ワンちゃんを飼ううえで、被毛のお手入れは欠かせません。
シーズーは長く美しい被毛が特徴ですが、しつけの面でもお手入れの面でもとても飼いやすく、初心者に向いた犬種といわれています。
この記事では、抜け毛をはじめとしたシーズーの被毛のお手入れについて解説していきます。
シーズーの抜け毛は多いの?
ワンちゃんの中には、抜け毛が多く毎日ブラッシングが欠かせない犬種も少なくありません。しかし、逆に、抜け毛が少ない犬種というのも存在し、シーズーもそんな中の1種です。抜け毛が少ないということは、その分お手入れの手間がかからないということなので、飼い主からすれば楽に思うかもしれません。
シーズーの抜け毛が少ない理由
シーズーといえばその長く美しい被毛が特徴ですが、その見た目から抜け毛が多いと思われがちです。しかし、実はシーズーは抜け毛の少ない犬種なのです。
では、なぜシーズーは抜け毛が少ないのでしょうか。
シーズーの祖先といわれているラサアプソは、チベットの厳しい自然環境に適応して長い体毛を手に入れたといわれています。
そんなラサアプソの血を受け継いだシーズーの長い体毛は、寒さから身を守る防寒着のようなもの。身を守るための被毛が簡単に抜けてしまっては困ることを考えると、シーズーの抜け毛が少ないのも自然なことなのでしょう。
シーズーの抜け毛・被毛のお手入れ
ワンちゃんの大事なお手入れの1つに、被毛のケアがあります。
特にシーズーは被毛に特徴がある犬種なので、飼い主としては丁寧にお手入れしてあげたいところ。この項目では、被毛のお手入れの代表といえる、ブラッシングとシャンプーを説明します。
ブラッシング
シーズーの長く美しい被毛を維持するには、毎日のブラッシングが欠かせません。
ブラッシングする際は、ピンブラシやスリッカーブラシ、コームなど数種類のブラシを駆使して、愛犬をきれいにしてあげましょう。
まずはスリッカーで抜け毛を取り除いていきます。毛玉やもつれで引っかかりがあるようなら、ピンブラシで優しくほぐしてあげましょう。
無理やりすると毛が抜けてしまい痛い思いをさせることになるので、力は入れずに丁寧にほぐしていきます。
最後に、コームを使って全体の毛の流れを整えましょう。シーズーの長い被毛は、流れを
整えることで一段と美しさが引き立ち艶も良くなります。
適度なブラッシングにはマッサージ効果もあるので、愛犬とのスキンシップもかねて毎日行ってあげましょう。
シャンプー
ワンちゃんの皮膚は人間よりも弱いため、毎日行うのは逆効果ですが、それでも美しい被毛を保つため、皮膚の清潔さを保つためにも、定期的なシャンプーは欠かせません。
自宅でシャンプーをする際、注意したいのはお湯の温度です。ワンちゃんの皮膚は人間よりも薄いため、少し温めの37~38℃くらいが適温になります。
また、人間用では刺激が強いのでシャンプーは必ず犬用のものを使いましょう。
顔が濡れることを嫌がる子は多いため、お湯をかける際はお尻のあたりから始めて、顔付近はできるだけ短い時間で終わらせるようにしてください。
洗い終えたらシャンプーをすすいでいきますが、シーズーのような長毛の犬種は、シャンプーが残りやすいので、洗う以上に丁寧に行いましょう。
同様に、乾かす際も生乾きの箇所がないようにドライヤーで手早く根本までしっかり乾かしてください。濡れている時間が長いと体が冷えてしまい、生乾きのままだと雑菌が繁殖する原因となり皮膚に悪い影響が出てしまいます。
もしも自宅でのシャンプーが難しいようなら、トリミングと合わせてプロにお任せしましょう。
シーズーにカットは必要?
photo by K Yago Yim
シーズーといえば、長い特徴的な被毛でしょう。しかし、長い毛はやはりお手入れが大変なのも事実。では、シーズーの被毛にカットは必要なのでしょうか。
トリミングサロンにお願いできることと通う頻度
近年、お手入れの観点からシーズーの被毛を短くカットする飼い主さんも増えてきています。とはいえ、「シーズーはやはり長毛」と考える方も根強いので、ロングとショート、どちらが好みかによってトリミングサロンでお願いする内容も変わってくるでしょう。
シーズーにおすすめのメニューは、シャンプーとカットです。シーズーの毛は放っておくと伸び続けてしまうので、ロングのままでも月1回を目安に、ある程度伸びたらカットしてもらいましょう。
そのほか、爪切りや肛門腺絞り、耳掃除といったお手入れもお願いすることができます。どれも自宅でできるお手入れではありますが、苦手意識がある方は、一度プロにやり方などを相談してみると良いでしょう。
シーズーの抜け毛は病気の場合も
ここまで紹介してきたように、シーズーは見た目に反して抜け毛が少ない犬種です。
しかし、病気など何かしらの理由があると急に抜け毛が増えてしまい、場合によっては地肌が見えてしまうようなことになりかねません。
ここでは、シーズーの抜け毛が増える原因と、その対策について解説します。
皮膚病による抜け毛の可能性
シーズーは他の犬種と比べ、過剰な皮脂の分泌が原因で皮膚疾患になりやすい傾向があります。皮膚疾患を患うと、本来なら毛が抜けにくいシーズーでも、激しい脱毛を生じてしまいます。
特にシーズーが注意すべき皮膚疾患は、『マラセチア』『脂漏症』『膿皮症』です。
シーズーは確かに初心者でも飼いやすい犬種ですが、こうした病気の可能性を考慮していないと、後々「こんなはずじゃなかった」ということになりかねないので、気を付けましょう。
飼い主ができる対策
通常なら抜け毛が少ないシーズーなので、抜け毛が気になるようなら病気など何かしらの異常があると考えた方が良いでしょう。
まず考えられるのが、皮脂の過剰分泌による皮膚トラブルです。
皮脂の分泌を抑え、皮膚トラブルを防ぐには、スキンケア用のフードを与えたり、定期的なトリミングをしたりするなど、清潔な状態を保つことが大切です。
長い被毛の内側は湿度が高く蒸れやすいので、暑い時期などは毛を短くカットするといいかもしれません。
飼い主さんの好みもあるので、一概におすすめはできませんが、体調や季節に応じてプロに相談してみるのも良いでしょう。
まとめ
シーズーは抜け毛が少ない代わりに、放っておくと毛が伸び続ける犬種です。そのため、他の犬種とはまた違ったお手入れが必要になるでしょう。
また、シーズーはその特徴から、比較的皮膚に異常が起きやすい犬種なので、今回の記事を参考に、皮膚と被毛の健康を維持できるよう丁寧にお手入れしてあげてください。
抜け毛対策以外のシーズーのお手入れに関しては、下記リンク先のページで詳しく解説しています。しつけや食事、散歩など、初心者向けの内容となっているので、こちらも参考にしてみてくださいね。
非公開: 【初心者さん向け】シーズーの飼い方は?価格や必要なものも
著者/ブリーダーナビ編集部