【柴犬はなぜ唸るの?】理由を把握したうえでしつけよう

柴犬は情豊かな犬種で、まるで人間のように満面の笑顔を見せてくれることもあれば、歯を剥き出しにして恐ろしい顔で威嚇してくることもあります。威嚇は、表情と唸り声がセットの場合がほとんどなので、ワンちゃんが唸るのは「怒っているから」と思っている方は多いのではないでしょうか?
しかし、実はワンちゃんが唸るのは、怒った時以外にもいくつか理由があるのです。

柴犬が唸る理由を知ろう

言葉を発することができないワンちゃんは、唸り声を発することで自分の気持ちを相手に伝えようとすることがあります。その原因は様々で、場合によっては嬉しい時、楽しい時に唸ることも。
状況によって、しつけが必要な場合とそうでない場合があるので、まずは愛犬が唸る理由を突き止めましょう。

物に執着する所有欲

ワンちゃんは所有欲が強い動物なので、ご飯やおもちゃなど一度自分の物と認識したら、それを独占しようとする傾向があります。そのため、自分の物が誰かに取られると思ったら、唸って威嚇することで遠ざけようとします。
これがエスカレートすると、吠えたり噛んだりと、相手に危害を加える行為に発展することもあり得るので注意が必要です。

警戒心や恐怖心

柴犬は警戒心が強いので、知らない人や他のワンちゃんなどに対して強く警戒します。それが「唸る」という形で表層化するのです。
また、ワンちゃんは恐怖を感じても恐怖心から唸ります。特に雷や掃除機の音や、屋外の車、バイクの音など、聞きなれない大きな音には本能的に恐怖を感じるようです。
犬が恐怖や警戒心を抱いているときは、尻尾が垂れ下がったり毛が逆立ったりと、目に見えて外見が変化するので、注意してください。

<子供に唸るのは警戒しているから?>
ワンちゃんによっては、子どもと相性が良くない場合もあります。
ある程度分別がつく年齢であれば別ですが、まだ幼い場合、ワンちゃんを叩いたり毛を引っ張たりすることもあるでしょう。人間であれば「子どもだから」ですませるところですが、ワンちゃんからすれば恐怖心を抱く警戒する対象になってしまうので注意しましょう。

過度な興奮

あまり知られていませんが、ワンちゃんは興奮して唸ることがあります。
例えば、飼い主と一緒に遊んでいて尻尾を振りながら唸る場合、楽しさのあまり興奮してしまっているのでしょう。楽しくて唸る分には問題ありませんが、興奮しすぎて自分でも抑えられなくなると、ケガや事故につながる恐れもあるので注意が必要です。
一緒に遊んでいて「興奮しすぎかな?」と思ったら、一度落ち着かせてから再開するといいでしょう。

ケガや病気の痛み

ケガや病気で、体のどこかに痛みを感じている場合、患部に触れられた痛みから唸る場合もあります。
それまで抵抗することなく触れていたのに、突然唸るようになったら、痛みを抱えている可能性が高いです。全身をくまなくチェックして、場合によっては動物病院へ連れて行くことも考えてください。

飼い主へのマウンティング

群れで生活する動物である犬にとって、上下関係はとても重要な要素です。十分な関係性が構築できていれば、柴犬は飼い主を自分よりも優位な存在(リーダ)として服従します。
これが上手くいかないと、関係性が逆転してしまい、愛犬から唸られるような自体になってしまいます。この場合の「唸る」という行為は「優位性攻撃」というマウンティングの一種で、犬の習性とはいえ本来あってはならない行動です。

こうなると、柴犬は「飼い主は自分に従うべき」と考えるようになり、しつけや訓練を行っても効果は期待できません。これは、愛犬との関係を上手に構築できなかったための結果なのです。

マウンティングを止めさせるためには、愛犬が飼い主を下の順位だと思わせないように、リーダーシップを発揮して一貫した態度で上下関係を構築することが大切です。

嬉しくても唸る場合も

体を撫でてあげている時など、ワンちゃんは嬉しくて唸ることもあります。
唸っているので「怒っている?」と思うかもしれませんが、嬉しくて唸っている場合は、表情を見れば分かります。
分かりやすいポイントは、「歯茎を見せているかどうか」「鼻にしわがよっていないか」です。怒りなど負の感情から唸り声をあげる場合は、歯茎をむき出しにして相手を威嚇するいかにも「怖い顔」を見せます。
しかし、嬉しくて唸っている場合は歯を見せることはありません。柴犬は表情が豊かなので、他の犬種と比べても分かりやすいのではないでしょうか。

