古くから日本人のパートナーとして身近にいてくれた柴犬は、現在も高い人気を誇ります。
しかし、「飼うのが難しい犬種」と考えている方が一定するいるのも事実です。
ここでは、柴犬の性格をはじめ、お迎えする前に知っておきたい情報を紹介していきます。
目次
柴犬の性格は?
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日本犬の1種である柴犬は、いかにも日本犬らしい性格です。
愛玩犬のような人懐こさや無邪気さを持つ子は少ないですが、他にはない独特な魅力で一度ファンになった人の心を掴んで放しません。
ここからは柴犬の性格傾向について見ていきましょう。
柴犬の魅力は飼い主への忠実さ!
柴犬はほかの日本犬同様、落ち着きがあり頑固な反面、心を許した飼い主や家族に対して従順で忠誠心が強い性格のワンちゃんです。主人と認めた人間には忠実に従うものの、飼い主以外には懐かないことも珍しくなく、特に警戒心が強い子の場合、知らない人が触ろうとすると敵意を剥き出しにすることもあります。
頑固な性格なのでしつけが難しいといわれるものの、主従関係を築きしっかりとリーダーシップを取ることで、その忠誠心の高さから従順で誠実なパートナーになってくれるでしょう。
愛嬌があって甘えん坊な一面も?
見知らぬ人には強い警戒心を見せる柴犬ですが、心を許した飼い主にだけは、普段のクールな姿からは想像できない甘えた表情を見せてくれることも。柴犬は表情豊かなので、こちらが嬉しくなるような笑顔を向けてくれることもあります。
また、表情だけでなく、好きな人には全力で尻尾を振って大きく喜びを表現してくれます。
こうしたギャップも、柴犬の大きな魅力の一つです。
一度覚えたことは忘れない賢い犬種!
柴犬は基本的に賢く学習能力が高い犬種なので、性格に合った方法でしつけることができれば、比較的しつけやすい傾向にあります。
例えば、トイレのしつけでもほかの犬種よりもトイレの場所や意味を理解するのが早く、一度身に付けたしつけは忘れることがありません。
猟犬特有の警戒心の強さも
柴犬は、現在のように飼い犬になる以前は、猟犬として危険な野山で活動していました。そうした経緯もあり、自分の身を守るために警戒心が強い犬種になったのです。
しかし、警戒心の強さは、裏を返せば周囲に気を配るデリケートな性質を持っていることにもなります。ワンちゃんによっては、「警戒心=恐怖心」という場合もあり、何かに怯えているかもしれません。
こういう子は、リラックスする時間がなく常にストレスを感じています。できる限り安心させてあげて、ゆっくりとリラックスできる時間や空間を作ってあげてください。
柴犬の性格が悪いって本当?
相性の問題なのか、世の中には柴犬を「性格が悪い犬種」と考えている人もいるようです。
では、その根拠はどこにあるのでしょうか?
意見としては、大きく「狂暴」「無愛想」という2つですが、この意見は一概に正しいとは言い切れません。
確かに、近年主流となっている小型の洋犬に比べれば、比較的気性は荒い犬種といえるでしょう。それでも多くの場合、飼い主のしつけ次第で気性の荒さは抑えることができます。
つまり、問題があるとすれば柴犬自身ではなく、飼い主の接し方・しつけ方なのです。
柴犬は表情豊かな犬種なので、威嚇する時の顔は歯を剥き出しにします。その一方で、認めた飼い主にはとても豊かな可愛らしい表情を見せてくれます。
柴犬がどちらの表情を見せてくれるかは、飼い主さんの接し方次第といえるかもしれません。
柴犬のオスとメス、性格に違いはある?
人間でも、男性と女性で性格的な違いというのはあるといわれています。
同様に、柴犬でもオスとメスで性格の傾向には違いがあるため、飼い方やしつけ方など、性別によってアプローチの仕方も変えた方がいいでしょう。
ただし、こうした性格も去勢することで変化が期待できます。特にオスの方がその傾向は強く、男性ホルモンの分泌が抑えられるため、攻撃的な部分が落ち着くこともあります。
こうしてみると柴犬はメス一択と思われますが、自立心が強く頑固な性格で「性格が悪い」「キツイ」と言われるのはオスよりもメスの方が多い傾向にあります。
とはいえ、ちゃんとしつけることができれば、キツめに思われがちな性格も大分抑えることができるので、柴犬のチャームポイントである誠実さと愛嬌の良さが魅力的な子に育ってくれるでしょう。
柴犬の特徴
柴犬は、ピンと立った耳と引き締まった顔立ち、丸まった尻尾が特徴的な、多くの日本人がイメージする犬らしい犬といえます。
大きさは中型犬に属しますが日本犬の中では最も小さく、小柄ながらも体つきはがっしりとしていて健康的な犬種です。
被毛は体毛ながらダブルコート(二重構造)なので抜け毛が多く、季節の変わり目に訪れる換毛期には驚くほどの量の抜け毛が発生します。
柴犬の平均寿命
柴犬の平均寿命は12~15歳と、全犬種のなかでも長寿な犬種です。一般的に、大型犬よりも小型犬の方が長生きする中で、柴犬は中型犬の中で最も長生きな部類に入ります。
下記のページでは、柴犬の寿命から長生きの秘訣まで詳しく解説しています。
愛犬に健康で長生きしてもらうためにはどんなことに気をつければいいのか、参考にしてみてください。
柴犬の寿命はどのくらい?ギネス記録や長生きのためにできること
柴犬の大きさ(体高)と体重
柴犬は中型犬に属する犬種ですが、サイズは比較的小さめで、小型犬よりの中型犬といった大きさです。
柴犬の標準体高 | 柴犬の標準体重 | |
---|---|---|
オス | 39.5cm | 9~11kg |
メス | 36.5cm | 7~9kg |
柴犬の歴史
柴犬は縄文時代から日本人と一緒に暮らしてきた日本固有の犬種で、過去に絶滅の危機に瀕したこともありました。1936年に天然記念物に指定されて以来、頭数や人気を順調に増やし、現在は世界中で愛される人気犬種になりました。
柴犬の毛色は?
