柴犬は、ほかの犬種と比べてしつけが難しい犬種といわれています。しかし、決して頭が悪いわけではないので、しつけ方さえ理解していれば他の犬種以上にしっかりと身に付けることができるでしょう。
柴犬のしつけ訓練を始める前に
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柴犬は猟犬としての性質を色濃く残した、日本犬らしい性格の犬種です。そんな柴犬は、ワンちゃんを飼うのが初めての方にはしつけが難しいと言われています。
では、どのような方法でしつければいいのでしょうか?
柴犬のしつけが初心者には難しいと言われる理由
自然交配により現在までその形を維持して生きた柴犬は、ニホンオオカミのDNAを色濃く残す犬種です。その影響もあり、攻撃性や独立心が強く、まだ信頼関係ができ上がっていない状態では、自らの考えで指示を拒否することもあります。
そのため、飼い主に従順な犬種と比較すると、しつけが難しい犬種と言えるでしょう。
満足にしつけができていないまま成犬になると、場合によっては問題行動を起こしてしまうこともあります。例えば、「散歩中に通行人に噛みつく」「夜になっても吠えるのを止めない」といったこともありえるでしょう。
大切な愛犬をこうした問題犬にしないためにも、飼い主の指示に従うようしつけることは大切なのです。
しつけ訓練(服従訓練)はどうして必要?
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柴犬へのしつけは難しいといわれていますが、同時に訓練することで効果的な成果が期待できます。では、しつけと訓練にはどのような違いがあるのでしょうか?
「しつけ」と「服従訓練」とは
ワンちゃんを迎えたら、しつけは欠かせません。ですが、「服従訓練」をしている飼い主はどれだけいるでしょうか?
そもそもしつけは、ワンちゃんが人間社会で暮らしていくためのルールを学ぶことであり、愛犬をしつけるのは飼い主が守るべき最低限のマナーと言えるでしょう。
一方、服従訓練は、飼い主とワンちゃんの関係性を構築するため――つまり、「愛犬にリーダーとして認めてもらうための訓練」と言えます。
狼を祖先に持つと言われていることからも分かるように、犬は群れで暮らす動物で、リーダーを中心に生活してきました。これを飼い犬に置き換えると、群れは家族、リーダーは飼い主ということになります。愛犬から、家族という群れのリーダーとして認めてもらうことで、主導権を握り指示に従ってもらえるようになるのです。
服従訓練で抑えるべきポイント
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服従訓練は、ただ行えばいいというわけではありません。
始める前に目的をしっかりと理解した上で、ポイントを抑えた訓練を心掛けてください。
訓練を始める前に
訓練を始める前に、基本的な心構えや抑えておきたいポイントをご紹介します。
<ポイント>
・短くはっきりとした言葉で指示を出す
・家族内で常に同じコマンドを使う
・褒める・叱るはその瞬間に行う
・訓練はメリハリをつけて短期集中
ご褒美は与え方を考えて
訓練が上手くいったら、ご褒美を与えて愛犬の自発的行動を促すことは重要です。
ご褒美にはオヤツがお手軽で高い効果が期待できますが、使い方次第で逆に害になる場合もあるので、与え方には注意する必要があります。
あまりにもご褒美に頼った訓練をしていると、ご褒美目当てに行動するようになってしまいます。そのため、慣れるまではご褒美を使って、慣れてきたら少しずつ減らしていき、将来的にはご褒美なしでできるようにしていきましょう。
訓練本番(おすわり、ふせ、つけ、まての教え方)
心構えややり方などを理解して、訓練の準備が整ったらいよいよ服従訓練本番です。
訓練とはいっても、基本は愛犬と飼い主とのコミュニケーションになります。一方的な押し付けにならないよう、ワンちゃんのことを考えて無理しないよう進めていきましょう。
まずはアイコンタクトから
人間は人の目を見てコミュニケ―ションを取りますが、他の動物は目が合うと争いに発展しかねないので、基本的に視線は合わせません。
しつけもコミュニケーションの一環です。そのため、こうしたコミュニケーションの違いを理解していないと、しつけや訓練は思うようにすすめるのが難しくなります。しつけを始めるにあたり、ワンちゃんにはまずアイコンタクトを覚えてもいましょう。
