犬が甘噛みする意味って?心理としつけ方

多くの飼い主さんが頭を悩ませる、ワンちゃんの問題行動の1つが噛み癖です。
子犬の甘噛みであれば問題ないと考える方もいるかもしれませんが、まだ幼いうちにきちんとしつけておかないと噛み癖がついてしまい、将来誰かに怪我をさせてしまうかもしれません。
今回は、なぜワンちゃんは甘噛みするのか、理由や原因、対策となるしつけ方について解説いたします。

子犬が甘噛みをしてしまう理由とは?

犬が甘噛みする意味って?心理としつけ方
photo by birgl

子犬がじゃれ付いて甘噛みしてくるのは、よく見る光景でしょう。
しかし、将来のことを考えると、ただ可愛いと思っているだけではいけません。
では、子犬はどんな理由で甘噛みをするのでしょうか。

甘噛みってどんな噛み方?

ワンちゃんの甘噛みとは、主に子犬がじゃれて噛み付く行為です。犬という動物にとって、噛むという行為はごく自然なことなので、甘噛み自体は特別悪いことではありません。
子犬であればまだ力も弱く、本気で噛み付くわけではないので、手指を噛まれた程度なら我慢できるしょう。

なんで子犬は甘噛みをするの?

3週齢~8ヶ月齢頃は、ワンちゃんの歯が抜けて、乳歯から永久歯へと生え変わる時期です。この時期はムズムズする歯茎の感覚を収めるために、噛み付く欲求が強くなると言われています。

つまり甘噛みとは、子犬の歯の生え替わりや遊びの延長で、何かを噛みたいという欲求が高まって起こる行為なのです。

ワンちゃんは、この時期に噛んだ物をその後も噛み続けると言われています。反対にこの時期に噛まなかった物はその後も噛むことはありません。そのため、甘噛みをやめさせるには、この歯が生え変わる時期に噛み癖をつけないことが重要なのです。

成犬が甘噛みをしてしまう理由とは?

甘噛みは子犬だけが行う行為ではありません。中には、成犬になっても甘噛みが直らず、そのまま噛み癖となってしまっているワンちゃんもいます。
子犬であれば問題なかったものの、成犬になれば力が強くなるので、場合によっては大事になりかねません。

成犬の甘噛みは飼い主が原因?

「甘噛みは子犬特有の癖で、成犬になれば自然と直る」と考えている方もいるでしょう。しかし、歯の生え変わり時期に一度噛み癖が付いてしまうと、成犬といわれるほどに成長しても、甘噛みを続けてしまうかもしれません。

もちろん、全てのワンちゃんに当てはまるわけではありませんが、この原因として飼い主の行動やしつけが考えられます。

例えば、甘噛みのし始めに「子犬のやることだから」と軽く考え、叱ってやめさせることができなかった場合。また、ワンちゃんに「甘噛みをしたら飼い主が騒いで喜んでくれた」と勘違いさせてしまった場合です。

子犬の甘噛みはいつまで続く?

「甘噛みは成長すれば自然に直る」と考えている飼い主さんもいるでしょう。
もちろん、自然と甘噛みをしなくなる子もいますが、中には成犬になっても直らないこともあります。
では、子犬の甘噛みは、いつまで続くのでしょう。

子犬は甘噛みしても仕方ないかも

上述した歯の生え変わりの問題もあり、子犬が甘噛みしてしまうのは、ある程度仕方がないといえます。

まだ成長段階である子犬の時期は、物事の良し悪しを判断することができません。そのため、「単純に噛むことが楽しいから」「噛むと自分に注目してくれるから」といった理由で甘噛みしてしまうのです。

本来群れで生活するワンちゃんは、親や兄弟との触れ合いを通して、我慢などを学んでいきます。それが飼い犬の場合、飼い主が親や兄弟の代わりに、そうしたことを教えて行かなければならないのです。

甘噛みのしつけ方、叱り方

甘噛みは自然と直らないこともあるため、やはり子犬の頃にしつけておく必要があります。ではどのようにしつければ、ワンちゃんは甘噛みがやってはいけない行為と理解してくれるのでしょうか。

まずは生活環境の見直しを

子犬は目についたものを噛んでみたり口に入れたりして、自分の好奇心を満たそうとします。興味を持ったら匂いを嗅いで口に入れてみて、そのまま飲み込んでしまうかもしれません。

家具を噛んでダメにしてしまうだけでなく、場合によっては誤飲をして体調を悪くしてしまう可能性もあります。
こうした状況を作らないために、一度ワンちゃんの生活圏内の環境を見直してみるといいでしょう。

例えば、噛まれて困るものは高い場所や棚の奥に隠して、ゴミ箱はフタ付きのものにして、漁られないようにしてください。タンスやソファなど家具を噛んでしまうようなら、噛みやすいところに噛み癖を防止するためのスプレーを吹き付けるにも効果的です。

