「マウンティング」は動物が前足でしがみつきながら腰を振る、動物特有の行為です。
しかし、癖になってしまうとトラブルのもとになったり、問題になりかねません。
もしも愛犬がマウンティングをするようになったら、どのように対処すれば良いのでしょう。
マウンティングの意味は?いつから始まる?
photo by Fran_Mother_Of_Dogs
初心者の方は驚いてしまうかもしれませんが、マウンティングはワンちゃんにとって特別なことではない普通の行為です。
では、ワンちゃんはなぜマウンティングを行い、どのような意味があるのでしょうか?
そもそもマウンティングって何?
マウンティングとは、他のワンちゃんや人間の足、クッションやぬいぐるみなどに前足でしがみ付いて腰を振る動作のことです。一見すると交尾をしているようにも見えるため、見慣れていないと驚くかもしれませんが、何ら特別なことではない、ワンちゃんにとっては自然な行動になります。
マウンティングする意味とは
・発情による性的行動
未去勢のオスは、発情期を迎えるとメスのフェロモンに反応してマウンティングを行うようになります。去勢することである程度収まりますが、マウンティングを完全に止めさせるまでにはならないようです。
・上下関係の誇示
本来集団で行動する動物である犬は、群れの中での上下関係を決めようとします。犬のマウンティングはそのための手段で、他者よりも自分が上であることを示す意味があるのです。
マウンティングはオスの行動というイメージが強いのですが、こうした理由からメスも行うことがあります。
・じゃれ合い
子犬が飼い主や他のワンちゃんにじゃれつくのはよく見る光景ですが、興奮するとマウンティングに発展することもあります。ただし、この場合のマウンティングは、他のケースと異なり親愛の情から来ているので、とても楽しげです。
・ストレスから来る問題行動
運動不足や長時間の留守番を繰り返すと、ワンちゃんはストレスを溜め込んでしまい、その反動としてマウンティングを行うことがあります。
この場合マウンティングの対象となるのは、近くにあるぬいぐるみや飼い主の足などで、「飼い主の気を引きたい」「構って欲しい」という気持ちの表れです。
マウンティングはいつから始まる?
マウンティングが始まる時期には個体差があるものの、概ね生後6ヶ月くらいからと言われており、早ければ生後2~3ヶ月頃に始まることも。こうした時期からも分かるように、ワンちゃんのマウンティングは、性成熟するまでの成長過程ではじまるため、必ずしも生殖行為と関係があるわけではないと考えられています。
一方メスのマウンティングは、ヒートが起こる頃からはじめるケースが多いようで、早い場合は生後2~3ヶ月から始まり、生後6ヶ月を過ぎても行わないワンちゃんもいるようです。
ぬいぐるみやクッションへのマウンティングは?
ワンちゃんのマウンティングは、他のワンちゃんや人間以外にも、ぬいぐるみやクッションが対象となる場合もあります。こうした物へのマウンティングは、他と同様に興奮が原因の場合や暇つぶし、ストレス・エネルギーの発散といった理由が考えられます。
「物であればいいのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、癖になってしまったり性器を傷付けてしまう危険があるので、やはり止めさせた方が良いでしょう。
メスでもマウンティングする?
マウンティングはオスの行動と思われがちですが、実は性別は関係なく、メスもマウンティングすることがあります。
これまで紹介してきたように、マウンティングを行う理由はいくつかありますが、メスの場合、性的な意味合いよりも自分が優位であることを示すための行動が多いようです。
しつこいのは問題?やめさせるには?
マウンティングは特別な行為ではありませんが、しつこいようなら問題です。
愛犬がしつこくマウンティングを繰り返すようなら、興奮した自分を抑えられていないからかもしれません。
ここでは、マウンティングを止めさせるにはどうすればよいのか、パターンごとに解説していきます。
マウンティングをやめさせるために
オスのマウンティング対策の1つとして、去勢があります。マウンティングの原因はさまざまなので、必ずしもマウンティングが収まるわけではありませんが、性的な理由への有効な対策といえるでしょう。
<人間へのマウンティング>
飼い主にマウンティングをするようなら、ワンちゃんは「自分の方が上だ」と感じているかもしれません。こうなると、マウンティングだけでなくしつけ面などで不都合が生じるので、見過ごすことなく毅然とした態度でやめさせましょう。
大切なのは主従関係を明確にし、飼い主が自分よりも上であることを理解させることです。
そのためには、過度な甘やかしや犬の言いなりになるのは控えましょう。愛犬との信頼関係が築けるまでは、一貫した態度でしつけてください。
愛犬に「何をやっても大丈夫」と思わせないように、マウンティングされたら無言で側から離れたり部屋から出たりして、「マウンティングすると相手にされない」ことを理解させましょう。
<物へのマウンティング>
物へのマウンティングは、遊びの延長であることも多いですが、癖になってしまうと問題行動に発展したり摩擦で傷ついたりします。
しかし、物が対象の場合「取られたくない」という独占欲が働くので、無理に取り上げようとしても抵抗されてしまい、場合によっては噛み付かれるかもしれません。
いきなり取り上げるのではなく、おもちゃなどに意識を向けさせてから回収しましょう。また、原因によっては散歩や遊びの時間を増やして、ストレスやエネルギーを発散させるのも有効です。
まとめ
マウンティングはワンちゃんの正常な行動であり、特別なことではありません。しかし、周囲への迷惑やトラブルを予防するためにも、癖にならないうちに止めさせた方がよいでしょう。
今回の内容を参考に、きちんと指示を聞き入れるようにトレーニングをしてください。
どうしても難しいようなら、ドッグトレーナーやブリーダーなどの専門家に相談することをおすすめします。
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著者/ブリーダーナビ編集部