ワンちゃんの肉球にはどんなケアが必要?
ワンちゃんの足の裏にある、プニプニした肉球。その独特な触り心地と可愛らしい見た目から、ワンちゃんの体の中でも「特に肉球が好き」という方も多いのではないでしょうか。
正式名称を「蹠球(しょきゅう)」といい、人間の掌に相当する「大パッド(掌球)」と指先に相当する4つの「小パッド(指球)」を合わせた形が、いわゆる肉球の形状として知られています。
肉球は、「足への衝撃を和らげるクッション」「足先の感覚器官」などの役割がある、ワンちゃんにとって大切な部位です。もしこの肉球がなくなってしまったら、歩くこともできないといわれています。
肉球は、脂肪と線維組織が張りつめている部位なので、尖ったものなどを踏んで傷つけると、傷口がパンと大きく弾けるように開いてしまうのです。また、表皮の硬い部分は血管が少なく、最も体重がかかる場所なので傷口が開きやすくなっています。
そのため、再生能力が低く、一度ケガをすると非常に治りにくいため、定期的にケアしなければなりません。
肉球のこんなトラブルには気を付けて!
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ワンちゃんの肉球は人間の踵のように乾燥しやすい
ワンちゃんの肉球も、人間の手と同じように乾燥してしまいます。
室内で飼っている場合、散歩から帰ってきたら足の裏は拭いたり洗ったり、何かしら綺麗にしてから家に入れるでしょう。例えば、ウェットティッシュで拭いた場合、肉球の水分を蒸発させてしまったり、シャンプーで洗った場合、汚れと一緒に皮脂を洗い流してしまいます。また、濡れた肉球を乾かすためにドライヤーを使うと、温風で肉球を乾燥させてしまいます。
もちろん、これらの対応が悪いというわけではありません。汚れを気にするあまり、過剰に汚れを落とそうとすることが、肉球を乾燥させてしまうのです。そのため、ドライヤーを使うなら温風ではなく冷風で、ウェットティッシュはアルコール成分を含まない物を選ぶといいでしょう。
このように、お散歩から帰ってきたあとのお手入れ一つで、肉球は乾燥してしまいます。
肉球は乾燥したりひび割れたりすると治りにくいので、適切なケアで健康な状態を保つようにしましょう。
肉球の硬化や角質化がトラブルを招く
ワンちゃんの肉球で気を付けたいのは、乾燥だけではありません。
日頃の散歩で、硬いアスファルトやコンクリートで舗装された地面を歩くことや、フローリングの化学薬剤などが原因で肉球は角質化して、人間の足の踵のように硬くなってしまいます。
硬くなってしまった肉球は滑りやすくなるので踏ん張りがきかなくなり、関節トラブルやヘルニア、転倒による骨折のリスクが増すでしょう。
老犬はあかぎれになることも
人間同様、ワンちゃんも年齢を重ねると体内の水分量が減り、肉球が乾燥しやすくなり角質の厚い層ができて白くなり、ガサガサになってしまいます。
すぐにケアできればいいのですが、放置しているとあかぎれのようになって出血したり、ひび割れ部分から雑菌が入り込んで、思わぬ病気に感染したりすることがあるので注意しましょう。
環境などの外的な要因で起こる乾燥とは違い、老化による乾燥は自然現象です。
ある程度の年齢になったら、季節に関係なく毎日のケアを心掛けるといいでしょう。
フローリングは、ワンちゃんにとって思っている以上の負担
肉球の乾燥は、副次的な悪影響も起こしかねません。
例えば、フローリングの床の場合、肉球が乾燥していると滑ってしまい、骨格の形成にも悪影響が表れます。
特に室内犬の場合、肉球が柔らかいままなので、空気が乾燥する冬場は、肉球の乾燥とともに床の滑りやすさも気を付けてください。
気になるようなら、フローリングにマットや絨毯をしくなどの対策を講じるといいでしょう。
著者/ブリーダーナビ編集部