初めて犬を飼う前に知っておきたい!必要な準備と心構え

初めて犬を飼う前に知っておきたい!必要な準備と心構え

街中でペットと散歩している人を見ると、思わず「羨ましい!」と思ってしまいますよね。
ペットブームの影響もあり、小型犬の人気に火がついて、近年ではペットを飼っている世帯が急増しています。

その一方で、知識や覚悟の不足、責任感の欠如から、結果としてペットを手放してしまうケースが後を絶ちません。こうした悲しい事例を増やさないためにも、これからペットを飼うという人は、良い面だけでなく大変な面も知っておくべきでしょう。

ここからは、ワンちゃんを飼う前の心構えについて解説していきたいと思います。

1.犬は可愛いだけではありません

いくら身近な存在であるとはいえ、ワンちゃんと人間は同じ生物ではありません。
それが同じ環境で生活するのですから互いに歩み寄り、合わせる必要があります。そのために「犬」という生物について、ある程度理解しておくようにしましょう。

まずは一緒に暮らす家庭のルールを知ってもらう必要があります。

排泄は決まった場所でしかしてはいけない、噛んでいい物とダメな物がある、食べていいのは飼い主から提供された食べ物だけ…などの基本的なことは絶対に理解してもらわなければいけません。言葉がまだ理解できない子犬に教えるのは至難の業ですが、根気よく、犬が持って生まれた本能をうまく利用して「一緒に暮らしていくためのルール」を伝えるようにしましょう。

また、人間と犬とでは食事の内容も異なります。
人間が何気なく食べている食材であっても、ワンちゃんにとっては毒物となる物も少なくありません。代表的なところでは、玉ねぎやチョコレートが挙げられます。どちらも最悪死に至ることもある、ワンちゃんにとっては危険な毒物です。
飼い主としては、かわいい愛犬に自分と同じ物を食べさせたいと考えがちですが、それはとても危険な行為なのです。

こうした犬の生態を知ることで、ワンちゃんの行動の意味を理解することができるでしょう。飼い主の都合にワンちゃんを無理やり合わせるのではなく、ワンちゃんのことを理解した上で付き合ってあげてください。

ワンちゃんに食べさせてはいけないものに関しては下記のページで詳しく解説しています。
絶対に口にさせてはダメ!犬が食べてはいけない害のある食べ物リスト 絶対に口にさせてはダメ!犬が食べてはいけない害のある食べ物リスト

2.ワンちゃんを飼うなら室内?屋外?

人間と同様に、ワンちゃんにもプライベートな空間は必要です。安心してくつろげるように、ケージやサークルなど、専用のスペースを用意してあげましょう。

近年は、家の中にケージやサークルを設置して飼うのが主流ですが、昔は屋外に犬小屋を置いて飼う家庭が多くありました。では室内と屋外ではどちらで飼う方がいいのでしょうか?
それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。

室内飼い

メリット
  • 衛生的で健康管理がしやすい
  • いつも一緒にいられるため信頼関係が築きやすい
  • しつけがしやすい
  • 環境の影響を受けにくい
  • 危険が少ない
デメリット
  • 抜け毛やにおいなど、お掃除が大変
  • 床の素材によっては対策が必要
  • イタズラ対策が必要

屋外飼い

メリット
  • 犬種によっては番犬になる
  • 室内の抜け毛やにおいを気にせずにすむ
  • イタズラで部屋を荒らされる心配がない
デメリット
  • 暑さ寒さや虫などにより健康を脅かされやすい
  • トイレのしつけがしにくく、場所を選ばずするようになりがち
  • 体調や心理の変化に気付きにくい
  • コミュニケーションの機会が減る
  • 飼い主との信頼関係が築きにくい
  • 吠え声やにおい、抜け毛が近所迷惑になる可能性がある
  • 環境の影響を受けやすい
  • 脱走の心配がある
  • 目の届かないところで他人に手を出されやすい

オススメは室内飼い

健康面や安全面を考慮すると、総合的に『室内飼い』がオススメです。
その最たる理由として、屋外飼いに比べて室内飼いの方が平均寿命が長いことが挙げられます。
その理由として気候による心身への負担や事故の問題が挙げられています。また、室内飼いのワンちゃんは飼い主と日常的に接しているため、病気やケガなどの異変に気付きやすい点も大きいでしょう。

ただし室内飼いには屋外飼いとは違ったデメリットがあるのも事実です。例えばイタズラは家の中が荒らされて困るというだけでなく、家具やケーブル、観葉植物などかじってしまうと犬の健康を脅かす可能性のある物もあり、絶対に対策が必要になります。

大切なのはワンちゃんが安全かつ快適にすごせる環境を整えること。そうした環境を整えやすいのが、室内飼いということになります。

3.家族に犬アレルギーの方はいませんか?

犬アレルギーは、ワンちゃんの抜け毛やフケ、唾液などが原因で症状が現れるアレルギーです。症状としては、鼻水や鼻づまり、鼻のむずがゆさ、目のかゆみ、咳、湿疹などがあります。
症状の重さによっては呼吸困難に陥る場合もあるので、ワンちゃんを迎える前に一度アレルギー検査することをオススメします。

万が一お家に迎えてからアレルギーが出てしまったら?

