犬の遠吠えの意味とは?嬉しいのが理由?

犬の遠吠えの意味とは?嬉しいのが理由?

犬は吠える動物です。しかし、それが分かっていても、飼い主として愛犬の遠吠えを放っておくわけにはいきません。
では、愛犬の遠吠えはどうのように止めさせれば良いのでしょうか?

仲間の声と勘違いして遠吠え:サイレンなど音に反応する

ワンちゃんは、パトカーや救急車、消防車のサイレン音など、特定の周波数の音に反応して遠吠えすることがあります。その理由として、犬の遠吠えとこれらサイレンの音の周波数が近く、仲間の遠吠えだと思い吠えて返事をしていると考えられています。

こうした遠吠えは、何かしら理由があって行うというよりは、ただ音に反応して本能で吠えているので、しつけで止めさせるのは難しいのが現実です。

コミュニケーションの遠吠え:ほかの犬の遠吠えに反応する

ワンちゃんは言葉こそ発しませんが、鳴き声でお互いの意思を伝え合い、コミュニケーションを取ります。特に遠吠えは、犬の祖先であるオオカミが遠く離れた場所にいる群れの仲間とコミュニケーションをとるための手段でした。

例えば、遠吠えは下記のような理由で使われていました。

・群れ以外の個体になわばりであることを知らせるため
・群れからはぐれた仲間を見つけるため
・仲間との絆を維持するため

そのため、オオカミを祖先に持つワンちゃんも、コミュニケーションの手段として遠吠えを利用しているのです。

朝の遠吠え:何かの要求、音に反応している

ワンちゃんが吠える理由として最も多いのが、何かの要求です。例えばご飯が欲しい、もっと構ってほしいなど、何かを欲しがったりしてほしい時に吠えます。

朝、早い時間にワンちゃんが吠えるようなら、散歩に連れていってほしいのかもしれません。ワンちゃんはいつもの習慣を驚くほど正確に記憶しているので、毎朝同じ時間散歩に出掛けている場合、散歩に行きたくて吠えていると考えられます。

一般的にまだ眠っている人が多い、早朝の静かな時間帯に愛犬を吠えさせると近所迷惑になりかねません。それでなくとも、飼い主は吠える愛犬をなだめるために起きることになり、寝不足の原因にもなってしまいます。

こうした周囲の迷惑になる朝の遠吠えを予防するためにも、早朝に散歩する習慣があるようなら、散歩の時間をずらすと良いでしょう。

また、屋外で飼っている場合、周囲の音に反応して遠吠えをする場合もあります。
例えば、新聞配達の方のバイク音や散歩しているワンちゃんの声など、早朝とはいえ、活動している音は意外と少なくありません。

夜の遠吠え:寂しさや不安、病気の可能性も

子犬を迎えたばかりの飼い主さんの多くは、犬の夜泣きを経験したことがあると思います。個体差はあるものの、新しく家族に迎えたばかりの子犬の多くは夜鳴きをしますが、環境に慣れてくれば自然となくなることがほとんどです。

こうしたことからも分かるように、夜に遠吠えするようなら、不安や寂しさを紛らわせようとしています。ワンちゃんとしては「誰かに来てほしい」という気持ちなので、そばにいてあげれば吠えることはありません。しかし、「吠えれば飼い主が来てくれる」ことに慣れてしまうと、「飼い主の姿が見えなくなる⇒吠える」を繰り返すことになります。

無視を続けるのが確実な対策ですが、おさまるまで気長に待つには、周囲への迷惑が気になります。そこで、「寝床であるサークルを布や段ボールで囲んで暗くする」「ぬいぐるみやタオルなどを寝床に入れてあげる」といった対策をしてあげるといいでしょう。
また、日中に思う存分運動させてあげれば、夜遠吠えする前に疲れて眠ってくれると思います。

このほか、場合によっては何かしらの病気を患っている可能性もあるので、普段と様子が違うと感じたら、一度動物病院に連れて行って診察してもらうと安心です。

留守番時の遠吠え:ストレス発散のため

ワンちゃんは、留守番でひとりにした場合も、遠吠えすることがあります。留守番中の遠吠えの原因は、多くがストレスです。

本来群れで行動する犬にとって、ひとりぼっちの状況というのは大きなストレスです。それ以外にも、やることがなく暇になるなど、多くのストレスにさらされるため、それを発散するための手段として、留守番中に遠吠えをするのです。

飼い主などに対する遠吠え:嬉しい感情を表現している

ワンちゃんは、ネガティブな理由以外にも、ポジティブな理由で遠吠えすることもあります。人間に「歓喜の雄叫び」という行動があるように、何か嬉しいことや楽しいことがあった時、その気持ちを表現するために吠えるのです。

日常でよくある場面は、留守番していて大好きな飼い主さんが帰宅したとき。思い切りしっぽを振りながら玄関まで迎えに来て、吠えられたという経験がある方も多いでしょう。
こうした場合は、喜んでいる時の遠吠えです。

音楽に合わせて遠吠え:喜んでいる?不快に感じている?

