犬のシャンプーやお風呂のやり方は?頻度や温度は?

シャンプーは臭いや汚れを対策するためのお手入れですが、やり方を知っていないとさまざまな問題の原因になりかねません。
本記事では、ワンちゃんのシャンプーの準備をはじめ、具体的なやり方の手順や注意すべきポイントについて解説します。

シャンプーやお風呂の正しいやり方は?顔はどうする?

犬のシャンプーやお風呂のやり方は?頻度や温度は?
photo by Greg70

定期的なシャンプーは、ワンちゃんを飼育するうえで欠かせないお手入れです。しかし、簡単ではないので、慣れるまではとても大変な思いをするかもしれません。
ここでは、そんなシャンプーの準備から実際の手順まで解説します。

シャンプー・お風呂には何が必要?

・犬用のシャンプー・リンス
シャンプーやリンスは、必ず犬用のものを使いましょう。人間とワンちゃんとでは皮膚の質が違うので、人間用のシャンプーを使うと悪い影響が出てしまいます。

・バスタオル
シャンプー後に水分を拭き取るため、吸水性の高いバスタオルを複数枚用意しましょう。
1枚で足りる短毛種の小型犬から、3枚以上必要になる長毛種の大型犬まで、体のサイズに合わせて用意しましょう。

・ペット用バスタブ
シャンプーの最中でも、ワンちゃんはお構いなしに動き回ります。愛犬が小型犬や中型犬なら、ペット用のバスタブでシャンプーすることで大人しくさせることができるので、大分楽になるでしょう。

・ドライヤー
シャンプー後に素早く被毛を乾かすため、ドライヤーを使うと便利です。
ペット用のドライヤーには、固定タイプのものやハンディタイプのものがあります。そのほか、一般的なドライヤーを固定するためのスタンドも市販されているので、好みに応じて使いやすい物を選んでください。
ワンちゃんの中には、ドライヤーの音が苦手な子もいるので、音に慣らせておくといいでしょう。

・おやつ
ワンちゃんのしつけの際、ご褒美として用いるおやつですが、シャンプーを苦手な子がシャンプー嫌いにならないよう、良いイメージを与えるためにも使えます。
シャンプー後、またはシャンプーしている間におやつを与えて、少しでもストレスを緩和させてください。

まずは慣れてもらうことから

・お風呂場に慣らす
ワンちゃんの中には、お風呂場が苦手な子もいます。そのため、シャンプーをする場所であるお風呂場に慣らすことから始めてください。ワンちゃんは、目についたものを何でも口に咥えてしまうので、舐めたり飲み込んでしまうと危険な石鹸などは、事前に片付けておきましょう。

・浴槽、バスタブに慣らす
浴槽やペット用のバスタブを使う場合は、中で大人しくしてもらうために慣らしておくといいでしょう。
バスタブが嫌いな子を入れようとすると、抱っこしても暴れることがあるので、落とさないよう気をつけてください。

・シャワーに慣らす
シャワーの水圧や音が苦手なワンちゃんは少なくありません。
水圧に関しては、シャワーヘッドを変えるなどで対応可能ですが、音に関しては単純に慣れさせるしかありません。シャワーに限らず、家の中のさまざまな音に慣れさせておくと安心です。

・ドライヤーの音に慣らす
ワンちゃんが苦手な家電製品の音は、意外と多いものです。そのうちの1つがドライヤーの音で、独特な機械音と風の音から、嫌がる子は少なくありません。
いきなり近くで使用すると、ドライヤーを見ただけで避けるようになってしまうので、驚かせない程度に離れて音を聞かせることから始めて慣らしていきましょう。

シャンプーの手順

1.ブラッシング~全身を濡らしていく
全身をブラッシングしてから、夏は35~36度、冬は37~38度ほどのやや温めのお湯で、全身を濡らしていきます。動かないように片手で愛犬の体を支え、シャワーの音がしないようにシャワーヘッドを体に軽くおしつけながらお湯をかけましょう。
顔から最も遠いおしりからはじめ、「後肢→背中→胸→前肢→顔」の順で、被毛だけでなく、皮膚までしっかり濡らしてください。

2.シャンプーしていく
お湯で濡らした順番と同じように、お尻→頭の流れでシャンプーをしていきします。シャンプーで洗う際は、優しく指の腹を使って地肌をマッサージするように馴染ませてください。
シャンプー剤は直接塗るのではなく、あらかじめ手で泡立たせてから使いましょう。

ちなみに、肛門腺絞りはシャンプーの前に行ってください。万が一肛門腺の臭いがついても、シャンプーすることで、臭いを落とすことができます。

3.洗い流す
洗い流す際は洗う順番とは逆に、頭から後ろ足に向かって行い、顔に泡がついていてる時間を極力短くしてください。顔を付近を洗い流す場合は。鼻にお湯が入らないように顔を少し持ち上げ、シャワーへッドを密着させるといいでしょう。
特に脇やお腹、お尻回り、足裏など、忘れがちな部分は入念にすすいでください。

4.リンス
シャンプーと同じ手順でリンスを馴染ませて洗い流していきます。

5.全身くまなく乾かす
耳や足、しっぽは根元から毛先へと絞るように、その後ドライヤーを使う時間を少しでも短くするために、バスタオルで全身の水気を拭き取っていきましょう。

ドライヤーの熱風を長時間当てるのは、ワンちゃんの皮膚に良くないので、風が一ヶ所に集中して当たらないよう、極力短い時間で終わらせるようにしましょう。
乾かし残しがないよう、毛をかき分けて根元から乾かしてください。

顔にもシャンプーはするべき?

