シェルティの寿命は?長生きしてもらうために何ができる?

シェルティの寿命は?長生きしてもらうために何ができる?
photo by Paul Morris

愛犬と長く一緒に暮らしたいと思うのは、飼い主さん全ての望みではないでしょうか?
しかし、具体的にどうすれば良いのか、理解して実践できているという方は多くないのかもしれません。

本記事ではシェットランド・シープドッグ、通称シェルティの平均寿命を紹介するとともに、愛犬に長生きしてもらうために飼い主としてできることを解説していきます。

シェルティの平均寿命は何歳?最高齢はいくつ?

シェルティが属する小型犬、平均寿命が長い傾向があります。では、シェルティは平均すると何歳くらいまで生きてくれるのでしょうか。
最高で何歳まで生き続けたシェルティがいたのかも含めて紹介します。

シェルティの平均寿命は?

シェルティの平均寿命は12~13年。これは同じ祖先を持ち、容姿が良く似ているラフコリーの平均寿命14~16年と比較すると短めです。

反面、体が頑丈で比較的病気になりにくいため、先天的な病気を持っていなければ、平均寿命よりも長生きする可能性は大いにあるでしょう。

事実、正確な記録ではないものの、20歳以上生きたシェルティもいるようです。

シェルティの年齢を人間に換算すると?

ワンちゃんと一緒に生活していると、「この子は人間だと何歳なんだろう?」と思ったことはあるでしょう。一昔前は「ワンちゃんの年齢×7=人間の年齢」と言われていましたが、これは誤りであることが通説となっています。

では、現在はどのように考えられているのでしょうか。

計算式で人間の年齢に換算可能?

2019年11月4日、ラブラドールレトリバーを対象とした、ワンちゃんの年齢に関する研究論文が発表されました。

米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究チームによると、「犬の実年齢の自然対数を16倍して31を加えた数値が、ヒトの年齢に換算した犬の年齢である」ことが判明。これを式にすると、以下になります。

「人間に換算した年齢=16ln(犬の年齢)+31」

そして、この式にワンちゃんの年齢をあてはめたのが、こちらの表です。

ワンちゃんの年齢人間に換算した年齢
1歳31歳
2歳42歳
3歳49歳
4歳53歳
5歳57歳
6歳60歳
7歳62歳
8歳64歳
9歳66歳
10歳68歳
11歳69歳
12歳71歳
13歳72歳
14歳73歳
15歳74歳
16歳75歳

この表でも分かる通り、ワンちゃんは生まれてから1歳までの間に急激に成長し、それ以降は人間に近い早さで老化していきます。

ただし、この研究対象はあくまでもラブラドールレトリバーなので、シェルティにはどこまで当てはまるのかわかりません。

一般的に小型犬ほど寿命が長く大型犬ほど短い傾向があるので、小型犬のシェルティと大型犬のラブラドールレトリバーの年齢が同じとは考えにくいです。
より正確に答えを導き出すためには、今後の研究を待ちましょう。

長生きしてもらうために知っておきたい「お手入れ・運動・食事・病気」

長生きのためには、何よりも大切なのが健康です。
ここでは、健康を維持するために欠かせない、「お手入れ」「運動」「食事」「病気」について、それぞれどんな点に注意すればいいのか解説します。

お手入れの基本はブラッシング

ブラッシングは、最も基本的なワンちゃんのお手入れです。

シェルティは長毛種のダブルコートなので抜け毛が多く、毎日こまめにブラッシングをしてあげる必要があります。特に春と秋、年2回ある換毛期には多くの毛が抜け落ちるので、習慣づけておくと良いでしょう。

放置すると絡まり毛玉ができてしまい、通気性が悪くなることで皮膚疾患を引き起こす恐れがあります。清潔さを保つだけでなく、健康のためにもブラッシングは欠かせません。
シェルティの抜け毛はすごい?被毛の特徴やお手入れも詳しく解説! シェルティの抜け毛はすごい?被毛の特徴やお手入れも詳しく解説!

ストレス発散にもつながる運動

シェルティは元々牧羊犬ということもあり、とても活発で運動欲が旺盛な犬種です。そのため、毎日の散歩に加えて定期的にドッグランや大きな公園で思い切り遊ばせてあげると良いでしょう。

満足に運動させてあげることができないと、運動不足になるだけでなくストレスを溜め込んでしまい健康を害する原因にもなってしまいます。

シェルティは辛抱強く繊細な面があり、ストレスを感じやすい性格をしています。
飼い主さんが積極的に運動できる状況を作り、ストレスを抱えないようにしてあげましょう。

肥満にさせないための食事管理

シェルティは肥満になりやすい犬種なので、散歩を始めとした運動に加え、食事管理をすることで肥満予防をしましょう。

肥満は関節や内臓など、さまざまな面で健康を害する原因になるので、愛犬に長生きしてもらうために若い頃から食事管理を徹底してください。

基本的にはドッグフードのパッケージに記載されている目安に、便の状態と体重の変化を考慮して調整すると良いでしょう。

また、フードの切り替えも重要です。
子犬用のフードは栄養価とカロリーが高いので、成犬になってもそのまま食べさせていると、すぐ肥満になってしまいます。成長が落ち着いたら、成犬用のフードを少量混ぜ、少しずつその比率を増やして切り替えていきましょう。

