
可愛らしくカールした被毛を持つトイプードルは、抜け毛こそ少ないものの、ブラッシングは欠かせない犬種です。見た目の可愛らしさを維持するためだけでなく、皮膚病の予防にもなるため、日々のブラッシングが欠かせません。
しかし、ブラッシングを嫌がる子は多く、やり方が分かっていないとワンちゃんに過度なストレスを与えてしまうことになります。
ここでは、トイプードルにブラッシングをするための方法や、いつから始めればいいのかなど、詳しく解説していきます!
ブラッシング方法は?準備するものは?
トイプードルを飼ううえで最も大切なお手入れの1つがブラッシングです。しかし、必要性は理解していても、ペット初心者の方はどうすれば良いか分からないことも。
まずは必要なグッズや準備など、トイプードルのブラッシングの方法について確認していきましょう!
ブラッシングに必要なグッズ
グッズ名 | 用途 |
---|---|
コーム | 被毛のもつれや毛玉の有無をチェックする |
スリッカーブラシ | 絡んだ毛や毛玉をほぐす |
ピンブラシ | 仕上げに毛の流れを整える |
獣毛ブラシ | 子犬のブラッシング用 |
ハサミ | はみ出た毛や、長く伸びた毛のカット |
おやつ | 上手にできたときのご褒美 |
ブラッシングを始める前に
皮膚を傷つけないように、柄を下から支えるように軽く持ちます。握りしめると力が入ってしまい、ワンちゃんに痛い思いをさせることになるので、注意しましょう。
毛をかき分けて毛の根本からとかすように、毛並みに沿ってブラッシングします。
ブラシを押し付けないように、軽く皮膚を撫でるような感じで毛をとかしましょう。
トイプードルの被毛は『シングルコート』と呼ばれ、アンダーコートと呼ばれる下毛がない犬種です。そのため、アンダーコートを取り除くようなブラシを使ってのブラッシングはNG!台座にビッシリと針金のようなピンが付いた“スリッカーブラシ”を使用してあげましょう。
ブラッシングの手順
まずは愛犬が動かないように、テーブルの上など安定した場所に座らせましょう。手頃な場所がないようなら、座って抱きかかえて落ち着かせてあげてください。
本格的に全身をブラッシングする前に、絡んで毛玉になった箇所を丁寧にほぐしていきましょう。毛が絡んだままブラッシングをすると、痛い思いをさせることになってしまい、かといってハサミで毛玉を切ったり裂いたりすると、ケガをさせてしまう恐れがあります。
毛玉が頑固に固まっているようなら、指で揉みほぐしてからスリッカーを使い、根本からとかしてあげてください。
トイプードルは毛の量が多いので、片手で毛を掻き分けながらブラッシングすると良いでしょう。皮膚に押し付けないようブラシを軽く持ち、毛の流れに逆らってブラッシングしていきます。ブラシは皮膚面と平行に動かすようにすると、ワンちゃんに負担をかけません。
最初に背中から初めて、首元→お尻周り→顔周辺→お腹回りの順がおすすめです。
ワンちゃんは、顔付近を触られることを嫌がるため、耳を含めた顔周辺のブラッシングは特に手間がかかります。スリッカーをいきなり目の前に出すと驚かせてしまうので、まずは柔らかい獣毛ブラシでブラッシングをしてから切り替えると良いでしょう。
ブラシは鼻先から頭頂部に向けて動かすと、きれいにとかすことができます。
耳の表面や耳の付け根も忘れずにブラッシングしてあげてください。
ワンちゃんにとってお腹は急所なので、触ることすら嫌がる子もいます。そのため、お腹のブラッシングは顔と同等以上に丁寧に行ってください。
お腹をスムーズにブラッシングするためには、リラックスしてもらうことが大切です。抵抗するようならお腹をやさしく撫でて落ち着かせてください。
リラックスしてきたら、撫でた感じのままスリッカーで毛をとかしていきましょう。
スリッカーで全身の毛をとかしたら、最後にコームを使って毛並みを整えます。毛をかき分け根本から毛先に向かってゆっくり動かし一箇所ずつチェックして、やり残しがないかチェックしましょう。
引っ掛かりを感じたらスリッカーで再度ブラッシングしてください。
最後までブラッシングできたら、ご褒美のおやつをあげて思い切り褒めてあげてください。
一連の流れを覚えると、「ブラッシングをするといいことがある」と認識して、少しずつブラッシングへの抵抗がなくなってくれるでしょう。
いつからブラッシングすればいい?
