photo by Kaz
他にはない多くの特徴を持ったペキニーズは、賢くしつけやすい犬種といわれています。
本記事では、これからペキニーズを迎えるという方のために、初心者にも分かりやすくしつけの仕方、気を付けたいポイントを紹介します。
目次
ペキニーズはいつからしつけるのが良い?
ペット初心者の方にとって、家族に迎えたワンちゃんの飼育は未知のこと。しつけに関しても、いつから始めれば良いのか悩む方も少なくないようです。
ここでは、まずペキニーズのしつけを始めるタイミングを確認していきましょう。
できるだけ早くから始めるのが理想
ワンちゃんのしつけは、できるだけ早い時期に始めるようにしましょう。可能であれば、「愛犬を家に迎えた日」から始めたいところです。
子犬の学習速度は飼い主が考えるよりも早く、好奇心の赴くままに匂いを嗅いだり、音を聞いたり、飼い主の様子を窺がったり、「目にしたもの」「経験したもの」を吸収していきます。
これは恐怖を覚えるまで続くので、それまでの決して長くない時間でどれだけ多くの物事を経験させてあげられるかが、子犬の成長に大きな影響を与えることになるのです。
ペキニーズをしつける時のポイントは?
ペキニーズは賢く比較的しつけがしやすい犬種といわれていますが、それはしつけが簡単というわけではありません。
ここでは、しつける際はどんなポイントに気を付ければよいのかを解説します。
愛犬の特性を知ること
ワンちゃんをしつけるうえで、まずやったおきたいのは「愛犬がどんな子なのか知ること」です。
ワンちゃんをしつけるに当たり、ペット初心者の多くは。犬種ごとの性格傾向などを調べ、それを基にしつけを始めるでしょう。確かににそれも大事なのですが、それ以上に愛犬の性格や好みなどを理解することが重要です。
ペキニーズの性格は?飼いにくい?
当然ですが、同じ犬種であっても個体差があります。
そのため、「ペキニーズだから」ではなく、「この子の性格だから」という考えでしつけを行いましょう。
叱るよりも褒めることが大切
ワンちゃんへのしつけでは、褒めることを大事にしましょう。叱ったり罰を与えたりするようなしつけは、愛犬と飼い主との関係性を悪くすることになり、最悪飼い主の言うことを聞いてくれなくなる恐れがあります。
ワンちゃんにとって、信頼する飼い主から褒められることは何よりのご褒美です。大好きなおやつやおもちゃと合わせて、しつけが上手にいったら思い切り褒めてあげましょう。
ペキニーズは賢く学習能力が高い犬種なので、何が良くて何が悪いのか、飼い主がしっかりと教えてあげられれば、比較的苦労することなくしつけを覚えてくれます。
社会化期には多くの経験をさせてあげよう
子犬のしつけで特に重要とされる時期が、生後3~12週齢のいわゆる【社会化期】と呼ばれる期間です。この時期は、まだ恐怖心が芽生えていないので、何の障害もなく好奇心の赴くままに多種多様な経験を得ることができます。
この期間中に人間の社会に慣れさせることで、無理なく生活できるようにしつけてあげましょう。
一般的に子犬を迎えられるのは、最短でも生後8週齢から。12週齢になるまでのおよそ1ヶ月を有効に活用するためあらかじめ準備をしておき、ペキニーズが家に来たらすぐしつけを始められるようにしましょう。
経験者でも難しいトイレのしつけ
トイレトレーニングは、ワンちゃんを迎えてまず最初に教えたいしつけです。
ワンちゃんのしつけの中でも特に難しいといわれるしつけでもあるので、このしつけに困る方は多いと思います。
では、トイレトレーニングとは具体的にどんなしつけなのでしょうか。
トイレトレーニングの手順
- ケージ内全体にペットシーツを敷き詰める
- トイレの予兆が見えたらトイレに連れて行き、声をかけながら待つ
- 問題なくトイレを成功した、思い切り褒めてあげる
- ペットシーツを敷く面積を少しずつ狭めていき、最終的にトレイの大きさを目指す
- トイレの場所を覚えて自主的に行けるようになったら完了
トイレをしつけるポイント
愛犬がトイレを覚えるまでは、飼い主がトイレまで連れて行ってあげなければなりません。
