子犬選びで気を付けるポイント
子犬を迎えるとき、見た目の可愛さだけで選んでいませんか?
「流行っているから」「ぬいぐるみみたいで可愛いから」という理由で選んだものの、想像もしていなかった大きさに成長して困ってしまうことがあります。見た目だけではなく、自分のライフスタイルとマッチするワンちゃんを選ぶことも大切です。
今回、元ペットショップ店員に失敗しないワンちゃん選びをするための9つのポイントを聞くことができました。店でワンちゃんを抱っこする際に、気を付けて見てみるだけで健康状態を確かめられる方法もあるので、ぜひ子犬選びの参考にしてみてください。
①サイズ(小型犬・中型犬・大型犬)
ワンちゃんにはよく知られている小型犬・中型犬・大型犬とサイズのほか、小型犬より小さな超小型犬や大型犬より大きな超大型犬も存在しています。厳密に言うと正式なサイズの定義はないですが、体重を目安に分けられるのが一般的です。ペットホテルやサロンなど、サイズによって料金を設定しているところもあります。
ワンちゃんのサイズは飼い方にも影響してきます。
例えば、小型犬の場合は体が小さいので室内での飼育向きで比較的お手入れがしやすいです。大型犬の場合は運動量が豊富で、食事の量も多くなります。
体の大きさによってそれぞれ日々のお世話も変わってくるので、成長したときの体の大きさのことも考えてワンちゃんを選びましょう。
体重による犬種の分類例
●小型犬(5㎏~10㎏)
・トイプードル
・ミニチュアダックスフンド
・パグ
など
●中型犬(10㎏~20㎏)
・柴犬
・ボーダーコーリー
・アメリカンコッカースパニエル
など
●大型犬(20㎏~40㎏)
・ゴールデンレトリバー
・シベリアンハスキー
・秋田犬
など
②健康状態
一目見ただけでは分かりにくい健康状態。特にワンちゃんの飼育経験が少ない方は、病気やケガの知識が少ないため、体調不良に気づけず症状を悪化させてしまいがちです。
迎える前にある程度、病気やケガの有無をチェックできると安心ですよね。店でワンちゃんを抱っこする際、簡単に健康状態をチェックできる方法があります。紹介する健康状態のチェックポイントに少し気を付けて確認してみましょう。
健康状態のチェックポイント
風邪などの病気にかかると症状が目や鼻に出やすいと言われています。まずは「眼」と「鼻」をチェックしてみましょう。
【眼】
〇:輝きがあり適度にキラキラしている、ちゃんと動きに反応している
×:涙や目やにが出ている、かゆがる
【鼻】
〇:鼻に適度な湿り気がある
×:鼻水が出ている、頻繁にくしゃみをする
次に、実際に抱っこしたりして触ってみたときに「耳」や「口」をチェックしてみてください。主に臭いなどで判断できる場合が多いです。
【耳】
〇:清潔で匂いがない、音に反応する
×:匂いがある、耳が汚れている
【口】
〇:口臭が弱い、ピンク色の歯茎
×:口臭がする、噛み合わせが極端に悪い
【皮膚】
〇:フケが少なく、毛づやが良い
×:フケが異常に多く、毛ぶきや毛づやが悪い
【体型】
〇:元気に歩いたり走ったりできる、痩せすぎ・太り過ぎではない
×:歩くときに極度によろめく、痛そうに歩く
症状が当てはまったからと言って、病気やケガではない場合もあります。店側もきちんと理解した上で選んでほしいと思っているので、勝手に判断せず気になるポイントがあれば、店員やブリーダーに聞いてみましょう。
③性格
ワンちゃんも人間と同じく、同じ犬種でもさまざまな性格をしています。
例えば、すぐに駆け寄ってきてくれる子は、人見知りがなく、フレンドリーで好奇心が強い反面、プライドが高く、常に構ってほしいという傾向があります。
逆に寄ってこない子は、臆病な怖がり屋や害がないか確かめてから動く慎重派な反面、落ち着いた性格やマイペースな子が多いです。
家族の一員として迎え入れるからこそ、性格が合う子を見極めましょう。
簡単な性格の見分け方と特徴
性格にはさまざまなタイプがあります。個体差はありますが、簡単な見分け方と性格の特徴があるので、どんなタイプなのか確認しましょう。
【とにかく構われたい型】
「遊ぼう!」とアピールして近寄って来る子の場合
〇:飼い主にベッタリな甘えん坊、遊びや運動でストレス解消
×:構ってもらえないと無駄吠えやイタズラをする場合がある
【自分が一番!プライド型】
真っ先に近寄って来る子の場合
〇:好奇心旺盛、大きいワンちゃんにも勇敢に立ち向かう
×:自己主張が強い、主従関係が逆転しやすい
【狼気質のワイルド型】
噛んだり、抱っこを嫌がったりする子の場合
〇:縄張り意識が強く、番犬に向いている
×:しつけが難しい、主従関係が逆転しやすい
【自由奔放なマイペース型】
他の子の行動に流されず、自分のペースで行動する子の場合
〇:1人の時間への耐性が強め、好みが分かれば扱いやすい
×:頑固な子が多い、物事に無関心でしつけが難しい
【臆病でナイーブ型】
人見知りをする、怖くて動けない子の場合
〇:大人しくて攻撃性が低い、危険なものに近づかない
×:神経質、飼い方を誤ると攻撃性が高くなることもある
【一歩引いた控えめ型】
様子を見たり、許可を待ってから行動したりする子の場合
〇:落ち着いていて慎重派、頭がいい子が多い
×:頭がいい分、正しくしつけをする必要がある
④性別(オス・メス)
同じ犬種のワンちゃんでも「オス」と「メス」で体格や性格は大きく違うと言われています。 ワンちゃんを飼っている方の中には「オス」しか飼わない、「メス」しか飼わないという飼い主もいるようです。
オスとメスの違いを理解して、どちらの性別の子を迎え入れるかを検討してみるのも一つの方法でしょう。
●オス
・体つきがメスに比べて大きい場合が多い
・年を重ねても子どもっぽい子が多い
・甘えん坊で活発
・生後6か月くらいからマーキングやマウンティングをする
マーキング・マウンティングとは?
マーキングとは、壁や電柱に少量のおしっこをすることで、自分の存在をほかのワンちゃんに誇示していると言われています。
マウンティングは、性行動や上下関係を示すために行います。(メスでもマウンティングをする場合があります)
どちらも去勢手術をすることで軽減され、攻撃性も落ち着き将来的な生殖器の病気予防ができます。
●メス
・オスより体つきが小ぶりな子が多い
・落ち着きがあり、大人しい
・オスに比べて縄張り意識が低い
・発情期(年2回)が訪れると生理が始まり、情緒不安定になる場合がある
発情期(ヒート期)とは?
年2回、1週間~10日間の発情期が訪れます。生理があるので犬用ナプキンが必要になり、ドッグランなどの施設の入場を制限されることもあります。
避妊手術を行うことで生理がなくなり、生殖器の病気のリスクを減らすことができます。
避妊去勢手術は、個体差によって推奨とされる時期が異なります。獣医師としっかり相談して手術時期を決定するようにしましょう。
また、手術後はホルモンバランスが崩れやすくなり、食欲が増して、太ってしまう傾向があるので、食事管理には注意が必要です。
著者/ブリーダーナビ編集部