唸るのをやめさせるしつけ

愛犬が唸る理由が分かったら、次は具体的に「どうしつけて唸るのを止めさせるのか」になってきます。上の項目で、唸るのは感情表現の一環と説明しましたが、どういった感情で唸るのかによって、しつけの仕方は変わってきます。

所有欲で唸る場合のしつけ方

ワンちゃんは、おやつやおもちゃを取られると思った時に、「他人に渡したくない」「独占したい」という所有欲から唸り声をあげます。エスカレートすると、噛みついたり飛び掛かったりなど、問題行動に発展する恐れがあるので、しっかりとしたしつけをしましょう。

<おもちゃの場合>
目の前におやつを差し出して「ちょうだい」と声を掛け、おもちゃとおやつを交換しましょう。成功したら思い切り褒めてあげて、ご褒美を与えるのもおすすめです。もしも交換しようとして唸るようなら少し間を開けて、落ち着いてからおやつを与えてください。
何度かこの流れを繰り返して、「唸らなければ嬉しいことがある」と刷り込みましょう。次第に唸ることはなくなっていきます。

しつけの際、所有物を無理に奪うのではなく、ワンちゃんが自分から離すまで待ってあげるのがポイントです。「離せ」や「ちょうだい」を併用すれば、より効果的にしつけをすすめることができるでしょう。

<食べ物の場合>
ご飯やおやつの場合、器に移して食べさせるのではなく、飼い主の手から少量ずつ直接食べさせるようにするといいでしょう。これを繰り返せば、「人間の手はご飯を奪うのではなく与えてくれるもの」と覚えてくれるようになります。

警戒心や恐怖心から唸る場合のしつけ方

知らない人や他のワンちゃん、物に対する警戒心・恐怖心が強いと、ワンちゃんは身を守るために唸り声をあげて対象を威嚇します。恐怖心がさらに強くなったり悪化したりすると、吠えたり噛んだりといった行動に発展します。

これをしつけで解決するには、社会化トレーニングで、ワンちゃんが怖いと思っている対象に慣れさせる必要があります。

いきなりでは無理なので、まずは動いていない状態。例えば、洗濯機なら稼働していない状態でで少しずつ近付けていけるようにしましょう。慣れてきたら動かしても怖がらないように、小さな音から慣れるようにしてください。
最初は怖さを感じないよう気を紛らわせるために、おやつを使うのも有効です。

触られることを嫌がって唸る場合のしつけ方

ワンちゃんの中には、触れられることを嫌がる子もいます。
それが尻尾や足、耳など体の一部分を嫌がるこは珍しくなく、触れようとしただけで唸って拒絶することも。触るのはいいけどブラッシングや爪切り、シャンプーなどのお手入れになると逃げ出す子は多いでしょう。

体のお手入れは、見た目を美しく整えることはもちろん、病気の予防にも有効なので、できるだけ早く慣れさせるようにしていところです。特に柴犬は皮膚が弱い傾向にあるので、ブラッシングをしないと皮膚病などを引き起こすおそれもあり、大事に関わりかねません。

慣れさせるためには、他のしつけ同様に、おやつを利用すると便利です。
最初は極短い時間触れることから初めて、その時おやつを与えれば意識がそちらにいくので、激しく拒絶することはないでしょう。慣れるまでは、おやつをあげる人とお手入れをする人、2人がかりで行うとスムーズです。

まとめ

言葉を発せないワンちゃんにとって、唸るという行為は感情表現です。
ただ感情を表に出すだけならいいのですが、度を超すと問題行動になってしまうので、しつけを通して不慣れな物事に少しずつ慣らしていくようにしてください。

まずは、ワンちゃんが唸る理由を特定して、そのうえでしつけの方向性を決めるといいでしょう。自分の手に余ると感じたら、プロのトレーナーに相談するといいかもしれません。

そのほかのしつけについては下記のページで詳しく解説しています。気になる方はぜひ参考にしてみてください。
【柴犬のしつけ】子犬のしつけはいつから?どんなしつけが必要? 【柴犬のしつけ】子犬のしつけはいつから?どんなしつけが必要?
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