まずは、ワンちゃんがトイレに行きたくなるタイミングを知ることから始めましょう。
ワンちゃんがトイレに行きたがるのは、主に以下のようなタイミングです。
- 寝起き
- 食後
- 遊んだ後
この他、床面の臭いを嗅いだり、同じ場所でグルグルと回る場合も合図なので、覚えておきましょう。
また、しつけの際は失敗しても叱ってはいけません。排泄行為そのものを叱られたと勘違いしてしまい、飼い主が見てない場所で粗相するようになってしまいます。
他のしつけと同様、「上手にできたら褒める」を基本にしつけてください。
いざという時役に立つクレートトレーニング
ワンちゃんのしつけの1つに、クレートトレーニングというものがあります。
クレートとは持ち運びできる犬小屋で、このしつけが身に付いていると様々な場面で役に立つでしょう。
クレートトレーニングの必要性
クレートトレーニングは、ハウストレーニングとも呼ばれ、愛犬がクレートで落ち着いて過ごせるようにするしつけです。
クレートとは持ち運びできる犬小屋のようなグッズで、クレートトレーニングを身につければ、どんな場所であっても愛犬が自分のスペースで生活できるようになります。
ワンちゃんのことを良く知らない方の中には「狭い場所に閉じ込められて可哀そう」という意見もあるようです。しかし、犬は元々狭い場所を好むので、クレートはワンちゃんの寝床に最適な空間といえます。
それどころか、逆に広い場所に置かれると、落ち着きがなくなってしまうこともあります。
クレートで過ごすことに慣れてもらう
子犬のうちからクレートに慣れておけば、ある程度は寂しさを感じることなくひとりでも落ち着いて過ごせるでしょう。
また、病院に連れて行く際や旅行、災害時であっても、ストレスを可能な限り抑えて安全に移動できます。
特に災害時一緒に避難するためには、周囲への配慮のためにもクレートは必須なので、万が一のときのためにもクレートに慣れてもらいましょう。
最初は扉や屋根が取り外せるものを選んで、飼い主の顔が確認できるようにしてあげてください。そのうえで、寝床としてケージの中に入れて、クレートに慣れることから始めるといいでしょう。持ち運ぶ状況以外では扉を開けっ放しにして、出入りを自由にさせてください。
最適なクレートの大きさは?
クレートは大きすぎても小さすぎても不都合が生じるので、愛犬のサイズに適した広さのものを選びましょう。
最適な広さは、高さは「頭のてっぺんから+5㎝程度」、広さが「鼻先からお尻まで+5㎝程度」が理想です。
そのうえで、クレートの中で横になって寝ることができ、無理なく頭の位置を変えられれば問題ないでしょう。
ペキニーズの鳴き声は大きい?吠え癖のしつけ方
人間が喋るのと同じように、ワンちゃんは吠える動物です。しかし、無駄吠えが癖になってしまうと、近隣への迷惑になる問題行動となってしまいます。
愛犬を問題のある子にしないためにも、吠え癖を予防する必要があるでしょう。
ペキニーズは吠えることが少ない犬種
ペキニーズは比較的吠えることが少ない犬種ですが、育て方や環境によっては吠え癖がついてしまうこともあります。
ワンちゃんは元々吠える動物なので、完全に吠えなくさせるのは不可能です。
その点を理解したうえで、愛犬に吠え癖をつけないためには何をすれば良いのか、理解しておきましょう。
吠える場合の原因と対処法
吠え癖を直すには、まずどんな理由で吠えているのかを理解する必要があるでしょう。
ワンちゃんが吠える理由は、「何らかの要求がある場合」「不安や恐怖から」などが挙げられます。吠えないようにさせるに、こうした原因を取り除いあげてください。
また、静かにする合図を決めて、覚えさせるのも有効です。どんな合図でも良いので、飼い主が使いやすい言葉がおすすめです。
間違っても「うるさい!」など大きな声で叱りつけるのは止めてください。無駄吠えを助長してしまうことになりかねません。
噛み癖のしつけ方
ワンちゃんの代表的な問題行動の1つに噛み癖があります。
小型犬は噛む力が弱いので大事になることは少ないですが、決して放置して良い行動とはいえません。
