愛犬が後ろをついて来て離れない、足元にいたがる、ということはありませんか?
ワンちゃんからの大好きアピールだったり、離れることを不安に感じていたりなど、ワンちゃんがついて回るのにはさまざまな理由があります。
また飼い犬以外の知らない犬がよく後ろをついてくるという、犬に好かれやすい人も中にはいるかもしれません。
ワンちゃんがくっついてくるのには、どんな理由があるのでしょうか。
犬が後をついてくる理由とは?
飼い主さんが大好き!
「いつでもそばにいたい!」というかわいい気持ちから、ワンちゃんは飼い主の後をついて回ることがあります。
飼い主のことを信頼していて、大好きだという証拠ですね。
何か要求がある
「おなかが空いた」「お散歩に出かけたい」などの要求を、飼い主のあとをついて歩きアピールすることもあるようです。
楽しいことへの期待
ついて行ったら遊んでもらえた、おやつをもらえたという経験を繰り返すことで、犬は「ついて行けば楽しいことがある!」と学習します。
ついてくる愛犬を振り返って見たら、楽しいことへの期待を込めて目を輝かせているかもしれませんよ。
群れで行動する習性の名残
犬はもともと群れで行動をしていた生き物。その名残もあり、群れでの行動を好むことが多いです。
飼い主について回るのは、群れの仲間だと認識しているからでしょう。
中にはトイレまでついてくるワンちゃんもいますが、これも飼い主さんを監視しているわけではなく、群れで行動して仲間を守ろうとする心理からと言われています。
分離不安になっている
愛犬に好かれるのは飼い主にとって嬉しいことではありますが、分離不安になっているのであれば少々考え物。
分離不安は「不安で離れることができない状態」であり、ワンちゃんにとっても飼い主にとっても大きなストレスとなってしまいます。
この「分離不安症」について、次の項目で症状や対策などをご説明します。
後追いの原因の一つ「分離不安症」
分離不安症とは
分離不安症とは、不安障害のひとつです。
犬が飼い主の姿が見えないことに極度の不安を感じ、暴れる・物を壊すなどの問題行動や、下痢や食欲不振などの体調不良が見られるようになります。
原因としては留守番中の恐怖体験が主だといわれていますが、その他環境の変化や加齢・病気などによって引き起こされることもあるようです。
分離不安症の症状
分離不安症になると、飼い主の不在時や帰宅直後にいつもと違う様子が見られるようになります。
具体的には、以下のような症状が挙げられます。
- 下痢や嘔吐
- 食欲の低下
- 部屋の中を荒らしたり物を壊したりする
- トイレ以外で排泄をする
- 飼い主の帰宅時に大興奮から粗相をする
- 飼い主の姿が見えないと吠え続ける
- 自傷行為をする(自分の足を噛む、舐め壊すなど)
- 常に飼い主の後をついていく・足元にいる
分離不安症への対応策は?
分離不安症は精神疾患なので、動物病院で相談するのが一番です。
しかし症状が軽い場合は、飼い主の工夫で改善できることもあります。
まずは短い時間の留守番から慣れさせて、飼い主が出かけることは当たり前だと認識させるようにしましょう。
数秒ワンちゃんをひとりにさせるところから始め、徐々に時間を伸ばしていくのがおすすめです。
このとき、静かに留守番ができても褒めないように注意してくださいね。飼い主の外出は、あくまで「当たり前のこと」。
また、飼い主が同じ部屋にいるときにも構いすぎないようにしましょう。
ワンちゃんがくっついてきてもなでたい気持ちをグッとこらえ、あえて無視する機会も増やしてみてください。
外出するときには留守番の環境を整えた上で、ワンちゃんに気付かれないように出かけましょう。
愛犬が夢中になれるおもちゃやぬいぐるみを用意するのも効果的ですよ。
出かける前後に「行ってくるね」「今戻ったよ」など声をかけたくなると思いますが、それはワンちゃんが「何かが起こる!」と構えてしまうことに繋がります。
前後30分~1時間はなるべく声をかけないようにし、「気付いたら飼い主が出かけていた」という状況をつくるのがよいでしょう。
そして、もし留守番中に粗相をしていたり物を破壊していても、叱らないように注意してください。
構ってもらうためにイタズラを繰り返してしまう可能性があります。
もし愛犬に分離不安症が疑われるときには、以上のできることから試してみてくださいね。
知らない犬についてこられるのはなぜ?
ワンちゃんを飼っていなくても、よく知らない犬についてこられる・散歩中の犬に興味を持たれるという人もいらっしゃるのではないのでしょうか。
実はワンちゃんに好かれやすい人には共通点があるのです。
なつかれやすい人の特徴として、以下が挙げられます。
- 犬と適切な距離感を保てる人
- 異性の人間
- 犬との接し方を心得ている人
- 落ち着きのある人
犬と適切な距離感を保てる人
知らない人に真正面から近づいて来られたり急に頭をなでられたりすると、ワンちゃんもびっくりしてしまいます。
自分が犬へのアクションをするよりも先ににおいを嗅がせるなどで、安心させてくれるような人にワンちゃんはなつきやすいです。
異性の人間
基本的には、オスのワンちゃんは女性に、メスのワンちゃんは男性になつきやすく、後をついていくことが多いといわれています。
ただし、あくまで初対面の印象はその傾向があるというお話。
性別以外の要因から好かれることもたくさんあるので、特に意識しなくてもよいでしょう。
犬との接し方を心得ている人
犬の飼育経験がある人などは、どんな接し方をすれば怖がらせないか、何をすれば喜ばれるかなどを心得ていると思います。
例えば、真正面から目を見つめない、ワンちゃんの見えない部分を触らないなど。
そのような接し方をしてくれる人には、ワンちゃんも心を許しやすいでしょう。
落ち着きのある人
犬は穏やかで優しい雰囲気の人になつく傾向があります。
話し方や動きなどが落ち着いている人の後をついて回ることが多いはずです。
まとめ
犬が後をついて来るのには、さまざまな理由があることが分かりました。
愛犬からの愛情表現であれば受け止めたいところですが、不安で離れられないという分離不安状態であれば、生活が大変になると思います。
その場合は、改善できるように工夫しましょう。
愛犬や知らない犬がどうして自分について来るのか、ワンちゃんの様子を観察してみてくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部