セルフカットのやり方と順番
必要な道具を揃え、準備が整ったらいよいよ実践です。
しかし、いくら安全な道具とはいえ、刃物を愛犬に使うというのは緊張してしまうもの。
では、どのような順番でどんなやり方をすれば良いのでしょうか。
①初心者はまず足裏から!
初心者にとって、いきなり全身をトリミングするのはハードルが高いでしょう。そのため、まずは肉球と肉球の間にある「足裏の毛」からトリミングすることをおすすめします。
1.ワンちゃんを抱っこして、膝やスネ付近を持ち上げて肉球を確認します
2.脚先に触れられることを嫌がる子は多いので注意してください
3.肉球と肉球の間の毛が伸びすぎているようならカットが必要です
4.足裏の毛のカットはハサミでもできますが、バリカンが便利です
5.指を1本ずつ広げながら、ゆっくり毛をカットしていきます
6.肉球を傷つけないよう、少しずつ丁寧にカットしましょう
②耳毛のカット
ワンちゃんの耳の毛は、犬種によって長さや量が大きく異なります。ワンちゃんの耳の毛は、生えているのが当たり前なので、それ自体は問題ありません。
しかし伸び放題の状態では通気性が悪くなり、外耳炎などの耳の病気の原因になったり、耳掃除の邪魔になったりします。このような場合はカットをすると良いでしょう。
1.まずは耳と被毛の境目を指で触って確認します
2.耳の内側と外側の、長く伸びた毛をカットしましょう
3.被毛の部分をコームで梳いて、ハサミで少しずつカットしていきます
4.安全のため余裕を持って、毛を少し長めに残しておきましょう
5.ワンちゃんが動いても耳や目に当たらないよう、ハサミの先端を顔に向けないでください
③胴体のカット
胴体の毛をカットする理由は、主に以下の4つになります。
・衛生面
・ノミやダニの予防
・熱中症対策
・おしゃれのため
1.コームなどで毛の流れを整えながら、ハサミで長さを調整します
2.大まかな長さを出したら、バリカンで表面をなぞり整えます
3.刈り残した部分を再びハサミでカットしましょう
4.最後に、ブラッシングで毛の流れを整えましょう
④顔周りのカットは慎重に
顔周り、特に目の周りの毛が伸びっぱなしだと、毛先が目に入ってしまい、眼球が炎症を起こしてしまう危険があります。また、口や鼻周りの毛が伸びてくると、下から目に入りやすくなってしまうので健康のためにも顔の毛は害がない程度にカットしておきましょう。
1.顔周りのカットは嫌がる子が多いので、いかに負担を与えずできるかが重要です
2.音がうるさいバリカンは使わず、ハサミで慎重に整えていきましょう
3.コームで顔の毛をすいて、コームですくい取った毛を少しずつカットします
4.刃先は向けずに、ハサミ全体を寝かせてカットしていきます
5.顔にシワがある犬種は、しわを伸ばしながら行います
6.垂れ耳の犬種は、耳全体を手で抑えながらカットしましょう
7.顔の毛は失敗が目立つので、少し長めにまとめるのがいいでしょう
暴れてしまう!おとなしくさせるには?
飼い主が綿密に準備を整えたとしても、ワンちゃんには関係ありません。
いきなり体を固定してハサミを向けたのでは、ストレスを与えることになってしまい、場合によっては逃げ出したり暴れたりすることも。その場合はどうすればいいのでしょうか?
まずは慣れてもらうことが先決
まだ幼いワンちゃんは、自分の被毛をカットされることはおろか、体に触られることにすら慣れていません。そのため、トリミングをしようと体に触ると驚いて暴れることもあるでしょう。特に、顔やしっぽ、足先などの敏感な部分は、触れようとしただけで逃げられるかもしれません。
こうなると、トリミングどころではないため、触られることに慣れてもらうのはもちろん、トリミングに使用するハサミやバリカンなどの道具に慣れてもらう必要があります。
中でも、振動して音を発するバリカンを苦手とするワンちゃんは多いので、実際に使用する前にバリカンの音やバリカンに触れることに慣れさせると良いでしょう。
マッサージで気持ちを落ち着かせる
トリミングなどのお手入れに慣れていない場合、まず落ち着かせるためにマッサージをすると良いでしょう。
五本の指の爪を立てて、しっぽの付け根から首元まで逆毛を立てるように優しくマッサージしてあげてください。力を入れずゆっくり繰り返すことでワンちゃんもリラックスしていくので、体に触れられることにも抵抗がなくなり、落ち着いてトリミングさせてくれるようになるでしょう。
ご褒美を用意してあげる
しつけと同様、トリミングに慣れさせるためには、おやつをはじめとしたご褒美を上手に活用するのも有効です。
おとなしくトリミングさせてくれた時にご褒美を与えることで、「トリミングをすると嬉しいことが起こる」と学習させてください。また、逆に吠えたり暴れたりしたらご褒美は貰えないということも覚えさせましょう。
これを繰り返すことで、おとなしくトリミングを受け入れてくれるようになります。
まとめ
トリミングは、美観の問題だけではなく、清潔さや健康を保つために必要な、ワンちゃんにとって大事なお手入れの1つです。
飼い主としては、可能な限りお手入れは自分でやってあげたいと思うもの。
今回の記事を参考に、無理のない範囲で簡単な部分や日頃のお手入れをしてあげてくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部