室内犬を飼ううえで、欠かせないお手入れの1つがブラッシングをはじめとした抜け毛対策です。ワンちゃんの毛は、人間の毛髪よりもずっと細くフワフワと宙に舞ってしまうので、コツを知らないとお掃除に苦労することも。
今回は、「飼うなら抜け毛が少ない犬種がいい」と考えている方のために、抜け毛が少ない犬種を紹介します。
抜け毛が全くないという犬種はいないため、合わせて抜け毛対策についても解説しています。こちらも参考にしてみてください!
目次
抜け毛が少ない犬種一覧
シーズー
原産国 | チベット(中国) |
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平均体高 | ~27cmただし、サイズのみで判断はできない |
平均体重 | 4.5~8 kg理想は4.5~7.5kg。 |
性格 | 友好的、自立心が強い |
ふんわりとしたストレートヘアが特徴的なシーズーは、ダブルコートですが比較的抜け毛が少ない犬種です。ただし、シーズーの毛は非常に細いので、掃除機だけで抜け毛をすべて取り切るのは難しく、お手入れや掃除の方法を少し考える必要があります。
特徴的な被毛の美しさを保つためにも、毎日のブラッシングは必要不可欠です。
また、シーズーの原産国は乾燥した寒冷地なので、乾燥に耐えるために皮脂が多く、ややにおいが強い犬種といわれています。日本は湿度が高いので、特に夏場はべたつきやすくなるため、定期的なシャンプーで臭いを予防すると良いでしょう。
トイプードル
原産国 | フランス、中欧 |
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平均体高 | 24~28cm理想は25cm、-1cmまで許容 |
平均体重 | 3~4kg |
性格 | 活発、従順 |
トイプードルの被毛は、固めな巻き毛で毛並みが豊かなのが特徴です。巻き毛の「カーリータイプ」と、緩やかなウェーブの「コーテッドタイプ」の2種類の毛質に大別され、生後8ヶ月~1歳にかけて毛質が変化していきます。
シングルコートなので抜け毛は少ないですが、被毛の性質上毛玉ができやすいため、小まめなブラッシングは欠かせません。また、トイプードルの毛は密集しており抜けても落ちずらいため、放っておくと毛玉やもつれに皮脂や汚れがたまりやすいので注意してあげましょう。
チャイニーズクレステッドドッグ
原産国 | 中国 |
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平均体高 | オス:28~33cmメス:23~30cm |
平均体重 | ~5.5kg個体差が大きい |
性格 | 明るく朗らか、警戒心が強く臆病自尊心が強い |
毛がない犬(ヘアレスドッグ)として知られるチャイニーズクレステッドドッグは、古代中国で用いられた『辮髪(クレストヘア)』のイメージから名付けられたそうです。
ヘアレスとはいうものの、全く毛がないわけではありません。被毛が少ないため、抜け毛もほとんどありませんが、その代わりに剥き出しの皮膚をケアする必要があります。
基本的に頭部や足先など、体の末端にだけふわふわとした細い毛が生えていますが、個体差があり中には全身に毛が生えた『パウダーパフ』というタイプも存在します。
パピヨン
原産国 | フランス、ベルギー |
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平均体高 | ~28cm |
平均体重 | オス:3.6~4.5kgメス:3.2~4.1kg |
性格 | 警戒心が強い、友好的 |
若干ウェーブがかかった光沢のあるパピヨンの被毛は、細く少し手触りが荒くなっています。アンダーコートがないシングルコートなので、抜け毛はそれ程ではありません。
ただ、パピヨンの最大の魅力でもある被毛を美しく清潔に保つためには、日々のお手入れは必須。被毛はデリケートなので、優しくブラッシングをするように気を付けましょう。
ビションフリーゼ
原産国 | フランス、ベルギー |
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平均体高 | 25cm~29cmオスは+1cmメスは-2cmまで許容 |
平均体重 | 約5kg |
性格 | 社交的、神経質、穏やか |
「フリーゼ」とは巻き毛という意味で、ビションフリーゼという名前からも分かるように巻き毛が特徴的な犬種です。被毛はダブルコートですが、同じダブルコートの犬種に比べ抜け毛は比較的少なめ。ただし、ビションフリーゼの被毛は巻き毛で長毛なので絡まりやすく、ブラッシングは欠かせません。
軽度の毛玉であれば、丁寧なブラッシングで取り除けるので、コームで固まりをほぐし、スリッカーで流れを整えてあげましょう。しかし、フェルト状に固まった頑固な毛玉になると、ハサミでカットしなければなりません。
マルチーズ
原産国 | 中央地中海沿岸地域 |
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平均体高 | オス:21~25cmメス:20~23cm |
平均体重 | ~3.2kg理想は2.5kg |
性格 | 知的、快活、大胆 |
マルチーズの被毛は、シングルコートなので抜け毛は少ないですが、純白の被毛の美しさをキープするには、丁寧なお手入れが必要です。この被毛は、カットしなければ地面に引きずるほど長く伸びてしまうので、トリマーに相談して適切な長さを保ってあげましょう。
ただしカットするにしても、皮膚が見えるほど短くするのは熱中症などのリスクを高めることになってしまうので、ある程度は被毛が皮膚を覆うほどの長さを維持しましょう。
マルチーズの被毛はとても細いため、お手入れを怠るとすぐに毛玉になってしまい、皮膚の通気性も悪くなります。理想は毎日、最低でも週に1~2回はブラッシングして、被毛のコンディションを整えてあげましょう。
ミニチュアシュナウザー
原産国 | ドイツ |
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平均体高 | 30~35cm |
平均体重 | 約4~8kg |
性格 | 従順、警戒心が強い、友好的 |
ミニチュアシュナウザーの被毛は、ワイヤーのように硬くゴワゴワした感触のトップコートと、柔らかく密集したアンダーコートからなる、ダブルコートです。
毛が抜けにくいため、ダブルコートの犬種としては抜け毛が少なくお手入れは比較的楽ですが、特徴的な眉毛や髭、まつ毛は伸び続けるため、定期的にカットしてあげましょう。
ヨークシャーテリア
原産国 | イギリス |
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平均体高 | 18~23cm |
平均体重 | ~3.2kg |
性格 | 用心深い、勇敢 |
ヨークシャーテリアの被毛はシングルコートなので、抜け毛の量が少なくお手入れにそれほどの手間はかからないでしょう。
被毛は放っておけば人間の髪の毛と同じように伸び続けるので、さまざまなヘアスタイルを楽しむことができます。ただし毛質は柔らかく、長くなると毛玉ができやすくなるので、お手入れの際は注意してください。
また、足の付け根や尻尾の付け根など、動くとこすれてしまう場所は毛玉になりやすいため、特に意識してブラッシングしてあげましょう
抜け毛の理由と多いと大変な点
ワンちゃんの被毛のタイプは、大きく分けるとシングルコートとダブルコートに分けられます。この内、抜け毛が多いのはダブルコートの犬種です。
どうして抜け毛が起こるの?
