柴犬の食事量や回数は?子犬、成犬、老犬別

柴犬の食事量や回数は?子犬、成犬、老犬別

愛犬の健康を考えるなら、食事環境や肥満予防など、体重の管理は絶対に必要です。

それでは具体的に、柴犬の食事量や与える回数はどのくらいにすればいいのでしょうか?
子犬期、成犬期、老犬期別に食事について詳しく解説していきます。

柴犬に与える食事の回数や量

成犬の柴犬が1日に必要な摂取カロリーは、体重1kgあたり約50kclが目安となります。これを基準に、成長期には多めに、高齢期は少なめにするなど、量を調節して与えるといいでしょう。

食事量の基準は?

愛犬を痩せすぎ、太りすぎにさせず、健康を維持するためにも、食事は適切な量を与えるようにしたいところです。

多くの場合、与えるべき食事量はBCSで求められる理想体重に対して表示されています。
理想体重を知りたい方は、獣医師に相談してください。適切なペットフードの量は、パッケージに記されている食事量を確認するといいでしょう。

季節や運動量でも必要なエネルギー量は変わるため、定期的に体重を測り理想体重を維持できるよう食事量を調整すれば、より安心できると思います。
参考 「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」環境省

子犬期(生後12ヶ月頃)の食事

柴犬も人間と同様、成長するに従い食事の量・回数は変化します。特に変化が著しいのは子犬の時期で、日に日に成長する愛犬の変化に合わせて対応していきましょう。

この際、一度の量を少なくして、回数を分けて与えるようにしてください。
子犬の頃は、消化器官などの内臓の機能も十分に発達していないため、成犬と比べて食べ物を消化する力がとても弱いです。そのため一回に与える食事を無理なく消化できる量に抑えて、その分回数を増やすことで必要な量を与えるようにするといいでしょう。

月齢1日の食事量1日の食事回数
生後4~5ヶ月約165g3回
生後6~7ヶ月約180g2、3回
生後8~9ヶ月約165g2、3回
生後10~12ヶ月約155g2、3回

成犬期(1~10歳まで)の食事

子犬期と違い、成犬期はカロリーの高い食事は必要なくなります。また、内臓も成長して食べ物の消化に不安がなくなることで、1日の食事回数も安定して2回で良くなります。
詳しくは、下の表をご覧ください。

年齢1日の食事量1日の食事回数
1~10歳75~190g2回

1日の食事量に75~190gと開きがあるのは、柴犬の体重の違いが要因です。そのため、仮に体重が5kgなら75g~120g、10kgなら90~190gというように、愛犬の体重に合わせて食事量を調整してください。

また、運動量の違いも食事量に影響を与えます。
当然ですが、運動量が多ければそれだけのエネルギーを必要とするので、食事量は多くなります。その場合、表に記載された量よりも多くなることもあると思いますが、気にする必要はないでしょう。

老犬期(10歳~)の食事

老犬になってくると消化機能が衰えてくるため、1度に食べる食事の量を減らすようにするといいでしょう。1日2回だった回数を、3~4回に分けてこまめにあげると安心です。
1日の食事量自体も少なくなりますが、ワンちゃんの様子を見ながら調整してください。

また、老犬になって気を付けなければならないのは、量や回数以上に食べ物の柔らかさです。消化機能だけでなく、噛む力や飲み込む力も弱くなるので、飲み込みやすいように手を加えてあげるといいでしょう。
例えば、ドライフードならミキサーで砕いて細かくしたり、お湯でふやかしたりなどしてください。

年齢1日の食事量1日の食事回数
10歳~75~150kg3、4回

食事量はうんちで確認?

ワンちゃんの食事量は、同じ体重、同じ年齢だからといって必ずしも同じとは限りません。運動量など、その他の要因も絡んでくるので、必要なエネルギー量には差が生まれるのです。

現在の食事量が適正かどうかは、「うんちの状態」を確認することで判断できます。
例えば、うんちが柔らかすぎるようなら食べる量が多すぎ、硬いようなら量が不足していると思われます。適切な量を与えている場合、ティッシュなどでウンチを摘まみ上げて、トイレのシートに少し跡が残るくらいの軟らかさのうんちになります。

とはいえ、ワンちゃんの体調や食事の内容でもうんちの状態は変わるので、そうしたことも考慮して判断するようにしましょう。

柴犬がご飯を食べてくれない!そんなときは

生物が生きるために、食事は欠かせません。しかし体調不良などの理由で、フードを食べてくれない場合があります。
では、そうした場合はどうしたらいいのでしょうか?

ご飯を食べない原因を探る

柴犬と一緒に生活していれば、「突然食べなくなった」「食いつきが悪くなった」ということもあるでしょう。考えられる理由は大きく3つ、「体調不良」「ストレス」「フードに興味をなくした」のどれかがほとんどです。

原因ごとの対処法

・体調不良
ごはんを食べないだけでなく、「水を飲まない」「元気がない」ようなら、ケガ、もしくは病気など体調不良が考えられます。「少し食べないだけだから…」と甘く考えずに、手遅れになる前に動物病院に連れていきましょう。場合によっては、腎不全などの命に関わる病気の可能性もあります。
特に高齢になると病気を患う可能性が高くなるので、日頃から気にかけてあげましょう。

