録されており、さまざまな犬種を紹介しています。ワンちゃんの性格との相性や生活の余裕の有無など、きちんと考えたうえで子犬を迎え入れましょう。
著者／ブリーダーナビ編集部