子犬の甘噛みも無視は厳禁
ワンちゃんは物を咥えることからも分かるように、人間の手のように口を使います。そのため、飼い主にじゃれて噛み付くことも珍しくありません。
子犬であればまだ噛む力が弱いので、飼い主としては許してしまいがちですが、これを放っておくと将来噛み癖になり、後々問題に発展してしまう恐れがあります。問題が起きてからでは遅いので、「甘噛みだから」と見逃さずに、子犬のうちにしつけておきましょう。
噛み癖のしつけで最も有効なのは無視です。噛んだ瞬間に叱るのも有効ですが、場合によっては飼い主の反応を喜んで悪化する可能性があります。
そのため、徹底的に無視して、噛んでも構ってもらえないことを覚えさせましょう。
また、噛むおもちゃを与えて、噛んでも良い物と悪い物を教えるのもおすすめです。
おすわり・まて・ふせの必要性としつけ方
問題行動を防止するためのしつけ以外にも、ワンちゃんにしてほしいことを教えるしつけがあります。
「おすわり」や「まて」に代表されるこれらは、さまざまな場面で役に立つので、絶対に覚えさせたいしつけです。
おすわりの教え方
- おやつなどのご褒美を手に持って見せて、ワンちゃんにご褒美を意識させます。
- ご褒美をペキニーズの頭上へ持っていきながら、「おすわり」と声にしてください。
- ご褒美を目で追うと頭が上を向くので、腰が落ちて自然とおすわりになります。
- ペキニーズが「おすわり」をしたら、褒めてあげてご褒美を与えてください。
まての教え方
- まずはおすわりをさせて、手に持ったおやつを見せましょう。
- おすわりをさせて数秒待ってから、おやつを与えてください。
- 2ができたら、「おすわり→おやつをあげる」まで、待たせる時間を延ばしていきます。
- おすわりをさせてる間に「まて」と声をかけましょう。
- 我慢できずにすぐ食べてしまったら、1からやり直してください。
ふせの教え方
- おすわりをさせてから、手に持ったおやつを見せます。
- 「ふせ」と指示して、おやつを持った手を下に移動させます。
- 頭が下がって、「ふせ」の姿勢になります。
- お腹が床についてふせができたら、褒めておやつをあげましょう。
- 飼い主が体育座りをして、脚でトンネルを作ります。
- 「ふせ」と言って、トンネル越しにおやつを見せましょう。
- そのまま、ペキニーズが膝下のアーチをくぐるようにおやつを見せて誘導しましょう。
- トンネルを潜ると、自然と「ふせ」の体勢になるので、そのままの姿勢で褒めておやつをあげてください。
成犬のしつけは難しい?
世間でワンちゃんを迎える方の多くは子犬ですが、中には成犬を迎える方もいらっしゃるでしょう。その際、どうしても気になるのが「成犬でもしつけはできるのか」ということだと思います。
実際、成犬にしつけはできるのでしょうか。
子犬のしつけより時間がかかる
ワンちゃんのしつけは、一般的に子犬の頃に行うのが理想的ですが、成犬にしつけができないわけではありません。
しかしながら、成犬へのしつけは、子犬へのしつけに比べ時間がかかってまうことは理解しておく必要があります。何も知らない子犬であれば素直に従うところ、成犬はそれまでの経験や習慣が邪魔をして、なかなか受け入れられないこともあるでしょう。
とはいえ、子犬でも成犬でも、基本的なしつけ方法は同じです。
自分でのしつけが難しいと感じたら、思い切ってプロにお任せするのもいいでしょう。間違ったしつけでは、悪くなりこそすれ、良くなることはありません。
まとめ
ペキニーズは落ち着いた性格で、吠え癖や噛み癖といった問題行動はしにくい犬種です。賢いのでしつけの覚えも早く、初心者でも飼いやすい犬種といえるでしょう。
しかし、マイペースで頑固なところもあるので、そうした面が強く出ると飼育で困ることもあるかもしれません。
今回の記事を参考に、子犬の頃からしっかりしつけてあげてくださいね。
下記ページでは、ペキニーズの飼い方について詳しく解説しています。こちらも合わせてご覧ください。
著者/ブリーダーナビ編集部