・ストレス
飼い主が気付かないうちにストレスを溜め込んでいることもあるので、ご飯を食べなくなったと思ったら、生活を振り返ってみるといいでしょう。例えばしつけで叱った、引っ越して生活環境が変わったなど、何かしらの原因があると思います。
原因が判明したら、ストレスの元から遠ざけて、安心して暮らせる環境を整えてあげてください。

・フードに興味をなくした
ワンちゃんは、「同じフードに飽きた」「もっと美味しい物が食べたい」などの理由で食事をしなくなることもあります。

・ドッグフードの代わりにおやつを与えた
・色々なトッピングをしている
・頻繁にドッグフードを変えている

このようなことをしていると、食に対してわがままになる可能性があるので注意してください。出しっぱなしはNGですが、食べるまで出し下げを繰り返してきちんと食べてもらいましょう!しばらくすると、お腹が空いて必ず食べるようになります。
また、与えているフードが無添加の場合、鮮度が落ちるのが早いのでその点も気を付けるといいでしょう。

ドッグフードと手作りご飯はどっちがいい?

一般的に、ワンちゃんに与える食べ物といえば、市販のフードという人がほとんどでしょう。ですが、ワンちゃん用とはいえ食べ物なので、人間の食事と同様手作りすることもできます。では、市販品と手作りでは、どちらが愛犬にとってよい食事といえるのでしょうか?

ドッグフードは栄養バランスの良い総合栄養食を

市販のドッグフードには様々な種類があり、ライフステージや犬種、各疾患など、それぞれの目的に合わせて栄養バランスが調整されています。そのため、栄養管理や愛犬への提供が手軽にできるというメリットがあります。
缶詰タイプのフードなど、長期保存ができるものは旅行時や災害時にも有用なので、何かと便利です。
参考 「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」環境省

手作りご飯は難しい?

現在一般的なのは市販のドッグフードですが、飼い主に十分な知識があれば、愛犬専用の手作りご飯もいいでしょう。例えば愛犬にアレルギーがある場合、食材からアレルゲンを除いたものを作ったりライフステージに合わせて調整できるので、安心して与えることができます。

ただし、作り置きや栄養バランスの調整が難しい、手作りのための労力を考えると、簡単ではありません。ネットで検索すればレシピは見付けられると思いますが、それを愛犬用に調整するのは容易ではないでしょう。

摂取させたい栄養素、食材

<ミネラル>
ミルクなどの乳製品、魚肉、煮干し、卵(アレルギーの他、白身で下痢をする子がいるので注意)

<ビタミンA>
レバー、バター、チーズ、サツマイモ、ニンジンの水煮(カロチンがビタミンAに転換させる)、ブロッコリー

<ビタミンD>
イワシ、サバ、サケ、また余談として日光浴でも体内でビタミンDを合成する事ができるとも言われている

<ビタミンE>
小麦麦芽、卵、緑葉野菜、カボチャ(老化防止にもなるので積極的に摂取すると良い)

<タンパク質>
肉、魚全般、卵

<炭水化物>
玄米、米、穀物、ジャガイモ(茹でてつぶしてあげると良い)

<脂肪>
豚バラ、バター、乳製品など(与えないと犬にとって強いストレス。摂取量は10%にとどめて与えるように)

柴犬と食材としての魚

近年、屋内で暮らすことが一般的となった柴犬ですが、そうした生活環境の変化は食事にも現れています。現在はドッグフードを与えることが当たり前ですが、その昔は肉や魚を与えるのが普通でした。
では、そうした食の変化は柴犬にどのような影響を与えているのでしょう。

柴犬は肉や魚が大好き?

祖先である狼同様、柴犬も雑食よりの肉食です。そのため、まだドッグフードが存在していなかった頃、ワンちゃんは主に動物の肉や魚を食べていました。特に魚は、島国である日本では比較的手に入れやすい食材ということもあり、多く食べられていたそうです。

そうした食生活も、飼い犬として人間の社会とともに変化したことで、現在はドッグフードが基本となり、魚や肉を与えている家庭はほとんどないと思われます。
しかし、この食生活の変化が、柴犬にとって深刻な問題を生み出すことなったのは、あまり知られていません。

認知症予防には魚を食べさせよう!

日本犬の知症発症率は、他の犬種に比べて高いといわれています。
その中でも、特に柴犬は認知症になりやすいタイプといわれており、その原因の一つとして食生活の変化があるようです。一説によると、食生活の変化によりDHA、EPAといった脂肪酸を含む魚類を食べる機会が減ってしまったため、発症しやすくなったのではないかといわれています。
イワシなどの青魚に豊富に含まれるDHA、EPAといった脂肪酸は、神経細胞を活性化させる効果があることから認知症の予防に効果があることが確認されています。

柴犬の成犬に魚を与える場合は、前もって金網の上で焼き、油を燃やして取り除くか一度水炊きし、油を捨てた上で与えましょう。
こうした手間を面倒だと思うのなら、犬用の魚缶詰やにぼしを与えるのもおすすめです。

まとめ

愛犬の健康を保つための指針として、体重の管理は有効な手段の1つです。基準となる体重を知った上で、増減をチェックしていれば、体調の変化や病気の兆候など、早い段階で気付くことができるでしょう。
そのうえで、食事の管理までできれば、健康寿命を伸ばし、元気に長生きすることも期待できます。

食事や体重管理以外の飼い方については、下記ページで解説しているので、興味がある方はぜひ一度ご覧ください。
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