愛犬のシャンプーに慣れない飼い主さんがためらいがちなのが、顔付近のシャンプーではないでしょうか。

確かに、顔付近が濡れることを嫌がるワンちゃんは多いですし、目や耳にお湯やシャンプー液が入ってしまわないか心配になってしまいます。
ですが、ポイントを理解すれば問題なく洗ってあげることができるでしょう。

目や口の周りは、指の腹でやさしく角度を変えながら洗います。どうしても難しいという方は、お湯を含ませたスポンジで泡をつけて洗うだけでも十分です。垂れ耳の子は、隠れている部分が見えるように折り返して洗いましょう。

ワンちゃんはシャンプーしている間も目を開けっ放しにしているので、シャンプー液やお湯が目に入ってしまわないか心配でしょう。しかし、少しくらい目に入ってもワンちゃんは気にしません。どちらかといえば、目よりも鼻に入る方が嫌がるので、鼻周辺は極力触れないよう、優しく洗ってあげましょう。

すすぐ時はシャワーの勢いを弱めて、頭の後ろからできるだけ静かに。鼻を天井に向けるように少し上向きにして、そそいであげるとよいでしょう。

シャンプーの頻度や適切な温度とは?

人間を基準にするとシャンプーは毎日するように思えますが、ワンちゃんは人間と比べ皮膚が弱いので、毎日では多すぎます。
では、どのくらいの頻度でシャンプーを行うのが、ワンちゃんにとって最も良いのでしょうか。

シャンプーの頻度は月1、2回を目安に

ワンちゃんのシャンプーは、月に1〜2回程度を目安に考えましょう。
これ以上少なければ臭いが気になってしまいますし、逆に多すぎると汚れだけでなく必要な皮脂まで落としてしまい、皮膚病の原因になってしまいます。

臭いが気になりやすい犬種なら、シャンプーに加えて、週に1、2回お湯だけで体を洗い流すといいでしょう。また、皮膚や被毛が弱い犬種であれば、これよりも少なく月1回程度に止め、シャンプー剤も低刺激の製品を使用してください。

過度なシャンプーは、被毛の清潔さを保つどろこか、健康を害する原因にもなりかねません。もしも、皮膚や被毛に何かしらの異常が確認できたら、獣医さんに相談して指示を仰いでください。

嫌がる原因、なおすには?

シャンプーやお風呂を嫌がるワンちゃんは多いもの。むしろ、大人しくシャンプーさせてくれる子の方が少ないかもしれません。
しかし、嫌がるポイントは比較的似ているので、対策さえできればシャンプー嫌いを克服させることはできるでしょう。

無理をせずできる範囲から

シャンプーを嫌がるワンちゃんには、無理にシャンプーするのではなく「足元に水をかける」「濡れタオルで顔を拭く」など、できる範囲から少しずつ慣らしていきましょう。そのうえで原因を見つけ取り除くことができれば、時間はかかるものの次第に受け入れてくれます。

ワンちゃんがシャンプーを嫌がる理由は多種多様で、濡れることを嫌がる子もいればシャワーの音を嫌がる子などさまざまです。例えば浴室を嫌がる場合、浴室内で「遊ぶ」「おやつをあげる」「褒めてあげる」などして、浴室に良いイメージを持ってもらうといいでしょう。

どうしても水に慣れてくれない場合は、体を濡らさずに洗える『ドライシャンプー』や部分洗いできる『泡スプレーシャンプー』もおすすめです。また、自分の手には負えないようなら、プロにお任せすることも考えてください。
飼い主と愛犬、お互いに無理なくできる範囲で、少しずつ練習していきましょう

ワクチン接種後のシャンプーはどうすればいい?

飼い主の義務の1つとして、ワクチン接種があります。
愛犬との生活において、ワクチン接種の優先度は高いので、シャンプーをする場合も、ワクチン摂取のタイミングに合わせなければなりません。

接種してから1週間は避けましょう

狂犬病ワクチンを接種したら、その後1週間はシャンプーはしない方が良いでしょう。
またシャンプーに限らず、ワクチン接種前後は激しい運動や長距離移動など、体に負担がかかるような行動は控えてください。

接種した直後に体調を崩してしまうと、感染症にかかってしまう可能性もゼロではないので、気を付ける必要があります。ワクチン接種後のシャンプーについては、獣医さんにも確認を取りましょう。

まとめ

ワンちゃんのお手入れは、最も基本的なブラッシングに加え、定期的なシャンプーも欠かせません。特に体臭が強い犬種は、匂い対策としてとても重要です。
しかし、シャンプーはワンちゃんのお手入れの中でも大変な部類に入ります。愛犬に慣れてもらうことも含め、独力でできるようになるのは、なかなか大変かもしれません。

お手入れに関しては、ワンちゃんを飼育するプロであるブリーダーから一度お話を聞いてみるのもいいでしょう。親犬も含め、多くのワンちゃんを飼育しているブリーダーなら、あらゆる状況に対応できるアドバイスをしてくれると思います。

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