犬は本来群れで行動する動物なので、ひとりですごすことになる留守番に向いているとは言えません。しかし、愛犬をひとり残して留守にする状況は、どうしても発生してしまうもの。
今回は、愛犬が寂しさや不安を抱えることなく、安心・安全に留守番を全うするためにどうすればいいのか、必要な準備や環境などを詳しく解説していきます。
長時間の留守番はストレス?限界時間は?
ワンちゃんが留守番できる時間には個体差があり、一概に「〇時間」とは言い切れません。
数分で我慢が限界になる子もいれば、半日でも平気で留守番してくれる子もいるので、愛犬がどの程度の時間なら大丈夫か、どう判断すればいいのでしょうか。
長すぎる留守番にストレスを感じているかも…
群れで生活することが当たり前の犬という動物にとって、ひとりで過ごす留守番という時間は大きなストレスです。犬種や性格、年齢などで留守番させられる時間は異なるものの、ひとりにさせる時間は短いに越したことはありません。
とはいえ、留守番させることを考えると、愛犬が留守番できる限界の時間は知っておいた方が良いでしょう。
ワンちゃんに留守番させられる時間は「=大人しく飼い主の帰りを待っていられる時間」です。
問題行動を起こすのはストレスを発散させる目的の場合がほとんどなので、例えば「4時間の留守番なら平気だったのに、5時間外出して帰ってきたら部屋の中がグチャグチャになっていた」ということなら、4時間が限界ということになります
留守番はケージ利用が良い?フリー?
愛犬に留守番を任せる際、どうやって時間をすごさせるのか悩む方も多いのではないでしょうか。
「自由にさせてあげたい」という気持ちから、家のなかを好きに移動できるようにしている方もいるようですが、安全面を考えると問題があるかもしれません。
ケージは必要?そのメリットは?
愛犬に留守番をさせるとき、行動範囲を制限することなく、フリーな状態でひとりにさせる飼い主さんもいるでしょう。その理由として、「閉じ込めるのはかわいそう」という意見が多いようです。
この意見はワンちゃんのことを考えているように思えますが、実際はどうなのでしょう?
ワンちゃんが自由に動けるということは、危険な場所にも行けるということです。
例えばキッチンには、包丁やコンロなどの調理器具が置かれているので、誤ってケガをする可能性も否定できません。そのため愛犬の安全を考えるのなら、留守番中はケージ内に入れておくなど、ある程度の行動制限は止むを得ないでしょう。
<ケージで留守番させるメリット>
・安全のため
・室内を荒らされない
・慣れていれば落ち着いて過ごせる
留守番に必要なしつけ①「クレートトレーニング」
クレートトレーニングは、飼い主の指示に従い、ワンちゃんが自主的にクレートに入るようにさせるしつけです。これができるようになれば、ひとりで留守番させていても、大人しく飼い主の帰りを待ってくれるようになるでしょう。
<クレートトレーニングの手順>
1. まずは愛犬の体格に合ったクレートを選びましょう。大きさは、愛犬が中で立ち上がり、方向転換できるものが良いでしょう。
2. お気に入りのおもちゃやおやつで誘導して、クレートで過ごすことに慣れさせてください。
3. クレートで過ごす時間に慣れたら、飼い主の誘導なしに、自発的に入るようにさせましょう。例えば、おやつをクレートの中に並べ、クレートに入るように仕向けます。
4. 扉を閉めても大丈夫なことを教えます。最初は極短い時間だけ扉を閉め、少しずつ長くしていきます。ここでもおやつを使って、意識を逸らさせるのも良いでしょう。
留守番に必要なしつけ②「トイレトレーニング」
ワンちゃんに留守番を任せるためには、トイレトレーニングを終えておく必要があります。
トイレトレーニングは、文字通りワンちゃんにトイレを覚えてもらうためのトレーニングです。
基本的に飼い主がトイレを教えなければ、ワンちゃんは自分でトイレを理解することはありません。家に迎えた時点でトイレができる子は極稀です。
トイレトレーニングは、ワンちゃんを迎えたその日から始めたい、最優先のしつけです。ワンちゃんのトイレトレーニングに関しては、下記のページで詳しく解説しているので、今回の記事と合わせて、ぜひ一度ごご覧ください。
【子犬のトイレトレーニング】しつけ方法・うまくいかない時の対処法
留守番中に吠えるときはどうすれば?
留守番させる時に心配となる問題行動の1つが、無駄吠えです。
留守中の無駄吠えは、制止することができないので、ひどい時は飼い主が帰宅するまで続ことも。こうなると、家庭の問題に留まらず近所迷惑になってしまうので、何かしらの対策を講じる必要があります。
無駄吠えをさせないしつけ
ワンちゃんの留守番で、良く取り上げられる問題行動が、無駄吠えです。
特に、マンションなどの集合住宅や都市部の住宅地の場合、ご近所トラブルに発展しかねません。一人暮らしや共働きのご家庭では、お留守番の機会が多くなるので、ひとりでいる時に無駄吠させないようにしつけることは必要でしょう。
吠えるワンちゃんへのしつけについては、下記のページで詳しく解説しているので、参考にしてみてくださいね。
次ページでは、室内の温度管理など、留守番させる環境作りについて解説していきます。
著者/ブリーダーナビ編集部