優雅な外見と小柄な体が魅力のパピヨンですが、意外にも運動が大好きで活発な性格の犬種です。小型犬の中では比較的多くの運動量を必要とする犬種なので、可能であれば毎日散歩に連れて行ってあげたいところ。
本記事では、1日に必要な時間や回数、気を付けたい時期や注意点など、パピヨンを飼ううえで知っておきたい散歩の情報について解説します。
パピヨンは散歩しないで大丈夫?時間・頻度・距離は?
一般的に、小型犬は運動量が少ない傾向にあります。では、小型犬に属するパピヨンも、それほどの運動量は必要がない犬種なのでしょうか。
ここでは、パピヨンは毎日散歩が必要なのか、1日どれだけの時間・頻度・距離の散歩をすれば満足させられるのについて確認していきましょう。
パピヨンは毎日の散歩が必要な犬種
蝶のように大きな耳と美しい被毛から優雅なイメージのパピヨンですが、実はとても活発で運動好きな犬種です。
見た目に反し身体能力が高く丈夫で体力もあり、小型犬にしては運動量が多いので、室内の遊びだけでは満足できないことも。
運動不足はストレスを溜める原因にもなるため、毎日の散歩や外での運動でしっかり体を動かせるようにしてあげましょう。
ただし、小型犬は骨が細く関節が弱いので、骨折や脱臼などのケガには注意しましょう。
パピヨンの散歩時間、頻度、距離はどれくらい?
上述したようにパピヨンは運動好きな犬種なので、他の小型犬よりもしっかりと運動させる必要があります。では、運動が大好きなパピヨンの散歩は、1日どれくらいの距離・時間がが適切なのでしょうか。
1日の目安としては、朝と夕方に2回、各30分ほど。合計で1日1時間程度の散歩時間で、1~2km程度のが距離が必要です。
小型犬の散歩は気分転換やストレス発散の意味合いが強いですが、パピヨンの場合はそれよりも少し長めの散歩で、しっかり歩かせてあげましょう。
さらに1週間に1回程度、広い公園やドッグランで思い切り走らせるような運動もさせてあげるのもおすすめです。
夏、冬の散歩は時間帯に注意
パピヨンはフランス原産の犬種ですが、現在国内にいるパピヨンはシングルコートの個体が多いため、寒さに弱い傾向にあります。
そのため、特に寒さが厳しい冬場の散歩は、しっかりと防寒対策をしたうえで出かけるようにしましょう。
また、小型犬であるパピヨンは頭の位置が低いので、間近でアスファルトの熱を感じることになります。少しでも負担を減らすために、冬はできるだけ温かい日中に、逆に夏は比較的涼しい早朝や日没後に出かけると良いでしょう。
パピヨンの散歩はいつからOK?必要なグッズやマナーも
上述したように、パピヨンは運動好きな犬種ですが、迎えたその日から散歩をさせるわけにはいきません。では、散歩デビューはいつできて、どんな準備をしておけば良いのでしょうか。
散歩デビューはワクチン接種を終えてから
パピヨンの子犬を迎えても、すぐにお散歩に連れていくことはできません。
子犬の引き渡し時期は生後60日頃ですが、生後2~3ヶ月の子犬は免疫が失われ感染症にかかりやすい状態です。
そのため、感染症対策としてワクチンの接種をせず散歩に出かけるのは絶対に止めてください。
本格的な散歩デビューはワクチンプログラムを終えて、獣医師からOKが出てからになります。しかし、子犬のうちに人間社会に慣れてもらう必要もあるので、4~5ヶ月頃までにワクチン接種が終わっていない場合は、獣医師からの許可を得たうえで、抱っこ散歩で外の空気に触れさせてあげましょう。
揃えておきたいお散歩グッズ
長さを調整できる「フレキシブルリード」や手ぶらになれる「ハンズフリーリード」など、さまざまな種類から選ぶことができます。
小型犬は首が細くリードを引くと気道が閉まってしまうので、首に負担がかかる首輪よりもハーネスを利用するといいでしょう。
周囲に存在を知らせるために、散歩用のライトや発光する首輪などを準備しましょう。
トレイがセットになった水筒など、ワンちゃんの散歩用のグッズもありますが、一般的なペットボトルでも問題ありません。
散歩する際の注意点
ワンちゃんの散歩は、基本的に公道や公園など、不特定多数の人間が利用する場所なので、マナーを守ることが求められます。