ワンちゃんの毛は、毛周期という毛が生え変わる周期に応じて、役割を終えた毛が抜け落ちて新しい毛に生え変わります。これは人間の毛も同様で、毛がある動物にとって抜け毛は特別なことではありません。
中でも、皮膚を保護するオーバーコート(上毛)と、保温の役割があるアンダーコート(下毛)の二重構造(ダブルコート)になっているワンちゃんは抜け毛が多い傾向にあります。
また、ダブルコートの犬種は年に2回、換毛期があり、物凄い量の毛が抜け落ちるので、注意が必要です。
一方、アンダーコートがないシングルコートの犬種は換毛期がなく、ダブルコートの犬種に比べると抜け毛は少ないです。
とはいえ、シングルコート、ダブルコートに関わらず抜け毛は発生するので、ブラッシングなどのお手入れは欠かせません。
抜け毛が多いと何が大変?
飼い主さんの中には、「抜け毛くらい放っておけば?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、抜け毛は放置すると衛生的に問題があり、抜け毛が絡まることで毛玉や皮膚トラブルの原因にもなってしまいます。また、室内に落ちた抜け毛は、ハウスダストの温床になるため、ワンちゃんだけでなく飼い主さんの健康を脅かすこともあります。
このように抜け毛を放置すると、さまざまな害が出てしまうので、床に落ちた毛だけでなく、愛犬の体に残った古い毛もしっかりと取り除いてあげましょう。
抜け毛対策について
放っておくことのできない、愛犬の抜け毛問題。正しく対策をして、飼い主とワンちゃんの健康を守りましょう。
対策①:ブラッシング
毛が抜け落ちる前にブラシで取り除いてあげることが、重要で有効な抜け毛対策になります。
上述したように、ダブルコートで比較的抜け毛の多い犬種などは、特に換毛期には恐ろしいほどの毛が抜けます。対策を怠ると、部屋中抜け毛だらけになってしまうことも。
抜け毛を減らすために、できるだけ毎日ブラッシングするようにしましょう。先端が丸い形状のピンブラシで優しくとかすのがおすすめです。スリッカーブラシというトリマーなどが使用するブラシもありますが、先端が鋭く肌を傷つけてしまう恐れがあるので慣れていない人にはおすすめしません。
またワンちゃんがブラッシング慣れしていない場合、換毛期に急に行おうとしても、嫌がって逃げてしまうことが考えられます。
最初は指先でマッサージをするところから始めて、ラバーブラシなどの痛みのないブラシから徐々に慣らしていくようにしましょう。日頃から定期的に行うことが大切です。
ブラッシングは抜け毛対策以外にも、皮膚の状態チェック、毛玉や埃の防止など、さまざまなメリットがありますよ。
対策②:シャンプー
シャンプーは汚れやニオイを落とすだけではなく、抜け毛対策にも有効です。
事前にブラッシングをし、毛玉を取り除いてから行いましょう。
シャンプー後はしっかりと水気をふき取り、ドライヤーなども使いながら入念に乾かすようにしてくださいね。
生乾きのままだと、雑菌が繁殖し皮膚炎などのリスクが高まります。
シャンプーは基本的には1~2ヶ月に1度くらい。ニオイやべたつきが気になったタイミングでします。高頻度でやりすぎるのは良くないといわれているので、行うタイミングに迷ったら、獣医やトリマーなどのプロに相談してみましょう。
対策③:洋服
室内でワンちゃんに洋服を着せると、抜け毛を部屋にまき散らさないようにできるので抜け毛対策として効果があります。
季節に合った素材でできた、通気性の良い洋服を選ぶようにしましょう。
同じ服をずっと着せっぱなしにするのは、蒸れてしまうなどのトラブルが考えられます。
最低でも1日1回を目安に定期的に着替えをさせて、皮膚や被毛の状態をチェックするようにしてくださいね。
その際、同時にブラッシングも行うのがおすすめです。
まとめ
ワンちゃんは毛が抜ける動物です。そのため、程度の差こそあれワンちゃんを飼ううえで、ブラッシングなどの抜け毛への対策は欠かせません。
今回は、抜け毛が少ない犬種について解説してきました。
「ワンちゃんを飼いたいけど、お手入れが大変そう…」と気が引けている方は、記事の内容を参考にご自分の好みに合った犬種を見つけてみてください。
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著者/ブリーダーナビ編集部