柴犬といえば、多くの方がイメージするのは赤色(茶色)でしょう。実際、赤は柴犬全体の八割を占め、柴犬の代表的なカラーです。
しかし、それ以外にも柴犬の毛色は存在し、主に4種類の毛色に分けられます。
本記事では、公認と非公認を含め、柴犬の毛色について解説していきます。
柴犬の毛色は全部で6種類?
JKCが認めている柴犬の毛色は、「赤」「黒褐色」「胡麻」「赤胡麻」「黒胡麻」の5色。
いずれも背中を表としたとき、裏となる顎から胸、腹、足の内側が白い「裏白」となっているのが特徴です。
ここに、非公認の「白」を加えた6色が、柴犬の毛色となります。
柴犬の毛色【赤色】
多くの人がイメージする柴犬の毛色といえば、この赤色ではないでしょうか。実際、ほとんどの柴犬が赤色の毛色をしており、その割合は全柴犬の約80%以上といわれています。
色の濃淡には個体差があるものの、レッドというよりは全体的に明るい茶色で、成長とともに色が変化する個体が多いようです。
生まれたばかりは色が濃い子が多いですが、2~3月齢頃から薄くなりはじめ、成犬になると変化が落ち着きます。
ブリーダーナビで掲載している赤色の柴犬の平均的な値段相場は約21万4,098円でした(2021年4月6日時点)。
柴犬の毛色【黒色】
柴犬全体の1割程度しか存在しない珍しい毛色で、JKCでは【黒褐色】と表記されています。燻したような黒に薄茶色の下毛が生えているため、見た印象から鉄さび色や墨色と呼ばれることも。引き締まった凛々しい印象で、可愛らしさと格好良さが同居した印象の毛色です。
目の上に眉毛のよう見える特徴的な白い斑点があり、「四つ目」や「マロ眉」と呼ばれ親しまれています。
ブリーダーナビで掲載している黒色の柴犬の平均的な値段相場は約24万4,416円でした(2021年4月6日時点)。
柴犬の毛色【白色】
白色は黒色よりもさらに個体数が少ない、とても希少な毛色です。
赤柴の色素が薄まって生まれてくる「白変種」で、生まれたばかりの頃は赤毛が混ざっていることもありますが、徐々に白くなっていきます。個体によっては真っ白というよりもクリーム色でお落ち着くこともあるようです。
誤解されがちですが、アルビノではないため遺伝子に問題はなくJKCに公認こそされていないものの絶対数が少ないというだけで、他の毛色同様に健康体といっても良いでしょう。
近年になり展覧会で白柴が認められた例もあり、一時期の血統書すら発行されないという状況は変わりつつあるようです。
ブリーダーナビで掲載している白色の柴犬の平均的な値段相場は約30万1,000円でした(2021年4月6日時点)。
柴犬の毛色【胡麻】
赤、黒、白の3色が混ざり合った毛色で、毛色の比率によって【胡麻】【赤胡麻】【黒胡麻】の3通りが存在します。黒や白よりもさらに個体数が少ない、柴犬の中で最もレアな毛色です。
色の比率は成長とともに変わっていくので、変化が楽しめるのも他にはない胡麻の魅力といえるでしょう。
柴犬の毛色は変化する?
柴犬の毛色は、生まれたばかりと成犬になった時で、色が違うことがあります。
「高齢になれば毛色が白くなるものでは?」と考える方もいると思いますが、柴犬の毛色の変化はそれだけではありません。
どうして変化するの?
柴犬の毛色が変化するのは、全て遺伝の影響です。この場合の変化は、老化とは違い必ずしも白くなるわけではありません。薄い茶色が白になることも、黒が鮮やかな赤になることもあるので、元々の毛色次第といえるでしょう。
「こんなはずじゃなかった」とならないように、確認できるのであれば親の毛色だけではなく、親の親――祖父母の毛色まで確認できると良いでしょう。
毛色が変化する時期は?
毛色が完成する時期には個体差があるので、明確に何歳までに毛色が決まるとは断言できません。それでも、毛色が変化しやすい時期はあり、それが春や秋などの季節の変わり目――つまり換毛期です。
ダブルコートの柴犬にとっては、抜け毛が大量に出て毛が生え変わる時期なので、毛が生え変わる度に新しい毛色になっていきます。
その他、成犬になる約2歳までの間に毛色がハッキリとなり、老犬である8歳を迎える頃には全体的にぼんやり白っぽい色へと変化していきます。
毛色による変化の違い
柴犬の特徴は?
柴犬といえば、日本人がイメージする「犬らしい犬」で、6種存在する日本犬の代表的犬種です。
現在は、日本のみならず海外でも「Shiba Inu」として高い人気を誇っています。
改めて説明するまでもないかもしれませんが、ここでは柴犬の基本的な特徴について見ていきましょう。
柴犬の大きさや体の特徴
柴犬は、日本犬の中で唯一の小型犬に分類される犬種です。確かに日本犬の中では最も小柄ですが、小型犬としては比較的大きめで、個体によっては小柄な中型犬程度の大きさになる場合もあります。
小型犬としては重く中型犬としては軽めの、小型犬と中型犬の中間くらいの大きさといえるでしょう。
メス:36.5cm
メス:7~9kg
柴犬の性格は?
落ち着きがあり頑固な反面、心を許した飼い主や家族に対して従順で忠誠心が強く、他の小型犬のような愛嬌はないものの、柴犬独特の魅力が溢れた性格をしています。
飼い主にだけ見せる柔らかい表情はとても魅力的で、ギャップがたまらないという飼い主さんも多いようです。
そのほか、柴犬の性格や特徴については、こちらのリンク先で詳しく解説しています。
柴犬の性格は?オスとメスでの違いや特徴、飼いやすさまとめ
柴犬の平均寿命
柴犬の寿命は12~15歳なので、体が小さいほど長生きな傾向にあるワンちゃんのなかでも、中型犬ほどの大きさがある犬種としてはかなり長生きな犬種といえます。
下記のページでは、愛犬にいつまでも健康で長生きしてもらうために飼い主ができることを紹介しています。
柴犬の歴史
縄文時代の遺跡から柴犬の直系祖先である縄文柴の骨が出土しており、近くても紀元前400年頃、遠ければ紀元前1万年前から、人間と一緒に暮らしていたことが分かっています。
明治になると洋犬が輸入されたことで交雑化が始まり、昭和のはじめ頃には純血の柴犬は数を減らすことに。この流れを危惧した人たちが1928年には日本犬保存会を発足し、1936年に柴犬は国の天然記念物に指定されました。
それから間もなく戦争が始まり、戦争が終わってもジステンバーが大流行するなど、保護がままならなくなり、一時は種そのものの存続すら危うい状況に陥ることに。
日本各地に残っていた地柴の交配によりこの危機を乗り越え、犬種としての安定を図るなど長年にわたる地道な計画繁殖の結果、現在の柴犬の姿に落ち着きました。
まとめ
柴犬には、代表的に毛色である赤以外にも、白・黒・胡麻と4種類の毛色が存在します。
毛色が違うだけでも受ける印象大きく異なるため、どの子も魅力的ですよ。
こちらのページでは、柴犬の飼い方について解説しています。
柴犬を家族にお迎えしようと検討している方は、参考にしてみてくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部