犬が足のあいだに入る理由
少し膝を空けて座ると、愛犬が足の間に入り込んでくることはありませんか?
こんな窮屈な場所に嬉しそうに入ってくるワンちゃん。愛情を感じる行動ですが、実際はどんな理由があるのでしょうか。
理由1.温まりたい
冬場の寒い時期に多い理由のひとつですが、飼い主の足の間に入って暖を取りたいという心理が考えられます。
特にスムースコートの子や痩せ気味の子など、寒がりなワンちゃんに多く見られる行動ではないでしょうか。「足の間に入ると飼い主の体温に触れて温かい」ということを理解しているのです。
実際は犬の体温は人間よりも2℃ほど高いので、飼い主が温めてもらう結果になることも。愛犬とふたりでぬくぬくするのは、至福の時間ですよね。
理由2.挟まると安心する
犬は狭くて暗いところを好む傾向があります。これは野生で暮らしていた頃の名残で、敵に見つかりにくい安全な場所だったからです。
飼い主の足の間はちょうどすっぽりとはまる空間のため、挟まると安心できるかもしれません。
理由3.守ってもらいたい
お散歩やドッグランなど、家の外で立っている飼い主さんの足のあいだに入る場合は、何かに怯えている可能性があります。
2の「安心できる」と近い理由ですが、飼い主さんに守ってもらおうという心理から足のあいだに挟まるのです。
苦手な人や動物が近くにいる、怖い音がするなど、原因を見つけて対処してあげられると良いですね。
理由4.飼い主のそばにいたい
ただひたすらに「飼い主のそばにいたい!」「くっつきたい!」という心理です。
飼い主がどこかに座ると、すぐに飛んできて足の間に挟まるような甘えん坊のワンちゃんも。飼い主にくっつくのが大好きなのでしょうね。
また足の間にいると、飼い主がどこかに行こうと動き出すのがすぐに分かります。置いていかれないように、足の間で飼い主を見張っているのかもしれません。
理由5.飼い主の匂いが好き
足の間は飼い主の匂いを強く感じられる場所です。ワンちゃんはその匂いに包まれたくて、わざわざ足の間に入ってくると考えられます。
足のニオイをクンクンされるのは飼い主にとっては恥ずかしいですが、ぜひ愛犬が満足するまで匂いを嗅がせてあげてくださいね。ワンちゃんが嬉しそうにしていたら、優しく撫でてあげましょう。
膝の上で座ったり寝たりする理由
ワンちゃんが膝の上に乗ってくると、ついつい撫でたくなりませんか?そのまま寝てしまい、しばらくの間飼い主が動けなくなるということも…。
平らな床に比べ座り心地が良いとは言えないにも関わらず、犬が膝の上でくつろぐのはなぜなのでしょうか。
理由1.甘えたいから
愛犬が膝の上に乗ってきたとき、その様子をただ黙って見ているだけという飼い主は少ないと思います。「どうしたの〜」と声をかけながら、微笑みかけたりナデナデしたりしませんか?
ワンちゃんは、膝の上がそのように注目を浴びることのできるポジションだと分かっているのでしょう。思いっきり甘えたい!というときに、膝の上に座るのです。
膝にあごを乗せてくるときも同様で、甘えたいという気持ちの表れだと考えられます。
そしてそのまま眠くなり、気持ちよく寝てしまうこともありますよね。
愛犬の寝顔を見ると起こすのも忍びなくて、そのまま動かず耐えるという飼い主もいるのではないでしょうか?
理由2.安心できるから
飼い主の膝の上は安心できる場所だと認識しているのでしょう。守ってもらえるとも思っているかもしれませんね。
膝の上でワンちゃんが「ふ~」と安心したように長いため息をついたら、リラックスしている証拠のはずです。
リラックスして寝ているなら心配いりませんが、ワンちゃんが何かに不安を感じていたり怖がったりしていることも考えられます。
小刻みに震えるなどが見られた場合は、優しく声をかけて安心させてあげましょう。
愛犬の様子がいつもと違っていれば、飼い主なら気づくはずです。不安や恐怖心のサインを見逃さないようにしましょうね。
理由3.安全だから
おやつを自分で飼い主さんの膝の上に持ってきて食べるワンちゃんがいます。
大切なおやつを食べている間は集中して無防備になりがち。そこで飼い主さんの膝の上で食べることで、守ってもらって安全に過ごそうと考えているのでしょう。
足のあいだに入ったり、膝の上に乗るのはやめさせたほうがいい?
基本的には、無理にやめさせる必要はありません。
ワンちゃんにとっても大切な「飼い主とのコミュニケーションタイム」になるので、愛犬と向き合い十分にスキンシップをとってくださいね。
離れると暴れるなどの場合は注意!
ただし一度くっついたら離れない、離れようとすると暴れるなどが見られる場合は分離不安症が疑われるので、この場合は早めに対処する必要があります。
ひとりでいることに慣れさせるための対策を行うようにしましょう。
乗ってきた愛犬を下ろすと吠える・噛みつくなどは関係性を見直そう
膝の上に乗ってくるのが「飼い主さんより自分が上だ」というマウンティングの意味合いを持つ可能性もあります。
膝に乗ってきた愛犬を下に下ろしたときに吠える・唸る・噛み付くなどの行動が見られたら、もしかしたらマウンティング行動なのかも。
この場合は普段の接し方やしつけを振り返り、関係性を見直しましょう。
運転中は気を付けて!
当然ですが運転中は危険なので、ドライバーの膝の上には乗せないようにしてくださいね。
車の中で犬が自由に動けるというのは、リスクが大きいです。
クレートや車専用のシートなどを使い、安全に乗れるように工夫しましょう。
まとめ
ワンちゃんが飼い主の足の間に入ったり膝の上に乗ったりするのは、「甘えたい」「安心できる」など、飼い主への愛情の表れであることが多いことが分かりました。
ですが、恐怖を感じていたり分離不安になっている心理も考えられるので、愛犬の様子をよく観察するようにしてください。
信頼関係がしっかり成り立っているときには、ワンちゃんにとっても飼い主にとっても癒し効果バツグンの行動ですね。
著者/ブリーダーナビ編集部