口の中に物を入れようとするのは、人間の赤ちゃんでも子犬でも一緒です。しかし、ワンちゃんには言葉が通じないので、その分しつけには気を遣わなければなりません。
ここでは、愛犬に噛み癖をつけないための、子犬の甘噛みのしつけ方について解説していきます。
子犬が噛んでしまう理由
ワンちゃんは噛み付く動物です。しつけをしなければ、それが悪いことだと思わないので、「突然足に噛み付かれた」という飼い主さんも多いのではないでしょうか。
子犬の甘噛み程度であれば可愛らしいですみますが、成犬になっても続くようなら、ひどい噛み癖になってしまうかもしれません。そのため、噛み癖をつけさせないためには、子犬のうちからしつけをしておく必要があります。
では、子犬はどうして噛むのでしょうか。
理由①:歯が痒い
子犬は、人間の子どもと同じように歯が生え変わります。
子犬の歯の生え変わり時期は、生後4~8ヶ月頃。この際の、歯が生えてくるムズムズした「歯や歯茎が痒い」感覚を紛らわせるために、子犬は噛みたがるのです。
理由②:噛むのが楽しい
遊び盛りの子犬は、身近なさまざまなものに興味を示し、好奇心から噛み付いてしまいます。子犬同士のじゃれ合いでも噛んだりするのは、子犬にとって噛むことが楽しい遊びだからなのです。
気になるものに取りあえず噛み付き、それがどんな物なのか確認して、気に入ったらずっと噛み続けます。逆に、子犬の頃に一度も噛まずにいた物は、その後成長しても噛み付くことはないそうです。
理由③:飼い主に甘えている
子犬が飼い主に噛み付くようなら、甘えてじゃれついていると思われます。噛むことで、大好きな飼い主が反応してくれたり構ってくれるのが嬉しくて、子犬は噛み付くのです。
ワンちゃんは人間の言葉が理解できないので、例え叱られても怒らせても、「噛み付くことによる反応」を求めて噛み付きます。そのため、噛み付きを止めさせたくて注意したつもりでも、逆に噛み付きを助長することになってしまうのです。
理由④:なにかを要求している
「お腹が空いた」「遊んでほしい」「構ってほしい」など、何かを要求する時も、子犬は噛むことがあります。人間の子どものように、言葉で要求することはできないので、噛み付くことで飼い主の気を引こうとします。
噛み付かれた時に、叱ったり視線を向けたりすると、ワンちゃんは「成功した」と認識します。ましては、要求を聞き入れてしまうと、それ以降何かある度に噛み付くようになりかねません。
噛み付き癖をつけないために、要求噛みされても反応せず、無視するようにしましょう。
噛み癖のしつけ方法は?いつから行うべき?
子犬にとって噛むことは遊びでもあるので、それをやめさせるのは至難の業です。
単純に「噛むのは悪いこと」ととして叱ったりしたら、余計に悪い方向へ向く可能性があるので、愛犬の気持ちも考えてしつけるようにしましょう。
しつけはできるだけ早いうちに
他のしつけ同様、噛み付きへのしつけもできるだけ早いうちに始めましょう。
そのためにも、ワンちゃんを家に迎える前から、家族内でルールを定めておくことをおすすめします。家族でコマンドやルールを統一しておけば、ワンちゃんを混乱させることもなくしつけをスムーズに進められます。
しつけは成犬でも覚えさせることは可能ですが、やはり物事の吸収が早い子犬の頃から始めた方が覚えが早く、かかる労力も時間も減らすことができるでしょう。
「子犬の甘噛み程度」と軽く考えていると、将来噛み癖を直すのに大変な思いをすることになってしまうかもしれません。
噛み癖のしつけ方
愛犬の噛み癖を直すには、無視するのが基本です。
注意して止めさせようとしても、反応したことを喜んで余計に悪化させることになりかねません。それを理解したうえで、愛犬の性格などに合わせて以下のような内容を試してみることをおすすめします。
・噛んで良いおもちゃなどを与える
歯の生え変わり時期など、噛むことを我慢させるのはストレスになってしまいます。
そのため、噛むことを禁止するのはでなく、逆に噛んでも良いものを与えるといいでしょう。噛んで遊ぶおもちゃを与え、噛んで良いものと悪いものを線引きすることで、問題行動に発展することを抑制する効果が期待できます。
・苦手な匂いをつける
ワンちゃんの噛み癖を直すためのグッズとして、「噛みつき防止スプレー」が市販されています。
これは犬が苦手な味がするスプレーで、愛犬に噛んでほしくない物や場所に吹きかけ、噛み付かなくさせるグッズです。子犬がなめても害がない、果物由来の成分が使われているため、安心して使うことができます。
下記のページではワンちゃんが好きな匂い・嫌いな匂いについて解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
犬の嫌いな匂いって?鋭い嗅覚はしつけにも活用できる?
・子犬同士や同居犬と遊ばせる
飼い犬ではない犬の群れでは、親や兄弟との生活の中で、自然と噛み付いてはいけないことを学んでいきます。ご家庭でも、ワンちゃんを多頭飼いしていれば、疑似的に群れの状況を再現して、犬同士の関わり合いの中で学ばせることができます。
その他の子犬へのしつけ
噛み癖も含め、成犬に成長するまでの間にどれだけしっかりとしたしつけができたかで、その後問題行動をするかどうかが決まってしまいます。
成犬になってもしつけることは可能ですが、子犬に教えることに比べると多大な時間と労力がかかってしまうでしょう。
下記のページでは、噛み癖以外の子犬のしつけについて詳しく解説しています。
今回の内容と合わせて、ぜひご覧ください。
まとめ
群れであれば他の犬と関わることで学んでいくことも、飼い犬であれば家庭で飼い主が教えなければなりません。ワンちゃんにとって、噛むのは自然な行為ですが、放っておくと噛み癖となり、問題行動になってしまいます。
ぜひ、今回の内容を参考に、愛犬をしっかりとしつけてあげてください。
噛み癖だけでなく、他のしつけについても詳しく知りたいという方は、ブリーダーからお話を聞いてみるのも良いでしょう。ワンちゃんの飼育のプロであるブリーダーは、噛み癖をはじめとした問題行動への対応も熟知しているので、疑問やお悩みにも分かりやすく解説してくれると思います。
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著者/ブリーダーナビ編集部