柴犬の平均寿命はどのくらい?
柴犬の寿命は12歳~15歳くらいと言われています。
意外と長い?それとも短い?ほかの犬種と比べてどうなのでしょうか?
大切な愛犬には、平均寿命を超えてずっと長生きしてほしいですね。
もちろん、長生きしてくれても、寝た切りではなく、最期まで健康でいてくれることが一番の願いのはずです。
健康で長生きする柴犬は、どんな暮らしをしているのか?その秘訣を探りました。
柴犬は寿命が長めの犬種
柴犬の寿命は、ほかの犬種と比べて果たして長いのでしょうか?ペット保険会社のアニコム損保による犬種ごとの平均寿命ランキングによれば、柴犬は4位にランクイン。
一般的に長生きと言われる小型犬と比べても、中型犬の柴犬は、かなり長寿な犬種であることは間違いないでしょう。
順位 | 犬種 | 平均寿命(歳) | 体格 |
---|---|---|---|
1位 | イタリアン・グレーハウンド | 15.1 | 小型 |
2位 | ミニチュア・ダックスフンド | 14.7 | 小型 |
2位 | トイ・プードル | 14.7 | 超小型 |
4位 | 柴犬 | 14.7 | 中型 |
5位 | パピヨン | 14.4 | 小型 |
出典:アニコム損害保険株式会社
世界一の長寿犬は柴犬!長生きの秘訣は?
実は、長寿犬として、日本の犬がギネスに認定されたことがあることをご存知ですか?その名は「プースケ」ちゃん、なんと当時26歳8か月です。このプースケちゃん、実は柴犬のミックス犬だったのです。
残念ながら2011年に亡くなってしまいましたが、老衰で亡くなる直前まで、餌も自力で食べ、散歩もしていたというのですから驚きます。ただ長生きしただけではなく、健康長寿であったことがわかりますね。
長寿柴犬に学ぶ長生きの秘訣
比較的長生きする犬種である柴犬ですが、中でも20歳を超えるような「超」長寿な柴犬もいます。人間に換算すれば100歳越えです。
ここでは、ギネス犬のプースケちゃんをはじめ、20歳以上の有名な長寿柴犬の飼い主さんが語る長生きの秘訣をみてみましょう。
栃木のプースケちゃん
参考 ぐらんわん イキイキ大賞ぐらんわん!
純粋な柴犬ではありませんが、柴犬のミックス犬(雑種)のオス・プースケちゃん。26歳8か月、人間でいえば125歳以上生きた超長寿犬で、ギネスブックに認定されました。その世界一の秘密を探ってみましょう。
長寿の秘訣として、飼い主の篠原さんは「ストレスをかけないこと、歯石をつけないこと、耳を触ること」と語っておられます。
プースケちゃんは外飼いであり、餌は市販のドライフードだといいます。また、犬の健康にはNGとされる、おやつや、人間用のケーキも好んで食べていたようです。
10歳からは2年に1度歯石を取っていることから、歯の健康は大切にしていたようですが、これといって特別健康に気を使っている、という感じは受けません。
やはり、飼い主さんが言う通り「ストレスをかけない」ように、のびのびと飼うことが大切なのかもしれません。
人間でいえば140歳くらいだというのに、とてもそうは見えない若々しい見た目をしています。毛艶がよく、瞳も輝いており、見るからに健康であるとわかりますね。
神奈川のももちゃん
参考 老犬と暮らす・・・163回目おばあちゃん犬❤柴犬ももと湘南暮らし
飼い主さんは、ペット保険会社アニコムから長寿の秘訣について尋ねられた際、「はっきりした答えはない」としたうえで、しいていえば「10歳以降月に2度獣医さんに行き、半年に一度の検査を行っていた」と答えられています。
小さな変化も見逃さず、獣医さんに相談していたこともあげています。
爪切りやシャンプーも同じ獣医さんにお願いしていたとのことで、かかりつけ医を作ることがいかに大切かわかります。
大阪のワカちゃん
参考 柴犬ワカ21歳!アメーバブログ
21歳という長寿で大往生したワカちゃん。
長生きの理由を、ブログに丁寧に書いてくださっています。
「年齢に合わせて少な目の時間で散歩していたこと」「太らせなかったこと」そして「ストレスを与えないようにしていたこと」をあげられています。
餌も最後までしっかり食べていたようですね。
ブログには「色々と病気にかかったこともあり、特別に体が強かったわけではない」とも綴っています。
長寿の秘訣、共通点は…?
