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ペキニーズがかかりやすい病気とは?
ペキニーズは遺伝性の病気が少なく、一般的に健康で丈夫な犬種です。そのため、食事に気を付けていれば、長生きはすることも難しくない犬種といわれています。
とはいえ、全く病気にかからないというわけではありません。
例えば、ペキニーズは心臓が強くないので、高齢になるとかかりやすい「僧帽弁閉鎖不全症」という心臓病に、比較的早い年齢で発症することがあります。高齢になったら、定期的な心臓検診を受けるといいでしょう。
また、短頭種がかかりやすい、呼吸器系の病気にも注意しましょう。
そのほか、長毛のロングコートという被毛の都合上、寒さには強いものの暑さには弱いので、熱中症などには注意が必要です。
小型・短頭種のペキニーズが気を付けたい病気
短頭種気道症候群
頭蓋骨の長さに比べて鼻の長さが短い、短頭種という犬種に発症する、呼吸器症状を特徴とした病気です。短頭種のわんちゃんは、「鼻腔狭窄」「長すぎる軟口蓋」「声門の狭窄」になりやすく、こうした症状が複合して現れた場合に「短頭種気道症候群」と診断されます。
呼吸しづらくなるだけでなく、呼吸困難から泡を吐き失神することもある、決して油断できない病気です。加齢や肥満で症状が悪化するので、注意しましょう。
短頭種は肥満になると呼吸不全になるリスクが高くなるので、予防のためにも体重管理を徹底しましょう。高温多湿な環境にいると症状が急激に悪化するため、夏場の外出や室内の温度・湿度管理には気を付けてください。
気管虚脱
気管支が押しつぶされ変形することで発症する呼吸障害です。遺伝や肥満、老化などが関係していると考えられており、小型犬に多く見られます。
症状が軽いうちは軽い咳が出る程度ですが、進行すると呼吸音が異常になり、重度呼吸困難やチアノーゼ、失神などの症状を引き起こし、最悪窒息死してしまうこともあります。
過剰に脂肪がつくと気管が圧迫されてしまうので、肥満にならないよう体重管理は必要です。また、体温調節のためのパンティングで症状が悪化するので、夏場は室内の風通しを良くし、室温を管理してください。過激な運動をしたり興奮したりすることでも気管支を刺激して症状が現れることがあるので、気を付けましょう。
普段から咳や舌の色などをチェックして、咳や喉鳴りなどの症状が出た場合は、早めに動物病院で診断してもらってください。
肥満が原因で患うことも
椎間板ヘルニア
椎間板とは、背骨を構成する椎骨の間に存在する円形の線維軟骨のことで、その椎間板が外からの圧力により変形し、脊髄を圧迫・障害することで神経症状を引き起こす病気です。
ペキニーズのような足の短い犬種は、遺伝的に発症しやすいことで知られています。また、フローリングでの生活やソファの上り下りなど生活習慣が原因を引き起こす場合が考えられます。
抱き上げると痛がる、動くことを嫌がる、歩くとフラつく、などの症状がみられ、重症化すると四肢の麻痺や排尿・排便困難になることも。
過激な運動やケガなどが原因で脊髄に強い圧力が加わる、老化などが主な原因として考えられています。椎間板が突出した位置により、影響を受ける神経部位が異なるため、発現する症状も異なります。
予防のためには、「高い段差の上り下り」「滑りやすい床材は避ける」「ジャンプや過度な運動はさせない」などの注意が重要です。また、体重が増加すると椎間板にかかる負担が大きくなりヘルニアの発症率が高くなるので、肥満にならないよう食事や運動の管理をしておきましょう。
特徴的な目にも気を付けよう
結膜炎
まぶたの裏側にある結膜という部分が炎症を起こす眼病で、ウィルスや細菌などによる感染やアレルギー、異物、外傷によって発症する病気です。「結膜が赤く腫れる」「涙が出る」「目ヤニが出る」どの症状が見られるようなら、結膜炎である可能が高いでしょう。
結膜炎は、目に異物が入ったり植物で目を軽く傷つけたりするだけでも、なってしまう可能性がある病気です。つまり、元気な状態であろうと関係なく、いつ何時なってしまうか分かりません。一方で、症状自体は比較的分かりやすいので、定期的に目のチェックをするようにすれば、異常があってもすぐに気付くことができるでしょう。「白眼の充血」「涙量の増加」といった症状が確認できたら、すぐに動物病院で診てもらってください。
白内障
目のレンズ部分である水晶体が白く濁ってしまい、視力の低下――引いては失明に至る目の病気です。加齢とともに発症する「老年性白内障」や若齢のうちに発症する「若年性白内障」があり、若年性は外傷、遺伝的な要因などにより発症します。
「柱や壁などによくぶつかる」「段差につまずく」「階段の昇り降りや暗いところで動くことを嫌がる」ような素振りを見せるようなら、白内障を患っている恐れがあります。
白内障は、一度患うと手術することでしか完治は見込めません。ただし、早期発見できれば、薬で病気の進行を遅らせることができるので、定期的な検査を受けるといいでしょう。
「黒目の部分が白くなっている」「歩き方がおかしい」といった異常に気付いたら、早めに動物病院で診察してもらってください。
高齢になったら定期的な心臓の検査を
僧帽弁閉鎖不全症(MR)
心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁が、加齢などの原因で変性し閉鎖不全が生じる、血液の逆流や血液の循環不全が起きる病気で、特に高齢の小型犬が多く発症します。
初期段階に目立った症状はなく、ワンちゃんも元気なため、気付くことは難しいでしょう。
症状が進行すると、運動を嫌がったり、ゼーゼーした咳をしたり、激しい運動や興奮時に倒れることもあります。重篤化すると、肺水腫や呼吸困難、チアノーゼなどの症状が現れ、最悪の場合死亡してしまうこともあります。
可能な限り早く見つけるためにも、ある程度の年齢になったら、定期的な検診を受けて心臓を診てもらうといいでしょう。
まとめ
ペキニーズは、犬種特有の先天的な遺伝子疾患もなく、比較的健康で丈夫な犬種といわれています。しかし短頭種であるため、呼吸器系の病気には気を付ける必要があるでしょう。
また、長毛ダブルコートという被毛を持っているので暑さには弱く、日本の夏のような気温だけでなく湿度も高い環境では熱中症に気を付けてください。
そのほかにも、目が大きいので眼球が傷つきやすい点にも注意が必要です。
ペキニーズの飼い方については、下記のページでも解説しています。こちらも参考にしてみてくださいね。
初心者向けペキニーズの飼い方!飼いにくい犬種なの?
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著者/ブリーダーナビ編集部