パピヨンの特徴の1つが、その長く優雅な被毛でしょう。
短毛の犬種と比べて手間はかかってしまいますが、ポイントさえ理解できていれば、それほどお手入れが大変というわけではありません。
本記事では、パピヨンの抜け毛対策を始めとした被毛のお手入れについて解説します。
目次
パピヨンは抜け毛が多い?抜け毛が増える時期とは?
パピヨンの被毛の特徴として、長い毛はくせのない直毛で、触り心地は絹のようになめらか。大きな耳をはじめ、胸や四肢、しっぽには「飾り毛」が生えています。
ワンちゃんの被毛のお手入れといえば、ブラッシングによる抜け毛対策ですが、パピヨンは抜け毛が多い犬種なのでしょうか?
抜け毛がすごいわけではないけど換毛期は注意
パピヨンは、長毛で比較的抜け毛が少ないシングルコートの犬種です。ただし、パピヨンであっても、系統によってはダブルコートの個体も存在し、そちらはかなりの量の抜け毛があります。
基本的にどちらのタイプであっても年に2回、毛が生え変わる換毛期があり、その期間は抜け毛が特に多くなるので注意しなければなりません。
パピヨンの子犬は急に毛が抜け落ちることがある?
パピヨンの子犬は、生後4ヶ月頃になると毛が激しく抜け落ちてしまいます。この時期は通称『ハゲ期』と呼ばれ、一時的とはいえ毛が少なくなるため、初めての方はとても驚くことでしょう。
この生え変わりは、乳歯が永久歯に生え変わるようなもので、子犬の被毛であるベビーコートが抜けて、下から大人の毛が生えてきます。ただ、大人の毛が生え揃うまではそれなりに時間がかかるため、その間は不格好なままです。
とはいえ、パピヨンの子犬には普通に訪れる時期で、特別病気というわけではないので、心配する必要はありません。
抜け毛対策①「ブラッシングの頻度とやり方」
ワンちゃんを飼う以上、被毛のお手入れとしてブラッシングは欠かせません。
パピヨンの抜け毛は少ないといっても、ある程度の頻度で定期的にケアしておかないと、毛玉ができてしまいます。
では、パピヨンのブラッシングは、どの程度行えばよいのでしょうか
ブラッシングはできれば毎日
抜け毛対策の基本といえばブラッシングです。
上の項目でも説明したように、パピヨンはシングルコートの被毛を持つ犬種なので、抜け毛はそれほど多くありません。とはいえ、ブラッシングは他の犬種と同様に必要なお手入れです。
抜け毛の処理だけでなく、パピヨンの特徴でもある被毛を美しく保つためにもブラッシングは有効なお手入れなので、できれば毎日やってあげましょう。
また、ブラッシングには被毛のお手入れだけでなく、皮膚を刺激することで血行を良くするマッサージ効果があるため、皮膚病の予防も期待できます。
ブラッシングにはどんなブラシが必要?
長毛種の抜け毛・不要な毛を取るのに向いていて、ピン先でしっかり被毛をブラッシングできる使いやすいブラシです。
ブラッシングのやり方とポイント
パピヨンの被毛は非常にデリケートなので、キレイに保つためには手間をかけてお手入れする必要があります。そのため、面倒だからと簡単に終わらせようとせず、コームとピンブラシでブラッシングしてください。
具体的には、まずコームで毛の流れを整えてから、マッサージも兼ねてピンブラシでやさしくブラッシングするとよいでしょう。
特徴的な耳の飾り毛は、やさしくほぐしてからコームで梳かすと可愛く仕上がります。
毛玉を無理に引っ張るなど、痛い思いをさせてしまうとブラッシングに嫌なイメージを持ってしまい、それ以降はブラシを見ただけで逃げるようになってしまいかねません。
ブラッシングは、何よりも丁寧に行うことを心掛けてください。
抜け毛対策②「シャンプーの頻度とやり方、トリミングサロンでの料金」
人間の髪の毛と同じく、ワンちゃんの被毛もシャンプーすることで汚れを落とし清潔さを保つことができます。また、余分な毛を洗い落とすことができるので、ブラッシング同様、抜け毛対策にもなるのです。
ただし、過度なシャンプーは逆に健康を損なう原因にもなりかねないので、ご自宅で行う場合は注意してください。
パピヨンのシャンプーはいつから?頻度は?