さて、長寿の秘訣ですが「意外と普通」と感じます。
いずれの飼い主さんにも共通するのは、長生きさせるために特別気を使っているわけではない、ということです。
例えば…
高価な餌やサプリメントを与えているとか、手作りフードをや無添加食品にこだわっているとか、自宅を犬用に改築して生活環境に気を配っているとか、ましてやジムや温泉といった最新犬用施設に通わせていたとか…そういった、お金や手間がものすごくかかるような、真似できないようなものは見られません。
また、生まれつき特別体が丈夫だった、けがも病気をしなかった、というわけではないようです。
プースケちゃんは、なんと23歳という高齢になってから事故で瀕死の重傷を負いましたが、そこから復帰したという驚きの経歴も持っています。
一般的に言われる犬の長生きの秘訣と異なる部分も、共通する部分もあります。これを踏まえて、一度愛犬の寿命、それも健康寿命を延ばす秘訣を考えてみましょう。
柴犬に健康に長生きしてもらう方法
一般的に言われている愛犬の健康長寿の秘訣を、長生き柴犬に学びながら見てみましょう。
散歩をしっかり行う
スタミナのある柴犬は、最低朝晩2回、各30分以上のお散歩をさせたい犬種です。
もちろん、狭い室内で飼っている場合と、庭で放し飼いにしている柴犬で必要な散歩量は異なりますので、柴犬の様子を見て適切な距離・時間を検討しましょう。目安は、散歩の後、柴犬が心地よい疲労感を感じてくつろいだり、夜ぐっすり眠ったりする程度の運動量を目指すことです。
荒い息を吐いてへとへとになっていたり、反対に、運動不足で暴れたり騒いだりするようなら調整が必要です。
夏場は熱中症に十分注意し、暑い日中の外出は避けましょう。
また、柴犬の飼い方については下記ページでまとめています。気になる方はぜひ参考にしてみてください。
初心者向け柴犬の飼い方
信頼できる獣医さんを見つける
20歳の柴犬ももちゃんは、月に2度獣医さんの元に連れて行き、さらに半年に1度の健康診断を受けていたといいます。
愛犬の様子を普段からよく知っていてくれる獣医さんの存在や、何かあればすぐに駆け込める行きつけの動物病院の存在は、長生きにとって大切な要素です。
<動物病院を選ぶ際のポイント>
①愛犬仲間の口コミを参考に!
