発作が起きたらどうすればいい?
まずは落ち着いて様子を観察する
今まで元気だった愛犬が突然発作を起こしたら、苦しそうな姿に万が一のことを連想してしまう飼い主も多いでしょう。しかし、てんかんの発作が直接生命を脅かしたり、寿命を縮めたりするとは限りません。まずは落ち着いて、愛犬の様子を観察しましょう。
てんかん発作は、多くの場合は2~3分で落ち着きます。そのときワンちゃんは意識が混濁しているため、本気で咬まれる恐れがあるので決して触らないようにしてください。発作が治まったら、何事もなく普通に動き出すので「あれ?」と不思議に思うかもしれませんが、必ず動物病院で診察を受けましょう。診察の際は、発作時の様子や前兆となる行動を伝えると診察がスムーズに進みます。
もし発作が10分以上に及ぶ場合は、早急に動物病院に連れて行ってください。てんかん発作が連続し、さらに重複して起こる「重積」と呼ばれる状態に陥っている可能性があり、年齢や健康状態にもよってはそのまま昏睡状態が続き亡くなってしまうことも少なくありません。
前兆がなかったか思い返す
てんかんには前兆や初期症状がみられるといわれています。例えば、
・ぼんやりする
・ぐるぐる歩き回る
・ソワソワする
・よだれをたらす
・嘔吐する
・突然吠えだす
・壁にぶつかりながら歩く
・呼吸が荒い
・何かを追いかけるような行動
などが現れます。
しかし、前兆はそれぞれに異なります。前兆となる不可思議な行動をしていなかったか、改めて思い返してみてください。そして、何月何日何時頃、どのような発作を、どのくらいの時間起こしたのかなどを記録しておきましょう。
投薬治療のため長期的な通院が必要
てんかんは未だ明確な治療法が見つかっておらず、一度かかると長期的に通院して投薬を続ける必要があります。発作はいつ、どこで起こるか予測できないので、薬を与える飼い主の役割は非常に重要です。
てんかんは未だ明確な治療法が見つかっておらず、一度かかると長期的に通院して投薬を続ける必要があります。発作はいつ、どこで起こるか予測できないので、薬を与える飼い主の役割は非常に重要です。
薬を飲むことで発作を100%抑えられるわけではありませんが、その頻度が少なくなることが期待できます。薬を飲ませたり、飲ませなかったり、勝手に中断したりするのは非常に危険なので、必ず獣医さんの指示を仰ぐようにしましょう。
睡眠不足や室温に注意する
てんかん発作は、睡眠不足や気圧・気温の変化にも関係しているといわれています。睡眠不足を解消するために、愛犬が落ち着ける寝床を作ってあげましょう。また、天気が大きく崩れると発作が起こりやすくなるといわれているので、すぐに対応できるように準備しておくといいかもしれません。
さらに、過度に興奮すると発作が起こりやすくなるともいわれているので、興奮状態にさせないように注意しましょう。来客に興奮して吠えたり、激しく遊んだりした場合はこまめに休憩させてください。
そのほか、基本的に泳ぐことはNGです。万が一遊泳中に発作を起こしたら危険なので注意してください。
ひとりで留守番させない
てんかんと診断されたら、ワンちゃんだけで留守番させないようにしましょう。もし飼い主の留守中に発作が起きてしまったら、物にぶつかったり、高い場所から落ちたりする可能性があります。どうしても留守番させなければいけないようなら、留守中はケージやサークルの中で過ごさせ、移動範囲を限定するなど対策をしましょう。
また、見守りカメラを設置するのもおすすめです。留守中の愛犬の行動を把握して、異変があればすぐに対応できるようにしましょう。
まとめ
犬のてんかんについて解説しました。
てんかんの病気をもっているからといって、寿命が短くなるとは限りません。定期的に通院して薬を飲んでいれば、ほとんどのワンちゃんはほかの子と同じように普通に生活できます。大事なのは、愛犬の異変にいち早く気付くことと、早期に治療を開始することです。
てんかんの発作が治まった後に動物病院に連れて行くと、てんかんの状態を把握するために事細かに問診が行われます。獣医さんは実際に発作を見ているわけではないので、飼い主が症状や前兆、発作の様子を伝えなければなりません。そのためにも、日頃から愛犬をしっかり観察しておきましょう。
著者/ブリーダーナビ編集部