「ワンちゃんを飼っているのに犬アレルギーを発症してしまった…」
愛犬家にとって、これほど辛いことはないでしょう。
アレルギーは一度発症してしまうと、対症療法で症状の緩和をすることはできますが、現代の医療で完治は期待できません。そのため、もしも犬アレルギーになってしまったら、ワンちゃんとの付き合い方を考え直す必要があります。
例えば、「生活スペースを分けて接触を減らす」「掃除や換気をこまめにする」「空気清浄機を利用する」などです。

また、アレルギーの原因となる、ワンちゃんの被毛のお手入れも有効です。
定期的なシャンプーやこまめなブラッシングだけでも症状の軽減が期待できるので、ワンちゃんとの生活が負担にならないよう、できる範囲で生活環境を見直してみることをオススメします。

犬アレルギーに関しては、下記のページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
犬アレルギーってどんな症状?原因と対策・治療法はある? 犬アレルギーってどんな症状?原因と対策・治療法はある?

4.家族全員がお世話をできますか?

ワンちゃんを飼ったら、意外と大変なのが毎日のお世話です。
食事やお散歩、トイレ、お手入れ、しつけなど、飼う前は想像もできなかった大変さが、実際に飼ってみると初めて理解できるでしょう。

「かわいい愛犬のためだから」
と気を張ってみても、全て一人でこなすのは決して楽ではありません。それも、休むことなく毎日行う必要があるのですから、疲労は少しずつ確実に蓄積していきます。

だからこそ、ワンちゃんのお世話は、話し合って家族内で分担したいところです。
最近ではワンちゃんも長生きする子が増えてきているので、「飼ったはいいが世話することはできない」なんてことにならないよう、最期まで飼い主としての責任を全うしてください。

しつけやお散歩はきちんとできますか?

ワンちゃんを迎えて、一番大変なのがしつけの問題でしょう。
無駄吠えが続いたり、散歩の時に飼い主のいうことを聞かずに他のワンちゃんや人間に噛みついたり…。そうしたトラブルや思わぬ事故を未然に防ぐためにも、ワンちゃんを飼う上でしつけは必要不可欠なのです。

また家族以外の人間やワンちゃん、外の環境に慣れさせ、社会化トレーニングをしておく必要もあります。社会化トレーニングを重ねることで、犬同士のコミュニケーションのための社会性が身につき、散歩でトラブルを起こさないようになるでしょう。
社会化トレーニングやしつけは大変ですが、一度身に着けることができれば、その後は快適にすごすことができるようになるでしょう。
最近では「犬の幼稚園」など、社会化としつけトレーニングを合わせて実施してくれるところが増えてきています。全て自分で頑張ろうとせず適度に専門家の手を借りることで、飼い主さんもワンちゃんもストレスが少なく済む場合もありますよ。

5.生涯のパートナーとして最期まで一緒にいられますか?

保護された捨て犬の殺処分が問題になっていることをご存知でしょうか?

ペットブームやコロナ禍による在宅時間増加の影響もあり、ワンちゃんを家族に迎える方が増えています。
しかし最後まで面倒を見ることができず、手放してしまう人がいるのも事実です。

当たり前ですが犬は生き物であり、全てが飼い主である人間の思い通りになるわけではありません。それでも「犬を飼う」という選択をしたからには、最期の一瞬まで面倒を見る責任が、飼い主にはあるのです。

飼育放棄の理由と統計

まずは下記のデータをご覧ください。
犬の保護理由の割合

理由割合(%)
飼い主の傷病等43%
離婚17%
転居13%
経済的理由6%
問題行動6%
苦情6%
遺棄拾得2%
動物の老齢・傷病等2%
不明5%

こうして表にして見てみると、遺棄拾得(野良犬を拾った)などの理由はあるものの、ワンちゃんの保護理由は人間側にある場合がほとんどです。
ワンちゃんには何の落ち度もありません。
「迎える前に、ほんの少し情報を調べる」など、ちょっとしたことで不幸なワンちゃんの数を減らすことができます。ただ「可愛いから」という理由だけで迎える前に、一度立ち止まって「最期まで見届ける覚悟はあるか」「飼い主としての責任を全うできるのか」考えてみるといいでしょう。

参考:ペット飼育放棄要因の抽出と終生飼養サポートの検討

老犬になっても変わらぬ愛情を

ワンちゃんの寿命は、小型犬で12~15歳、大型犬は10~12歳といわれています。
人間同様、年齢を重ねれば病気やケガのリスクは上がり、介護の問題なども出てきます。中には、老犬の面倒を見ることを諦めてワンちゃんを手放してしまう方もいるのです。

しかし、ワンちゃんを家族として迎えた以上、いかなる理由があっても、生涯のパートナーとして最期を見届ける義務があります。

「飽きたから捨てる」「面倒が見きれないから引き取ってもらう」という人は、最初にワンちゃんを迎える時、何を思って決断したのか思い出してください。
ワンちゃんは生き物という、当たり前のことをもう一度考える必要があるでしょう。

老犬の介護については、下記のページで詳しく解説しています。愛犬が老齢の域に差しかかって、介護が必要な年齢になる前に一度確認しておくといいでしょう。
老犬の食事やトイレの介護はどうする?環境や必要なものを解説 老犬の食事やトイレの介護はどうする?環境や必要なものを解説

6.かかりやすい病気(感染症)を知っていますか?