②ペット保険に加入していれば使用できるかどうか
③清潔かどうか
④治療方法を分かりやすく説明してくれる
⑤時間外の診療に応じてくれる病院や訪問診療がある病院も探しておく
口中環境を良好に保つ
長寿の犬は、年をとってもよく餌を食べているという共通点がありましたね。
犬はあまり虫歯になりませんが、歯垢が原因で歯周病にかかることがあるため注意が必要です。歯周病により歯を失うと、食べ物を食べづらくなります。人間と違って、犬の差し歯や入れ歯は一般的ではありません。
そのため、もとの歯をどれくらい残せるかは、一生自力で餌を食べられるかどうかにも関係します。
歯石が付かないように歯磨きを行い、もし歯石が付いてしまったら獣医師に相談しましょう。
柴犬の歯磨きについては下記の記事をご覧ください。
避妊や去勢手術をする
賛否のある避妊、麻酔や肥満リスクを考えると受けさせないほうがよいという意見もあります。一方、性ホルモンの影響によるストレスが軽減することが期待できます。さらに、避妊手術の副産物として生殖器の病気や、メスなら乳腺の病気にかかる可能性を減らせるともいわれています。
一方、世界一の長生き犬プースケちゃんはオスですが、去勢はしていません。
とはいえ、病気にかかる確率を減らせると考えると避妊、去勢にはメリットがあるといえるでしょう。
食事に気を配る
犬に必要な栄養素が取れるドッグフード、特にドライフードを与えることが一般的にはよいとされています。一方、手作りのご飯だけを与えて長生きさせている飼い主さんもいます。
犬の餌も品質にこだわった高級なものもありますが、長寿犬のプースケちゃんは市販のドッグフードを食べていたというように、良い餌をあげなければ長生きできないということはないのです。
適量を与え、おやつを与えすぎず、太らせないようにすることが重要です。
昔の日本の犬たちは、みそ汁をかけたご飯や、人間の残飯を食べていたといいますが、あまり長生きではありませんでした。そのため、塩分や油分の多い、人間と同じ食材を与えることはよくありません。
ストレスをためないようにする
長寿犬の飼い主さんが口をそろえて言うように、愛犬にストレスをかけないことが、健康長寿への一番の秘訣なのではないでしょうか。
柴犬はべたべたしつこくされるのを好まない犬種です。しかし、ひとりぼっちで長い時間放置されるのも苦手です。適度な触れ合いと、一匹でくつろげる場所や時間も与えてあげることが大切です。
老犬になったらどんなことに気を付ける?
中型犬である柴犬は、およそ7~8歳頃からいわゆる「老犬(シニア犬)」といわれるようになります。シニアになれば、若い頃に比べ体力の衰えや傷病のリスクが心配されるようになるでしょう。
では、愛犬にいつまでも健康に長生きしてもらうためには、どのような点に気を付けて生活していけばいいのでしょうか?
認知症にさせないために
人間と同様、ワンちゃんも認知症になることをご存知でしょうか?
柴犬は、ほかの犬種と比べて病気などのリスクは比較的低い傾向にありますが、唯一、認知症(痴呆症)のリスクに関しては発症率が高いそうです。
柴犬に関わらず、日本犬は洋犬と比べて認知症になりやすい傾向にあるといわれていますが、その原因は魚類中心から肉類中心に変わった食生活にあるといわれています。魚類には、老化を抑える「DHA」と「EPA」という成分が含まれているのですが、それらを摂取する機会が少なくなったことで、認知症の発症リスクが高くなったのです。
柴犬の認知症に関しては、下記ページに予防法なども含めてで詳しく解説しています。愛犬が年齢を重ねて高齢になる前に、予防できるようにするといいでしょう。
若い時以上に精神面のケアを
ワンちゃんも高齢になるとストレス耐性が低くなるため、若い頃よりも意識してストレスを発散させてあげる必要があります。
ストレスを溜めたままでいると、健康を害することにもなりかねません。そのため散歩や遊びなど、適度な運動でストレスを発散させるといいでしょう。
また、老化による身体の衰えから、それまでと同じ生活にストレスを感じるようになることもあります。「耳の聞こえが悪くなった」「目が見えづらくなった」ことで、雷や花火などの大きな音や環境の変化が、老犬にとってはストレスになりかねません。
身体的なものだけでなく、恐怖や不安といった心理的ストレスの原因も、可能な限り取り除いてあげるといいでしょう。
まとめ
あらゆる犬種の中でも、長寿の部類に入る柴犬ですが、長生きしてもらえるならどこまで生き続けてほしいと思うのが飼い主の本音ではないでしょうか?
そのためには、老後のことも考えて、日々の食事・運動管理やストレスケアといった健康への配慮が欠かせません。
愛犬の健康長寿のために、今回ご紹介した内容を参考に生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか?
ブリーダーナビでは全国の優良ブリーダーさんが愛情を込めて育てている柴犬を掲載しています。
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著者/ブリーダーナビ編集部