シェットランドシープドッグというと、多くの方がイメージするのは、首回りに豊かな毛が生えたセーブルの毛色でしょう。
そのほかにも血統書を発行しているJKCでは、セーブルを含めシェルティの毛色を5色公認しています。
本記事では、ベーシックなセーブルをはじめ、マール遺伝子により発現する毛色やレアカラーまで、シェルティの毛色について詳しく解説していきます。
シェルティってどんな犬?
photo by Paul Morris
シェルティの愛称で親しまれているシェットランドシープドッグは、イギリスのシェットランド諸島で牧羊犬として活躍していた使役犬です。そのため、運動量が豊富でとても活発。
飼い主に従順で賢いので、しつけがしやすく初心者でも飼いやすい犬種といえるでしょう。
一方で、警戒心が強く家族以外には懐きにくい傾向があります。
シェルティの被毛の特徴
シェルティは、首周りのふさふさの飾り毛が特徴的な毛量が多い犬種です。被毛は、アンダーコート(下毛)とオーバーコート(上毛)からなるダブブルコート(二重構造)で、抜け毛がとても多く毎日のブラッシングが必要となります。
特に年に2回、春と秋に訪れる換毛期には大量の毛が抜けてしまうので対策が欠かせません。また、掃除のしやすを考慮して家具を配置すると良いでしょう。
シェルティの毛色は何種類?
シェルティは毛色のバリエーションが多い犬種で、セーブル(茶色)とブラック、ブルー(灰色)がベースの色となり、ここに白やタン(薄茶色)が入ります。
シェルティの毛色の種類は、以下の5種類。
- セーブル
- トライカラー
- バイブルー
- バイブラック
- ブルーマール
この内、ブルーマールとバイブルーのみ、青い目が許容されています。
セーブル
シェルティといえばこの毛色をイメージする方が多いのではないでしょうか。
セーブルは、明るい茶色がベースとなる【ピュアセーブル】と、体の一部に黒い毛色が入る【ヘテロセーブル】の2種類があります。
ピュアセーブルは黒が入らない茶色のみの毛色で、トライカラーと交配してもセーブルしか生まれません。
ヘテロセーブルは、黒の遺伝子を持ったセーブルで、成長に伴い背中などに黒い色が現れます。トライカラーとの間に生まれた子犬や、ヘテロを両親に持つ子犬はトライカラーになります。
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トライカラー
「ブラック&ホワイト&タン」と呼ばれることもある、ホワイトとブラック、茶色(タン)の3色で構成された毛色です。
タンの色味の濃さ、ブレーズ(目と目の間を通って頭に向かい白いラインが入る柄)の有無など、色が現れるバランスは個体差があり、JKCでは体は黒、濃い色のタンやマーキングが好ましいとされています。
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バイブルー
ブルーマールと同じくマール遺伝子を持つ毛色で、【ブルーマール&ホワイト】とも呼ばれています。
ブルーマールと違いタンが発色していませんが、茶色い部分がほとんどないブルーマールも多いので、見分けが難しいかもしれません。とても希少性が高い毛色です。
バイブラック
黒と白の2色で構成された色のコントラストが明確な毛色で、分かりやすくいえばタン(茶色)がないトライカラーです。
色の比率には個体差があり、成長に伴い鼻筋や手足などに特有の斑模様が出てきます。
シェルティの毛色の中では珍しい毛色です。
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ブルーマール
正式名称は【ブルーマール&ホワイト&タン】といい、青みがかった毛色に斑模様が入った、大理石に例えられる毛色です。
ブルーマールは後述するマール遺伝子という遺伝子により現れるカラーで、毛色以外に瞳の色にも特徴があり、瞳の色がブルー、もしくは茶色の中にブルーが混ざるような瞳をもつ個体もいます。
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ブルーマールについて知っておきたいこと
シェルティの毛色の中でも、珍しいとされているのが【ブルーマール】です。
ブルーマールは、マール遺伝子という特殊な遺伝子を持つ個体に発現する毛色で、とても希少性が高く高額な販売価格で取引されることもあるレアカラーになります。
しかし、希少性の裏には大きなデメリットもあるのです。
ここでは、シェルティを含めいくつかの犬種に見られるマール遺伝子について解説していきます。
マール遺伝子の影響
シェットランドシープドッグやボーダーコリーなど、いくつかの犬種に見られる「ブルーマール」という毛色。シルバーブルーを基調に黒の班が散らばり、茶色(タン)のマーキングが見られます。また、茶色のマーキングがない個体もいます。
ブルーマールのワンちゃんは「マール遺伝子」を持つため、この遺伝子の働きにより特殊な色が出るのです。ブルーマールの毛色は、大理石のようだと表現されることも多く、貴重性がありとても美しいと、その価値も高く評価されています。
ただ、マール遺伝子が目や耳などの毛色以外に働いた場合、様々なトラブルを抱える可能性も。例えば、ブルーの瞳や茶色にブルーが混ざった瞳など、特殊な色の目を持つシェルティもマール遺伝子によるものです。
瞳の色が変わるだけにとどまらず、目が見えない、耳が聞こえないなど、身体的に障害を持って生まれるケースもあるため、少々リスクを持つ遺伝子であることを知っておくといいでしょう。
ダブルマールを繁殖してはいけない
マール遺伝子を持つワンちゃん同士を交配し、生まれた子犬を「ダブルマール」と言います。ダブルマールは高確率で奇形児が生まれるとされているため、マール遺伝子同士の繁殖は禁じられています。
目が見えない、耳が聞こえない、体が弱い、毛色が真っ白であるなど、そのほかにも多くのリスクを抱える確率が高いのです。
白の毛色は公式には認められていない毛色ですが、その見た目の美しさや希少性から、需要を見込んであえて繁殖する悪質なブリーダーもいます。
マール遺伝子同士の交配により生まれた兄弟犬すべてに障害があるとは限りませんが、何かしらのリスクを抱えていることは確かです。
体格も良く、容姿だけでは異常が見られないようなシェルティであっても、安心はできません。
もとより、シェットランドシープドッグの子犬を迎える際には、必ず両親犬の情報を聞くようにしましょう。両親がマール遺伝子を持つ個体であるかどうかは必須です。
ダメと知りつつ、お金儲けや、貴重な個体を生み出したいがためにマール遺伝子同士を交配しているようなブリーダーとは、関係を持たないようにしましょう。
まとめ
photo by SaraLowgren
シェルティの毛色は、マール遺伝子を持つ2色を加えた全5色。
今回は、定番のセーブルから滅多にお目にかかることができないレアなカラーまで紹介してきました。
毛色が違うだけで受ける印象も大きく変わってくるので、子犬を迎える前に一度全てのカラーをご覧になってみてくださいね。
シェルティの性格について気になる方は、下記ページもご覧ください。
シェルティの性格は?飼いにくい?
著者/ブリーダーナビ編集部