かかりやすい病気について知る

シェルティは目の病気や皮膚炎になりやすい犬種です。比較的頑丈なので、そこまで神経質になる必要はありませんが、注意点が1つ。ワンちゃんは我慢強い動物ですが、シェルティは特に我慢強い性格をしているので、ケガや病気をしてもなかなか気付きにくいかもしれません。

そのため、ちょっとした変化も見逃さないように、日頃から健康状態を意識しながら触れ合い、定期的な健康診断で病気の早期発見に努めましょう。

下記のページでは、シェルティがかかりやすい病気の症状や原因、治療・予防法を解説しています。愛犬がどんな病気に注意すれば良いのか把握することで、早期発見、早期治療に活かしてください。
早期発見が大切!シェットランドシープドッグのかかりやすい病気 早期発見が大切!シェットランドシープドッグのかかりやすい病気

ブルーマールの子をお迎えする際の注意点

シェルティの毛色には、ブルーマールというレアカラーが存在します。シルバーブルーを基調に黒の班が散らばり、茶色(タン)のマーキングが見られる毛色です。

ブルーマールは、マール遺伝子という特殊な遺伝子を持っておりとても希少性が高い反面、「目が見えない」「耳が聞こえない」「体が弱い」など、先天的に多くのリスクを抱えて生まれてくることもあります。

お迎え前に、その子の遺伝病などについては、しっかり確認するようにしましょう。
シェルティのブルーマールって?毛色は何種類あるの? シェルティのブルーマールって?毛色は何種類あるの?

老化を判断するための健康チェック

人間もワンちゃんも動物は老化すれば心身ともに衰えてしまうものです。老犬になれば、ワンちゃんもそれまでと同じ生活が難しくなるので、変化に合わせた環境を整えなければなりません。

「何歳からが老犬」と区切りがあるわけではないので、見た目や行動の変化から気づけるようにしましょう。

外見のチェックポイント

体型
ワンちゃんも人間同様、年齢を重ねると基礎代謝が低下するため、それまでと同じ食事量でも若い頃と比べて肥満体型になりやすくなってしまいます。
お尻
筋肉量の低下により、若い頃よりもお尻が小さくなります。真上から愛犬の全身を見ると分かりやすいでしょう。
毛の色
人間の白髪のように、ワンちゃんの被毛も少しずつ白くなっていきます。鼻先や口のまわりから体全体に広がっていき、毛質がパサつくこともあります。
被毛の濃さ
新陳代謝の低下やホルモン分泌量の変化により、被毛が薄くなり、場合によっては皮膚が見えるようになることがあります。
フケ
高齢になると皮脂の分泌量が減ることで皮膚が乾燥するため、それまでよりもフケが多くなる傾向があります。
イボやコブ
イボやコブのようなふくらみが現れますが、悪性の場合もあるので注意しましょう。
目の濁り
目のレンズに当たる水晶体が変化して、老齢性白内障など目の病気を患う可能性が高くなります。
口臭
口臭が気になるようなら、歯周病が悪化しているかもしれません。

行動のチェックポイント

呼んでも反応しない
聴力が低下することで、飼い主の呼び声への反応が鈍くなります。
散歩を嫌がる
ケガや病気をはじめ、関節の痛み体力の低下が原因で散歩に行きたがらなくなります。
物にぶつかる
視力や筋力が低下することで歩行が不安定になるため、家具などにぶつかりやすくなります。
歩幅
筋力や筋肉量の低下により、歩幅が狭くなり動きも緩慢になります。
食べ物の好み
あごの筋力の低下や口腔内の不調により食べ物の好みが変わり、柔らかいものや小さいものを好むようになります。
遊びに無関心
それまで大好きだったおもちゃや遊びへの興味がなくなり、物事への関心が低下します。
睡眠時間
ワンちゃんは元々1日の大半を寝て過ごす動物ですが、高齢になるとホルモンの分泌量の変化などにより、それがより顕著になります。
粗相
筋力の低下は排泄行為にも影響します。膀胱の筋力が衰えることで粗相が増えるかもしれません。

老犬になったら飼い主がするべきこと

清潔に保つ
老犬になると粗相することが多くなりからだがで汚れやすくなるので、若い頃以上に清潔さを保つことが大切です。シャンプーは負担が大きいので、おしぼりで全身を拭いてあげるようにしましょう。
コミュニケーションやスキンシップ
高齢になったワンちゃんは自分から甘えてくる元気がないので、飼い主側からコミュニケーションやスキンシップを図りましょう。

言葉をかけてあげたり、スキンシップを兼ねたマッサージをしてあげたり、積極的に接する機会を増やしてあげましょう。
床ずれ防止のために
高齢になると寝たきりになり、自分で体を動かせないため血の巡りが悪くなり、床ずれができやすくなります。

たかが床ずれと考える方もいるかもしれませんが、床ずれからが化膿してしまう恐れがあるので、飼い主さんの手で寝返りを打たせてあげましょう。
心の整理をしておく
どれだけ長生きをしてくれても、いつかは別れのときが訪れます。その「いつか」に備えて心の整理をしておくことも大切です。

まとめ

シェルティは、基本的に体が強い傾向にあるので、飼い主の育て方次第では平均寿命よりもはるかに長生きしてくれることも期待できるでしょう。

愛犬に長生きしてもらうためのポイントは、他の犬種と同じく何よりも健康の維持です。

今回の記事の内容を参考に、生活環境を整え健康を維持し、少しでも長く一緒に暮らせるよう努めてくださいね。

シェルティについて
さらに詳しく