音楽を聴いていたり歌ったりしていて、愛犬が吠え始めた経験がある飼い主さんはいらっしゃるのではないでしょうか。こうしたワンちゃんの反応に、「一緒に楽しんでくれているのかな?」と思う反面、「うるさかったかも…」と思うことも。

愛犬がどちらのタイプかは、遠吠えしている時の表情や反応を見て確かめてください。
音楽やリズムが好きなワンちゃんであれば喜んでいるでしょうし、大きな音を嫌がるようなら音を止めてほしいと思っているかもしれません。
また、仲間や家族の声に反応するように、音楽や歌に遠吠えで応えようしている可能性もあります。

遠吠えを止めさせるためには?

ワンちゃんは吠える動物です。そのため、完全に黙らせることはできないものの、飼い主としてはその頻度を減らして、近隣への迷惑にならないようにすることが求められます。
そのためには、まず「遠吠えする理由」を知り、そのうえで、対策を講じなければなりません。
では、具体的にどのような対処が必要なのでしょうか?

愛犬と一緒に過ごす時間を増やす

ストレスから遠吠えをするようになってしまう場合、吠えるのを止めさせるには、原因を取り除くことが最も有効です。
ひとりにさせる時間が長いとそれだけでストレスを感じる子もいるので、こうした原因の場合は、一緒にいる時間をこれまで以上に増やしてあげましょう。

また、留守番中ひとりになることで寂しさを感じなくてすむよう工夫してあげるのも有効です。例えば、散歩に行ってから留守番をさせたり、留守番中に寂しさや暇を感じなくてすむようにおもちゃを用意するのもいいでしょう。

要求の遠吠えは無視が一番

ワンちゃんが吠える理由の1つに、何か「ほしい」「したい」という要求があります。この要求吠えに対して一番やってはいけない対応が、「要求に応える」ことです。

可愛い愛犬の要求なので、何とか応えてあげたいと思うのは飼い主の心情ですが、一度応えてしまうと「吠えれば要求が叶う」と覚えてしまいます。そうなると、以降も吠え続けるようになり、吠え癖がついてしまう原因になりかねません。

確かに、要求に応えればその時点え吠えことを止めるので即効性はありますが、将来的には遠吠えがエスカレートすることになるので、注意しましょう。

そのため、要求吠えに対しては無視を決めて、相手にしないようにしてください。それでも鳴き止まない場合は、部屋の外に出るなど一度愛犬の視界から消えてみましょう。要求する対象がいなくなれば吠えるのを止めるので、大人しくなったら戻って褒めてあげてください。

生活環境の見直し

遠吠えで問題となるものの1つが音です。愛犬が遠吠えすることで、外に音が漏れ騒音となり近隣への迷惑となります。また、外から聞こえてくる救急車やパトカーなどのサイレンの音に反応して、ワンちゃんが吠えることもあるでしょう。
こうした問題を解決するために、防音を施すなど生活環境を見直してみるのも有効です。

おもちゃなどで気を逸らす

遠吠えの止めさせ方として、他のものに意識を向けさせることも有効です。
ワンちゃんが吠え始めたら、おもちゃなどを与えて気を逸らせば、意識が別の物に向くので吠えることを止めてくれます。おもちゃ以外におやつでも有効ですが、与えすぎると肥満のリスクが高まるので、その点には注意しましょう。

まとめ

ワンちゃんにとって、遠吠えは自然な行動です。しかし、人間の社会で暮らすにあたり、無闇に吠えることは問題行動になり、近隣に迷惑をかけることになりかねません。
そのため、ワンちゃんを飼うのなら、遠吠え対策はしておく必要があるでしょう。

遠吠えをはじめ、ワンちゃんの問題行動は飼い主として解解決しなければならない問題です。こうしたしつけに関しては、ワンちゃんを飼育するプロであるブリーダーから一度お話を聞いてみるのもいいでしょう。どんな状況、どんな原因で遠吠えをするのか、詳しく教えてくれる強い味方になってくれます。

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