photo by Yasuhiko Ito
愛らしい見た目と飼いやすさから、トップクラスの人気を誇るトイプードルですが、日本に限らず世界的に見ても人気がある犬種です。
しかし、その歴史に関してはあまり知られていません。
今回は、トイプードルはどのようにして生まれたのか、その歴史について解説していきます。
トイプードルの歴史は?原産国(先祖)は?
正式名称 | トイ・プードル |
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原産国 | フランス、中欧 |
サイズ | 超小型犬 |
平均体高 | 24~28cm ※25cmがベスト |
平均体重 | 3~4kg |
プードルの起源については不明な部分が多いため、原産国を特定することは難しいものの、フランスを代表する犬種であることからフランス原産とされることが多いようです。
しかし、歴史的には発祥はロシアまたは中央アジア北部ではないかと考えられており、その後ヨーロッパを横断し地域の犬と交雑されながら、最終的にドイツからフランスへ入ったというのが最も有力な説となっています。
トイプードルはいつからいたの?
現在はトイプードルを含め4つのサイズが存在するプードルですが、原種は大型犬に該当するスタンダード・プードル。
次第にプードルは小型化され、愛玩犬としてフランス上流階級の間で人気を博すことになります。トイプードルがいつ頃から存在したかは明確ではありませんが、15世紀のドイツの画家アルブレヒト・デューラーの版画の中にミニチュアプードルまたはトイプードルのような小さい犬が登場していたことから、15世紀にはすでに存在していたのではないかと考えられています。
18世紀には宮廷画家ゴヤの絵画にも登場しており、その頃には熱心なブリーダーが品種改良を加えてトイプードルを作出していたと考えられています。
「プードル」という名前の由来
現在はプードルといえば、フワフワの可愛らしいあの姿がすぐに思い浮かびますが、プードルという名前はなぜ、どうやって付けられたのでしょうか?
プードルはドイツ語が由来?
プードルという名前は、水たまりを意味するドイツ語の「プデル」が語源とされています。
水たまりという言葉からイメージする通り、プードルはもともと泳ぎが得意な犬種で、鴨狩りをする水猟犬として活躍していました。そのため、フランスでは「カニシュ(鴨を獲る犬)」という別名で呼ばれることもあるそうです。
人間に寄り添うトイプードルの歩み
photo by Koji Ishii
現在あらゆる犬種のなかでも人気が高いトイプードルですが、昔から今のような愛玩犬だったわけではありません。
ここでは、トイプードルが愛玩犬として人間に寄り添うようになるまでの経緯などをご紹介します。
もともとは猟犬だった?
トイプードルはとても賢く、知能が高い犬種です。事実、ブリティッシュコロンビア大学が行った犬種ごとの知能を比較する研究によると、トイプードルの知能の高さは、ボーダー・コリーに次ぐ第2位という結果が出ています。
こうした賢さを活かして、上述した通りプードルは過去に水猟犬として活躍していました。
また、さまざまな犬種の中でも特に鋭い嗅覚をもつプードルは、高級食材であるトリュフを探す探知犬としても働いていました。トリュフが自生している場所を探索するのは、ミニチュアまたはトイプードルで、イギリスで始まったこの仕事はやがてフランスやスペインでも広まったそうです。
そのほか、軍用犬や病院などを訪問するアニマルアシステッドセラピー犬としても活躍。警察犬として採用されることもあるなど、トイプードルはその賢さや器用さを活かして、単なる愛玩犬とは一線を画した多様な働きをみせています。
さらに現在では、介助犬や聴導犬など活躍の幅を拡大しており、トイプードルは知能・能力の高さを活かして、我々人間の役に立ってくれているのです。
フランス貴族を魅了した犬種
プードルは、起源に不明な部分が多い犬種ですが、その人気に火が着いたのが16世紀頃のフランスであることから、現在はフランス原産の犬種といわれています。
プードルは、そのお洒落なルックスや優雅さから、特に貴族の女性から人気を博していました。貴婦人をたちまち虜にしたプードルは圧倒的な支持を集め、現在はフランスの国犬と呼ばれるまでになりました。
この人気の高さから、もともとのサイズであるスタンダード以外にも、愛玩犬としての飼いやすさを求めてより小さなサイズのプードルが作出されることになったのです。
「フレンチプードル」という別呼称があることからも、フランスでの人気の高さがうかがえるでしょう。
過去には絶滅の危機も
日本では人気犬種ランキングでも常に上位という、高い人気を誇るプードルですが、過去のアメリカでは絶滅の危機に瀕したことがあったのです。
もともとアメリカでは、プードルはお世辞にも人気がある犬種ではありませんでしたが、1920年代後半になると、アメリカではプードルの人気が急落。特に北アメリカでは犬種として絶滅の危機にまで追いやられたようです。
しかし、1930年代になると少しずつ人気は持ち直し、現在の人気犬種としての地位を築くに至りました。
まとめ
現在は高い人気を誇るトイプードルですが、その起源はまだ分からない点が多いです。
しかし、ローマ皇帝の記念碑に彫刻が施されていたり、時代を代表する有名画家たちが描いたりしていることから、古くから私たちの身近に存在し、愛されていたのだということが分かります。
今回の記事をご覧になり、トイプードルの歴史を知れば、より愛着がわくのではないでしょうか。
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著者/ブリーダーナビ編集部