お散歩でストレス・エネルギーを発散

甘噛みは意外とエネルギーを使う行為です。そのため、お散歩や遊びでストレスを発散させたり、エネルギーを使わせて疲れさせたりすることで、噛むという行為をある程度抑えることができます。

甘噛みが気になるようなら、基本的に毎日の散歩は欠かさず、そのうえで時間や距離を長めにしてみましょう。散歩デビューしたばかりなら、満足するくらい思い切り室内で遊んであげるといいでしょう。

噛まれても無視

甘噛みを止めさせるためには、噛まれた時の対応も大切です。
なかには、甘噛みされても喜んでしまう飼い主さんもいるかもしれません。しかし、これでは噛み癖に拍車をかけることになってしまいます。

また、叱っているつもりでも、勘違いしてしまうこともあるかもしれません。こうなると、反応してしまうこと自体が悪い方向に向いてしまうので、いっそのこと叱ることを止めてしまうのも良いでしょう。
「叱っても効果がない」「「上手に叱ることができない」という場合は、噛まれても思い切って無視してください。
飼い主が構ってくれないことを理解すれば、次第に甘噛みの回数も減っていくでしょう。

覚えさせたい「ちょうだい」

噛み癖を直すために、「ちょうだい」を覚えさせておくと対応しやすくなるでしょう。
「ちょうだい」は、口にくわえたものを飼い主に渡すしつけで、ボールなどで遊ぶ時に使えるだけでなく、誤飲の予防にもなります。
「ちょうだい」ができていれば、噛み付いても自発的に口を離させることができるので、噛み癖を直すにも便利です。

「ちょうだい」は、おもちゃとおやつを利用して教えます。
おもちゃをくわえたワンちゃんの鼻先に、おやつを握った手を近づけて匂いをかがせながら、「ちょうだい」といい、おもちゃから口を離したらおやつを与え褒めてあげましょう。この時おもちゃは、背後など見えないところに隠してください。
特別しつけの時間を取るのではなく、普段からおもちゃで遊んでいる最中に練習するといいでしょう。

おもちゃやスプレーなど、グッズを有効活用

愛犬の噛み付き対策として、市販されている噛み付き防止スプレーを利用するのも良いでしょう。
このスプレーは、噛み付いた時に苦味を感じることで「噛んだら嫌なことが起きる」と、ワンちゃんに刷り込むことで、噛み癖の改善が期待できるグッズです。ソファなど、噛んでほしくない家具などに吹き付けることで、予防になります。
ただし、時間が経つと成分が揮発してしまうので、定期的に吹き付けるか、アルミホイルなどを巻いてカバーしておくと安心できるでしょう。

また、噛み付き欲を満たすために、専用のおもちゃを与えるのも有効です。
さまざまな素材・形状のおもちゃがあるので、愛犬の好みに合わせてあげれば、他のものには噛み付かなくなるでしょう。ただし、合わないおもちゃでは見向きもしてくれなかったり、場合によっては歯が割れてしまうなどの事故が起きたりするので、安全性などを確認したうえで与えてください。

このほか、長い時間噛んでいられるガムを与えるのも有効です。パッケージを見て、愛犬の月齢・年齢に合ったものを与えてください。

甘噛みをしつける際の叱り方

悪いことをしたら叱るのはしつけの基本ですが、誤解なく効果的にに叱るのは意外と難しいものです。それでなくても、ワンちゃんには言葉が通じません。そのため、叱る際はポイントを理解したうえで、一貫した叱り方を行う必要があります。

では、具体的にどのような叱り方をすれば良いのでしょうか?
重要なのは声の高さです。ワンちゃんは、高い声を「褒められている」と感じ、低い声を「叱られている」と感じる傾向があります。そのため、叱る時は意識して低い声で、短く一言で叱りましょう。

また、叱るタイミングも重要です。
間を置いて叱るとワンちゃんは何について叱られているのか理解できず、場合によっては違うことを叱られていると考えてしまいます。そのため、甘噛みを叱る際は噛んだその瞬間に叱るようにしましょう。

まとめ

子犬の甘噛みは可愛いものです。飼い主からすれば、噛まれても大して痛くはないので、そのまま放っておいたり、場合によっては褒めてしまったりする方もいるでしょう。

幼い頃はとにかく、これが成犬になっても続くようであれば、大事になりかねません。
「甘噛みくらい」と放っておかず、噛み癖をつけないために、今回の記事を参考にして子犬の頃からしつけてください。
どうしても無理と感じたら、早めに専門家に相談すことも、選択肢の1つとして用意しておくのもおすすめです。

しつけに関しては、一度ワンちゃんを飼育するプロであるブリーダーからお話を聞いてみるのもいいでしょう。多くのワンちゃんを飼育しているブリーダーなら、きっと的確なアドバイスをくれると思います。

ブリーダーナビでは、優良ブリーダーさんが大切に育てた子犬を多数掲載しております。気になる方は下記のボタンからご覧になってくださいね。

子犬を探す