飼い主と一緒に喜んだり、落ち込んでいる時は慰めてくれたりと、その感情の豊かさは疑う余地はありません。ですが、人間とワンちゃんとでは感情表現が少し違います。
今回は、涙を流す理由や感情の関係など、ワンちゃんが泣く理由について解説していきます。
犬は泣くのか、どのように泣くのか
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涙を流す愛犬を見て、驚いた経験がある飼い主さんは少なくないでしょう。ですが、ワンちゃんが感情的な理由で泣くことはありません。
では、ワンちゃんが悲しむときは、どういった仕種をするのでしょうか?
悲しいときの仕草
ワンちゃんは悲しい時、涙こそ流さないものの、悲しそうな鳴くことがあります。不思議と、長年ワンちゃんと一緒に暮らしていると、鳴き声の違いでその時の感情が分かるようになってきます。
また、ふせの状態で前足に顔を乗せ、上目遣いで見上げて来ることもあります。
このほか、「呼んでも反応しない」「目を逸らす」「しっぽが垂れている」ようなら、悲しんでいると思っていいでしょう。
このように、ワンちゃんは涙こそ流さないものの、さまざまな感情表現で、悲しいという気持ちを表しているのです。
悲しいときの鳴き声
ワンちゃんは悲しい時、「キュンキュン」「クゥーン」といったか細い声で鳴きます。
こうした鳴き声を上げる理由は様々ですが、「ひとりで寂しい」「構ってほしい」といった気持ちのときによく聞く鳴き声です。また、いたずらをして叱られた場合にも、上目遣いで細く鳴くことがあります。
愛犬の鳴き声を聞いて、今どんな気持ちなのか知りたい方は、下記のページも参考にしてみてください。ワンちゃんの鳴き声について詳しく解説しています。
犬の鳴き声の意味とは?クーンなど甘え鳴きの理由
ワンちゃんはどんな理由で悲しむ?
ワンちゃんは、とても感情豊かで、人間の感情を察して寄り添ってくれる共感力の強さも持ち合わせています。しかし、人間と全く同じ理由で悲しむわけではないようです。
では、ワンちゃんはどんなときに「悲しい」と感じるのでしょうか。
飼い主の感情に共感して
一緒に暮らしていると分かりますが、ワンちゃんは共感力が強く、周囲の変化にとても敏感です。そのため、飼い主の感情の変化に反応して、いつも寄り添ってくれます。
例えば、飼い主が落ち込んでいるときや悲しんでいるときは、そばで慰めるように寄り添ってくれるでしょう。これは、飼い主の感情を察して、一緒に悲しんでくれているのです。
ワンちゃんのこの特性は、群れで行動していた名残といわれています。
仲間と一緒に生活していくうえで、感情を理解し共有するのは、欠かせない能力だったのでしょう。
期待を裏切られたとき
ワンちゃんは、期待が裏切られたときに悲しむことがあります。人間の感情的には、悲しむというよりも「ガッカリした」という気持ちの方が近いかもしれません。
例えば、飼い主さんがドッグフードの箱を持っていたら、ワンちゃんはご飯を期待してしまいます。しかし、ただ置き場所を変えただけだったり間違えたりしただけで、実際にはご飯ではなかった場合、ワンちゃんは期待を裏切られて、きっと悲しそうな表情をすることでしょう。
また、いつもの散歩の時間になれば、散歩を期待してソワソワし出すかもしれません。しかし、天候不良や何らかの用事で散歩ができなかった場合、いつまで経っても散歩に連れて行ってもらえません。こんな場合も、ワンちゃんは悲しそうな顔をします。
このガッカリした悲しげな表情が見たくて、ワンちゃんにいたずらをする飼い主さんも多いかもしれませんが、程々にしておきましょう。
飼い主との別れなどの喪失感
忠犬ハチ公の話にもあるように、大切な飼い主との別れは、ワンちゃんにとって非常に大きな悲しみです。
死別以外にも、「子供が一人暮らしを始めた」「結婚して家を出た」など、さまざまな理由が考えられますが、ワンちゃんにとっては大好きな人がいなくなったことは、大きな喪失感につながります。
泣くときは涙を流すの?
ワンちゃんは、悲しいなどの感情的な理由で涙を流すことはありません。そのため、人間のように「泣いている=悲しい」という認識は、ワンちゃんに限っては改める必要があるでしょう。
ワンちゃんの涙は、身体的な不調が原因で流れます。例えば異物が入ったり炎症を起こしているなど、場合によっては失明に至るほどの重篤な病気を患っているかもしれません。
悲しいだけで涙は流れない
人間同様、ワンちゃんも涙を流すことがあります。しかし、悲しさなどの感情的な理由で泣くのではありません。
では、どのような理由で涙が流れるのでしょうか?
ワンちゃんは、物理的な理由で涙を流します。
例えば、「目に異物が入った」「目の病気」など、ワンちゃんはが涙を流すのは、目に何かしらの異常がある時なのです。
異常というのは、目の病気も含まれるので、涙が止まらなかったり炎症が確認できるようなら、速やかに動物病院に連れて行き、診察してもらってください。
まとめ
ワンちゃんは感情豊かな動物なので、人間と同様に悲しさなどの感情を、仕種や表情で表現します。そのため、涙を流しているところを見て「悲しんでいる?」と思うかもしれませんが、それは間違いです。ワンちゃんの涙は感情とは関係なく、異物や目の炎症、目の病気が原因で流れます。
そのため、愛犬が涙を流しているようなら、目の異常を疑い、早急な対応を心掛けましょう。
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著者/ブリーダーナビ編集部