photo by Paul Morris
シェットランドシープドッグ(シェルティ)はとても活発で運動大好きな犬種です。
ワンちゃんにとって散歩は毎日欠かせない日課ですが、特にシェルティにとって散歩は重要といえるでしょう。
本記事では、シェルティの散歩や1日に必要な運動量について詳しく解説します。
シェルティの運動量は?散歩の距離・時間はどれくらい?
シェルティは小型犬ですが、とても運動量が豊富な犬種です。そのため、体の大きさから想像する以上の散歩時間・距離が必要になります。
では、シェルティには毎日どれくらいの散歩が必要なのでしょうか?
シェルティは運動大好き!子犬と成犬で時間は調整しよう
シェルティは元々牧羊犬として活躍していた使役犬です。運動量が豊富で、他の小型犬と比べて散歩時間や距離が長くないと、運動欲を満足させることができません。
そのため、運動不足になるとストレスを感じてしまいます。
成犬であれば、散歩は1日2回、1回30分~1時間くらいを目安に、飽きさせないようにコースを変えるなどの変化をつけた散歩をしてあげてください。
また、子犬であればそれよりも少なく、1回10分程度から始めて無理のない範囲で距離や時間を延ばしていくと良いでしょう。
それに加えて、週に1回程度はドッグランや広い公園など、思い切り走り回れるような環境で遊ばせてあげられることができればベストです。
シェルティの散歩デビューはいつから?必要なグッズは?
シェルティは運動好きですが、家に迎えてすぐ散歩OKというわけではありません。
子犬からすれば、新しい環境で生活を始めることになるので、まずは慣れてもらうことからはじめて、さまざまな準備をしておく必要があります。
散歩はワクチン接種後に獣医さんから許可が出てから
迎えたばかりの子犬は免疫力が弱く感染症にかかりやすい状態です。ワクチンを接種せずに外出してしまうと、何らかの病気にかかってしまう可能性があります。
そのため、ワンちゃんの散歩デビューはワクチンプログラムを終えて、獣医師から散歩OKの許可が降りてからになります。
ワクチンは基本2回、場合によっては3回行うこともありますが、ワクチンを接種してから2週間ほど経ち、感染症への免疫が問題なく作られていることが確認できたら獣医師からの許可がおり散歩デビューとなります。
最低限これだけは用意したいお散歩グッズ
量は多少多めにしておくと安心です。
ワンちゃんの散歩用に作られた、消臭効果のあるバッグもおすすめです。
リードには「長さを調整できるもの」「手ぶらになれるもの」など、さまざまな種類があるので、愛犬の性格や散歩のスタイル、用途に合わせて選ぶと良いでしょう。
散歩にしつけは必要?
初心者の中には、ワンちゃんの散歩を「ただ歩くだけ」と考えている方もいらっしゃるでしょう。しかし、十分なしつけができていないと、周囲の人に迷惑をかけたり、愛犬を危険に晒すことになったりします。
そうした事態にさせないためにも、しつけはしっかりと行いましょう。
散歩中はこんなトラブルに注意
散歩中、道端にはタバコの吸い殻など、誤って飲み込んでしまうと、中毒を起こすだけでなく、最悪死に至る危険があるものもあります。
特にシェルティは食いしん坊なので、拾い食いや誤飲の危険性が高い犬種と言えるでしょう。
シェルティは小型犬なのでそこまで力は強くありませんが、とても活発なので、他の犬種以上に注意したい行動です。
引っ張り癖をさせないためには、飼い主の横を歩かせるリーダーウォークを教えるのが良いでしょう。
小型犬ですが、小さなお子さんや高齢者に飛びついた場合、ケガをさせてしまうこともあります。
飛びつきを防止のために、リードを短く持ち、急に動こうとしたらすぐ制止できるようにしておきましょう。
リーダーウォークを身につけてもらうおう
リーダーウォークとは、ワンちゃんが自発的に飼い主に寄り添って歩くように覚えさせるしつけです。このしつけを身に着けると、飼い主を無視して歩くことがなくなるので、愛犬にリードを引っ張られることなくスムーズに散歩ができるようになるでしょう。
最初は室内を好きに歩かせましょう。飼い主から離れるとリードが張って首輪が締まるため、自然と飼い主から離れるのを止めてくれます。
この際、飼い主側はリードをただ持つだけで引っ張ったりせず、愛犬が足元に寄ってくるのを待ってください。
自発的に足元によって来たら、その瞬間に褒めてご褒美のおやつをあげましょう。
これを繰り返すことで、「飼い主の横に寄り添えばいいことがある」と学習して、散歩中は自然と横を歩いてくれるようになります。
このしつけのポイントは、ご褒美のタイミングです。
リードが緩んで、ワンちゃんが足元に来たタイミングを逃さず、その瞬間に与えるようにしましょう。タイミングがズレてしまうと、何が良かったのか理解できず、せっかく上手にできても練習の効果が期待できません。
室内で上手にできるようになったら、実際に外を散歩して試してみましょう。
さまざまな刺激がある環境でも問題なくできるようになったら、このしつけは完了です。
散歩が嫌いな子はどうする?