- 赤
- 黒褐色
- 胡麻
- 黒胡麻
- 赤胡麻
JKCが公認する柴犬のカラーは、これら5種類の毛色です。中でも最も多い毛色が赤で、多くの人がイメージする柴犬の色といえるでしょう。
これらの色は、どれも「裏が白でなければならない」という条件があり、柴犬のお腹は白くなっています。
柴犬には種類がある?豆柴ってどんな犬種?
- 信州柴犬
- 川上犬
- 美濃柴犬
- 山陰柴犬
- 縄文柴犬
柴犬という犬種には、【地柴(じしば)】と呼ばれる、古くから日本各地に存在していた、特定の地域固有の柴犬が存在します。
地柴は、同じ柴犬という犬種であっても地域によって毛色や顔立ち、しっぽの巻き方、性格などに固有の特徴があり、見た目で区別できるほどの違いがあるのです。
下記のページではそうした違いも含め、種類や毛色の違いなど、柴犬の見た目の差について解説しています。「柴犬」と一括りにするのではなく、違いを知って見分けることができるようになれば、新たな柴犬の魅力に気付けるかもしれません。
豆柴って柴犬と違うの?
小型犬の人気も後押しし、豆柴はメディアで取り上げられるなど注目の犬種です。
「豆柴を飼いたい」と思っている方は多いと思われますが、豆柴はどんな犬種なのでしょうか。
豆柴と柴犬の関係、違いについて知りたいという方は、下記のページで詳しく解説しているので、ご覧ください。体の大きさや寿命、価格相場についても紹介しています。
柴犬の価格相場は?
2022年2月2日 現在、ブリーダーナビで掲載している柴犬の平均価格は約 21万4,939 円でした。
柴犬の飼い方は?お散歩やしつけはどうすればいい?
柴犬は「スキンシップが苦手」「変化を好まない」という特性があります。しかし、飼い主への忠誠心が高いので、主人として認められれば柴犬ならではの魅力をもって全力で応えてくれるでしょう。
柴犬を飼ううえで大切なのは、何よりもまず飼い主と愛犬との信頼関係を築くことです。
柴犬の散歩はどれくらいすればいいの?
柴犬がまだ子犬の頃は、1日20分程度の散歩を体力に合わせ回数を分けて行いましょう。
体力がついてくると短い散歩では満足してくれないので、成長に合わせて少しずつ距離と時間を伸ばしてください。
目安として。体重が10kgであれば、散歩の距離は10km、時間は1日に合計1時間程度が理想で、1回30分の散歩を2回に分けるといいでしょう。
柴犬の散歩に関して、詳しくは下記のページで解説しています。
散歩はワンちゃんの毎日の楽しみであるとともに、健康を維持するための大切な日課でもあるので、愛犬との時間を楽しめるように正しい散歩のやり方を確認しておきましょう。
しつけにはどんなことが必要?
柴犬は性格や性質から、比較的しつけが難しい犬種といわれています。では、柴犬はどのようにしつければ良いのでしょうか。
基本的にしつけは「褒める」ことが大切です。そこにおやつやおもちゃなどのご褒美を効果的に活用することで、「しつけ=嬉しいこと」と認識させましょう。
逆にやってはいけないこととして、「怒鳴る」「叩く」といった、愛犬が委縮してしまうような行為が挙げられます。「しつけ=嫌なこと」と思わせてしまうと、しつけたい行動をしなくなってしまいます。
しつけについてより詳しく知りたいという方は、下記のページをご覧ください。
柴犬のしつけは簡単ではありませんが、決してできないわけではありません。記事の内容を参考に、根気強く愛犬と向き合ってあげてください。
また、こちらのページでは初心者の方に向けて飼い方の情報を詳しく解説しています。合わせて参考になれば幸いです。
まとめ
高い人気を誇る柴犬ですが、反面しつけが比較的難しいと言われることもあります。
しかし、そうした面を差し引いても魅力溢れる犬種であることに間違いはありません。
今回の記事を読んで、柴犬への理解を深めていただけたら幸いです。
下記の「柴犬の子犬を探す」ボタンから、ブリーダーが愛情をもって育てているワンちゃんたちをご覧いただけます。お迎えを検討している方はぜひ一度のぞいてみてくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部