では、具体的にアイコンタクトを覚えてもらうにはどのようなしつけが必要なのでしょうか?その手順を下記に紹介します。
1.まずは小分けにしたオヤツを手に持ち見せる
2.オヤツを自分(飼い主)のあごの辺りに移動させ、見上げたらご褒美
3.ワンちゃんの鼻先にオヤツを差し出してから、自分の顔の横に持っていく
4.目が1秒合ったら、ご褒美にオヤツを与える
5.オヤツを鼻先から背中に移動し、目が1秒合ったらオヤツ
6.最初の4~5回は名前を呼んで、次第に声を掛けずに目が合うようにしていく
7.自宅で1~6ができるようになったら、屋外で練習
8.最初は名前を呼んで、目が1秒合ったらオヤツ
9.最終的な目標は3秒目を合わせること
<どうしても目が合わないなら>
なかには、目を合わせることが苦手な性格のワンちゃんもいます。こういう性格の子と無理に目を合わせようとすると、逆効果になるので注意してください。
正面から目を合わせることが苦手な子の場合、少し横に体をずらしただけで目を合わせてくれるかもしれません。
おすわりの教え方
訓練の共通点として、まずアイコンタクトをした状態にして意識を飼い主さんに集中させておきましょう。片手にはモチベーターとなるおやつかおもちゃを用意しておきます。
1.おやつを柴犬の目線より上の方でちらつかせます。そのまま柴犬の頭上の方まで移動させると、柴犬はそのおやつに興味を抱いているので上を見ようとして顔をあげます。
2.すると、重心がお尻にいくため、自然と腰も下ろすのでそのタイミングで「おすわり」という声をかけましょう。
3.座ったタイミングでおやつを与え、よく褒めましょう!おすわりは訓練の基本ですので、じっくりと教えてあげます。
ふせの教え方
1.アイコンタクトで集中させてから、柴犬を座らせた状態にしましょう。
2.おやつを柴犬の鼻先に持っていき、おやつに意識がいくようにします。
3.そのままおやつを持った手を地面に持っていくと、柴犬はその手からおやつを取ろうとするので顔が自然と地面に行きます。
4.この時絶対におやつをとられないようにしましょう。おやつが取れなくて焦らされた柴犬はフセをしますので、そのタイミングで「ふせ」という声をかけましょう。
5.上手にできたところで褒めておやつをあげます!
つけの教え方
少し難しいかもしれませんが、つけが出来るようになれば、散歩の時の引っ張り癖がなくなるのでぜひともマスターしましょう。
1.リードはあえてつけないで訓練をします。ツケの訓練に使用するモチベーターは、なるべくおやつよりもおもちゃで訓練を行うとより効果的です。
2.「つけ」と言って、前進しながらおもちゃを左側の腰元で揺らします。
3.するとおもちゃにつられた柴犬がおもちゃに誘導されるようにしてついてきますので、好きなタイミングで一度止まってみましょう。
4.立ち止まったと同時におもちゃを柴犬の顔に近づけながら「おすわり」のコマンドを出します。
5.柴犬がおすわりをしたらよく褒め、そのままおもちゃで遊んであげましょう。(この時一人で遊ばせないよう、一緒に遊んであげる事が大事です)
まての教え方
「まて」がしつけられれば、散歩中にワンちゃんが突然動き出しても、指示1つで制止することができます。これにより、拾い食いや飛びつきなどの問題行動をかなり防ぐことができるようになるでしょう。「まて」は「よし」とワンセットで覚えさせます。
1.オヤツなどのご褒美を見せる
2.おすわりをさせて、少しずつ距離を開ける
3.最初は1歩離れて、できたら2歩3歩と距離を広げていく
4.動かずにいれたらご褒美をあげて、動いてしまったら2に戻る
5.待てるようになったら「まて」と言葉で指示するようにします
6.動かず待てるようになったら「よし」と声をかけて解放してあげましょう
7.6までできるようになったら、外でもできるようにトレーニングしていきます
まとめ
柴犬は、日本犬特有の性格と賢さから、比較的しつけが難しい犬種といえるかもしれません。しかし、柴犬自身がリーダーと認めた相手には従順なので、まずは信頼関係を構築するようにしましょう。
そのほかのしつけについては下記のページで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
【柴犬のしつけ】子犬のしつけはいつから?どんなしつけが必要?
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著者/ブリーダーナビ編集部