上述したように、シェルティは運動が大好きな犬種です。しかし、中にはなぜか散歩に行きたがらない子もいます。
では、もしも愛犬が散歩を嫌がるようなら、どんな対策を取れば良いのでしょうか。
まずは原因を知ることから
シェルティは基本的に散歩好きな犬種なので、散歩に行きたがらない場合は何かしら理由があると考えられます。散歩そのものが嫌なのか、特定の場所が嫌なのか、散歩に行きたがらない理由はさまざまです。
家から出ること自体を嫌がるようなら、外の世界を怖がっているかもしれません。また、それまでは普通に散歩していたのに、ある日突然嫌がり出したなら、前日に何か嫌なことがあったのかもしれません。
老犬になると体力や筋力が低下するので、時間や距離が長いと散歩途中で疲れてしまい、突然動かなくなる場合もあります。このほか、普段よりも動きが少ないようなら、ケガや病気で歩くことを嫌がっているかもしれません。
子犬・成犬それぞれに合った対処法を
「他の犬に吠えられた」「工事の音を怖がる」などが原因の場合、その場所に近付かないようなコースに変更してください。
場合によっては、おもちゃやおやつを利用して、「怖い」を「嬉しい」で上書きするのも有効です。
ただし、これに慣れてしまうと、「ご褒美がなければ散歩をしない」ということになりかねないので、慣れてきたら少しずつご褒美は減らしていきましょう。
無理に歩かせるのは間違い!
飼い主の意に反して散歩を嫌がるからといって、無理に散歩させようとするのは絶対に止めてください。嫌がるシェルティを引きずったり怒ったり無理矢理散歩をさせようとしても、事態を悪化させるだけで、何の解決にもなりません。
目的は、「散歩に連れ出すこと」ではなく、「散歩好きになってもらうこと」です。
また、散歩中に愛犬を好き勝手に歩かせるのも良くありません。
飼い主に従わなくなり、ワンちゃん主導になってしまうる恐れがあるので、行く先や方向はあくまでも飼い主が選ぶ、飼い主が主導する散歩を心がけましょう。
雨の日や夏場の散歩に関する注意点
現在は室内飼いが主流ですが、散歩であれば外に出かけなければなりません。散歩は日課とはいえ、1年365日すべてが散歩しやすい日とは限らないでしょう。
ここでは、雨の日の散歩はどうするべきか、暑い日の散歩はどんな点に注意するべきかを確認していきましょう。
雨の日の散歩の注意点
シェルティは運動量が豊富な犬種なので、余程のことがない限り毎日の散歩は欠かせません。
散歩に行くメリットと行かないデメリットを考えると、小雨程度であれば散歩には連れていきたいところです。
シェルティのような小型犬の場合、レインコートを着せておけば雨の日でも問題なく散歩できるでしょう。ワンちゃん用の雨具には犬用のシューズがあるので、そちらもおすすめです。
帰宅後は濡れたままにせず、タオルで水気を拭き取ってから、ドライヤーで十分乾かしてあげてください。乾かし残しがあると皮膚炎などの原因になってしまうので、しっかり乾かしてあげましょう。
暑い日の散歩の注意点
シェルティの被毛はダブルコート(二重構造)なので、寒さに強いという特徴がありますが、暑さには弱いので夏場の散歩は熱中症や脱水症状に注意が必要です。
ワンちゃんは人間よりも体高が低いので、アスファルトなど地面からの照り返しの影響を大きく受けてしまいます。シェルティのような小型犬となればなおさらでしょう。
また、日本の夏は気温だけでなく湿度も高いので、どれだけ準備を整えても日中の散歩はかなりの負担を強いることになります。
とはいえ、夏の間まったく散歩に出かけないわけにはいかないので、日が出ていない早朝や日没後に出かけると良いでしょう。
そのうえで、「十分な水分補給を心がける」「冷却グッズを利用する」など、万全の対策で出かけるようにしてください。
まとめ
散歩にはストレス解消などの側面もありますが、シェルティのような運動が大好きな犬種の場合、他の犬種以上に重要といえるでしょう。
しかし、中には散歩が嫌いな子もいます。
散歩は大切だからこそ、できるだけ楽しんで欲しいもの。今回の内容を参考に、愛犬との散歩を楽しめるようにしっかりとした準備としつけを行ってくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部