トイプードルにはブラッシングは欠かせないお手入れです。では、子犬を迎えていつ頃からブラッシングを始めれば良いのでしょうか。また、どのくらいの頻度でお手入れをするべきなのでしょうか。
ブラッシングを始めるタイミング
トイプードルの子犬へのブラッシングは、生後2~3ヶ月頃から始めていきましょう。
子犬の頃は毛玉になりにくいので、必要性はそこまで高くありませんが、幼い頃からスリッカーやコームに触れさせておけば、将来的にブラッシングがやりやすくなります。
ワンちゃんによってはブラッシングを嫌がるので、その場合は無理をせず、体に触られることやブラシに慣れさせることを優先してください。
ブラッシングの頻度は?
トイプードルへのブラッシングは、基本的に1日1回が目安です。
クルクルとカールしたトイプードルの特徴的な被毛をきれいに保つには、毎日ブラッシングするのが理想ですが、難しいようなら最低でも2日に1回は行うようにしましょう。
これ以上長い間ブラッシングせずにいると、被毛がもつれて絡まったり毛玉になったりして、皮膚炎などの病気になる恐れもあります。
また、湿度の高い時期は蒸れやすいので、梅雨の時期や夏場などは特に意識して丁寧にブラッシングを行い、皮膚と被毛の通気性を良くしてあげましょう。
ブラッシングをしないとどうなる?毛玉が…
トイプードルは、抜け毛は少ない犬種ですが、クルクルとカールした被毛は細く柔らかいため、絡まりやすく毛玉になりやすいという特徴があります。
では、ブラッシングをしないでいるとどうなってしまうのでしょうか。
毛玉はどのような健康被害を及ぼすの?
- 毛玉にノミやダニなどの寄生虫が住み着く
- もつれた被毛が皮膚を引っ張り、皮膚に傷がつく
- ホコリや泥汚れが落ちづらく、皮膚炎になりやすい
- 通気性が悪くなり、湿疹などの原因をつくりやすくなる
- ブラッシングを嫌がり、スキンシップが取れなくなる など
ブラッシングを嫌がる場合の対処法
ブラッシングをはじめ、お手入れを嫌がるワンちゃんは少なくありません。
では、愛犬にブラッシングを嫌がられず、受け入れてもらうにはどんなことを心がければよいのでしょうか。
ステップ①「ブラシに慣れてもらう」
見慣れない物を警戒するワンちゃんは多く、ブラシなどの道具も例外ではありません。
こういう子には、ブラッシングの前段階として、ブラシが怖いものではないことを理解してもらう必要があります。
ブラシを近づけるのではなく、トイプードルが見える場所に置いておき、ブラシという存在に慣れてもらいましょう。日常的に置いてあれば、それが普通だと思うようになり、ブラシに対する抵抗がなくなります。
ステップ②「ブラシで体を撫でる」
ブラシの存在に慣れたら、ブラシが体に触れることに慣れてもらいましょう。
ブラシ面以外を体に触れさせたり、毛の表面をブラシで撫でてみたりすることで、ブラシが触れても警戒しなくなります。
背中から始めて慣れてきたら範囲を広げていき、嫌がる素振りを見せたらすぐに中止してください。長くても、2~3分くらいが良いでしょう。
ブラッシングの際の注意点
ブラッシングの際は、力を入れずに優しくブラシを動かしてください。力を入れると、地肌を傷つけてしまったり絡んだ毛を引っ張ったりして、ワンちゃんに痛い思いをさせてしまいます。
握ると力が入ってしまうので、筆を持つように支えれば、自然と力が抜けてちょうど良いでしょう。
愛犬が飽きたり嫌がったりするようなら、一旦終了して時間を置いて再開してください。一度で終わらせる必要はないので、トイプードルの都合に合わせて、少しずつ進めていきましょう。
まとめ
トイプードルを飼ううえで、ブラッシングは欠かせないお手入れです。
トイプードルのカールした特徴的な被毛は、お手入れを欠かすとすぐに絡んで毛玉になってしまうので、今回の内容を参考に、可能であれば毎日ブラッシングをしてあげましょう。
著者/ブリーダーナビ編集部