例えば、リードの装着や排せつ物の処理は、飼い主が守るべき最低限のマナーといえるでしょう。
また、他人に迷惑をかけないためにも愛犬の身を守るためにも、飛びつきや無駄吠え、噛み癖を防止するためのしつけは必要です。
そのほか、公園など屋外でブラッシングをするのは、抜け毛が飛散してしまうので止めましょう。
パピヨンを散歩させるために必要なしつけ
ワンちゃんを飼ううえで、しつけは絶対に必要です。それは、散歩も例外ではなく、家の外という、不特定多数の人や物に接触する場所だからこそ、周囲への配慮、なによりも愛犬の安全を守るためにも必要不可欠といえるでしょう。
散歩中に良くあるトラブル
たばこの吸い殻や有毒な草花など、最悪生命に関わる有害な物も少なくないので気を付けましょう。
相手が小さな子どもや高齢者の場合ケガをさせてしまう恐れがあり、中には犬が苦手な人もいるでしょう。
場合によっては大事になる可能性もあるので、家族以外には飛びついてはいけないと教えてあげてください。
問題行動に有効なしつけ『リーダーウォーク』
上述した問題行動をさせないために有効なしつけが、『リーダーウォーク』です。
リーダーウォークとは、「ワンちゃんが自発的に飼い主の横を歩かせるしつけ」で、これを覚えさせれば飛びつきや引っ張り癖はしなくなり、拾い食いを止めさせることもできます。
では、どのようにしつければ良いのでしょうか。
まずは、静かで愛犬が集中できる室内で、普段の散歩と同じような状況を作り、常に飼い主の横を歩くようにしてください。
基本は、「歩きながら時々立ち止まる⇒先に行こうとしたらリードを引く」の繰り返しです。リードを引いて定位置に戻ってきたら、おやつをあげて褒めてあげてください。
室内でできるようになったら屋外の静かな場所で練習して、最後に人が多い公園などでできるようになったら完了です。
散歩を嫌がる場合の対処法
運動好きなパピヨンですが、それでも散歩を嫌がる子は存在します。強引に散歩へ連れて行っても、ストレスを与えてしまい飼い主への信頼を損ねることになるため、無理強いは避けましょう。
ここでは、散歩を嫌がる場合のワンちゃんの行動と、その解決方法を紹介します。
こんな行動は散歩を嫌がっているかも
少しでも気になることがあれば、動物病院に連れて行ってください。
首輪のように直接身に着ける物は、なかなか慣れてくれません。最初はおもちゃのように触らせたり遊ばせたりするだけでも良いので、嫌なものでないことを教えてあげましょう。
また、散歩自体は問題なくても、特定の人や物、場所を嫌がる場合もあるので、何を怖がっているのか、原因を探ってみましょう。
散歩好きになってもらうために
例えば、極少量のおやつをこまめに与えて、散歩に慣れるまでは帰りたがらないような状況を作ってあげることが有効です。
少しずつおやつの回数を減らしていき、最終的におやつがなくても散歩できるようになるのが目的です。
散歩が嫌いでない子でも、人が多かったり車の通りが激しかったりすると萎縮してしまう場合があるので、慣れるまでは車や人通りが少ないルートを歩いてください。
特定の場所で立ち止まったり先に進みたがらなかったりするようなら、その場所を避けて散歩をしましょう。
愛犬に無理はさせず、楽しめる状況を作ってあげてください。
ただし、愛犬主導で散歩をしていると、今度は飼い主の指示を聞かなくなるので、好き勝手に動く場合は一旦止まり、愛犬が大人しくなってくれるまで待ちましょう。
まとめ
小型犬は比較的運動量が少ない傾向にありますが、パピヨンは活発で運動好きなので、毎日の散歩はもちろん、少し激しい運動も積極的にさせてあげられると良いでしょう。
ですが、中には理由があって散歩を嫌がる子もいます。
飼い主としては、楽しんで散歩をしてもらいたいと思うもの。
今回の内容を参考に、愛犬に散歩を好きになってもらえるよう、飼い主としてできる限りのことを行って、楽しいお散歩時間をお過ごしくださいね。
パピヨンの性格については下記ページで解説しています。気になる方はこちらもご覧ください。
パピヨンの性格は?飼いにくい?
著者/ブリーダーナビ編集部