ワンちゃんを家族に迎える上で、病気への対策は絶対にしなければなりません。
義務化されている狂犬病をはじめとした感染症の予防接種は、愛犬はもとより他のワンちゃん、ひいては人間に感染する危険もあることを考えると、無視できません。

ワンちゃんをはじめとした、ペットから感染する動物由来感染症には、以下のようなものがあります。

狂犬病、イヌ伝染性肝炎、コロナウイルス、ジステンパー、ケンネルコフ、パルボウイルス、レプトスピラ

子犬は、母乳を飲み母犬から『免疫』をもらうことで、生後2ヶ月程度の期間、病気から守られます。この期間をすぎると免疫が弱くなるため、ワクチンを接種することで感染症の抗体を作る必要があるのです。

感染症のほか、先天性異常(遺伝子疾患)に関しては、下記のページで詳しく解説しているので参考にしてください。
非公開: 愛犬を守るための早期対応を!予防できない先天性の病気は検査が必須

特に気を付けたい感染症

<狂犬病>
ワンちゃんを飼う上で、特に気を付けておきたい感染症が、『狂犬病』です。
字面からは想像できない程恐ろしい病気で、感染した犬や猫、コウモリに傷付けられることで、人間にも感染してしまいます。感染した場合の死亡率は「ほぼ100%」という、致死率が高い病気です。
日本では年に一度のワクチン接種が義務付けられているので、必ず受けさせてください。

<ノミやダニ>
ワンちゃんに寄生しやすい、ノミやダニにも注意が必要です。
家の中でも散歩中でも、所かまわず寄生し、激しい痒みから皮膚炎を引き起こす可能性があります。一度寄生されると駆除に手間がかかるので、ノミやダニの予防薬で必ず予防をしてあげましょう。

<フィラリア症>
フィラリア症は、蚊を媒介に感染する感染症で、犬糸状虫という寄生中が、心臓疾患や肝臓疾患など様々な症状を引き起こすことで、最悪死亡する可能性もある病気です。幸い予防することは可能なので、動物病院でフィラリア用の薬をもらい、毎年蚊の出る季節にはきちんと予防をしてあげましょう。

この他、ガンや心臓病、腎不全など、ワンちゃんの死亡原因トップに位置する病気にも注意したいところです。バランスの良い食事や適度な運動を心掛けることで、ある程度の予防にも繋がります。

7.ワンちゃんの一生に必要な費用をご存知ですか?

ワンちゃんを迎える際、初心者の多くは初期費用だけを心配しますが、それはワンちゃんと暮らす上で必要となる費用の一部にしかすぎません。
毎日の食事代や生活に必要なグッズ代、お世話に必要な雑費、医療費など、人間一人ほどではないにしろ、かなりの費用は必要となるでしょう。

ワンちゃんを飼う上で、生涯にかかる費用について、詳しくは下記のページに解説を掲載しております。
【初めての方向け】犬の費用ってどのくらい?初期費用、維持費など 【初めての方向け】犬の費用ってどのくらい?初期費用、維持費など

年間でかかる費用は?

目安として、小型犬のワンちゃんの場合、年間でかかる費用は「140,000~194,000円」となり、月々「10,000円~20,000円」程度の費用がかかる計算になります。
中型犬・大型犬の場合は、ここから食事代やお手入れ費用などが体重に比例して上がっていきます。また、ワンちゃんがイタズラをして何か壊してしまった際の修繕費など、単純な予測費用に+αの費用が必要になる可能性も憶えておきましょう。

それ以外にも、医療費やペット保険に加入した場合には保険料も考慮する必要があります。ワンちゃんだけでなく、ご自身の健康や生活も加味した上で、余裕を持って備えておくといいでしょう。

さいごに

ワンちゃんとは一緒にいるだけで癒しになり、毎日が幸せな時間となるでしょう。
しかし、当然ながら良いことばかりではなく、それに伴う労力や費用は決して無視できるものではありません。ワンちゃんを飼うことで課される責任や求められる覚悟を理解した上で、1つの命を最期まで面倒見られる人だけに迎える資格があることを忘れないでください。

ワンちゃんを迎えるなら、ワンちゃんを迎える前も迎えた後も、丁寧にサポートしてくれるブリーダーからワンちゃんを迎えることをおすすめします。
ブリーダーナビは、安心価格と取引保証で、顧客満足度98.9%!掲載されているワンちゃんの頭数も日本最大級の子犬販売サイトです。
優良ブリーダーが手掛けた子犬をたくさん掲載ししているブリーダーナビを、ぜひ一度ご覧になってください。

子犬を探す