子犬のシャンプーは、ワクチンプログラムを終えてからになります。
生後2~3ヶ月の子犬は、母犬の初乳からもらった免疫が徐々に失われ、さまざまな感染症にかかりやすい状態にあるので、まずは感染症に対する免疫をつける必要があるのです。
ワンちゃんは人間よりも皮膚が薄く弱いので、毎日シャンプーをすると必要な皮脂まで洗い流してしまい、皮膚炎などの病気の原因を作ることなりかねません。
そのため、月に1~2回程度を目安に、愛犬の被毛や皮膚の状態をみながらシャンプーをしてあげるとよいでしょう。
特に散歩で汚れやすい首回りやお腹周辺、足などは重点的に洗ってあげましょう。
また、パピヨンは飾り毛が汚れると目立ってしまうので、しっかりとケアしてあげる必要があります。
シャンプーに必要なものと準備
- 犬用シャンプー、リンス
- ブラシ(コーム)
- タオル
- ドライヤー
そのうえで、シャンプーで汚れが落ちやすく、被毛が絡んでしまうのを防ぐために、ブラッシングで毛玉やホコリなどを取り除いてください。
ワンちゃんにとってシャンプーは飼い主が考える以上に大きな負担なので、少しでも早く終わらせてあげるために余計な手間を省き、可能な限り短時間で終わらせてあげましょう。
シャンプーの手順
ワンちゃんの皮膚は薄いため人間よりも熱さに敏感です。人の手では温めに感じる、35~38℃位のお湯で全身を濡らし、シャンプー前の予備洗いをしていきます。
ワンちゃんは顔が濡れるのを嫌がるので、できるだけ顔が濡れる時間を減らすために、顔は最後に濡らします。まずはお尻や後ろ足から徐々にシャワーをかけていき、顔や頭は最後に濡らしてください。
まずはタオルで被毛の水分を吸い取るように、優しくポンポンと拭いてあげましょう。ゴシゴシと力を入れて拭くと、皮膚への負担になってしまうので、あくまで優しく拭いてください。
この後ドライヤーで本格的に乾かしていきますが、ドライヤーの熱風は長時間当てると火傷などの原因になってしまうので、タオルでどれだけ水気を取れるかが重要です。
この際、毛をかき分けて根元から当てるようにすると素早く乾かすことができます。
シャンプーで被毛が絡まってしまうこともあるため、乾かした後は丁寧なブラッシングで流れを整えてあげましょう。
プロにお任せするのもおすすめ!費用はどれくらい?
ワンちゃんのシャンプーは、時間をかけてしまうと大きな負担になってしまいます。そのため、ご自宅で行う場合は思ったようにできないかもしれません。
無理にやろうとしても、愛犬がよりシャンプーに抵抗するようになってしまうので、難しいと感じたらトリミングサロンでお願いするなど、プロにお任せすることをおすすめします。
地域やお店によって金額に若干の違いはありますが、パピヨンのシャンプー料金は概ね3,000~5,500円としていることが多いようです。
トリミングサロンなら、ご自宅では難しい肛門腺絞りなどのお手入れも合わせてやってくれるので、シャンプー以外のお手入れもお願いしたいと考えている方にもおすすめです。
抜け毛対策③「洋服を着せる」
近年は愛犬に洋服を着せる飼い主さんも増えてきましたが、ワンちゃんの洋服は抜け毛対策としても有効なことをご存じでしょうか。
パピヨンは比較的抜け毛が少ない犬種ですが、それでも毛が飛散してしまうと部屋のお掃除が大変です。また、散歩などの外出時であれば抜け毛を巻き散らすことになり、周りに迷惑をかけることになりかねません。
洋服を着せていれば、抜け毛の量は変わらないものの抜け毛が飛び散るのを防ぐことができるため、ドッグサロンやカフェで迷惑をかけずに済み、自宅の掃除も大分楽になるでしょう。足元が締まっているタイプの服は、特に効果的です。
抜け毛対策④「掃除や洗濯の注意点」
抜け落ちたワンちゃんの毛は、放っておくと塊になってノミやダニの温床となり、ハウスダストの原因になってしまいます。そのため、衛生的に考えてこまめな掃除が必要です。
掃除で気を付けること
部屋の掃除の際は床がフローリングなのか、カーペットなのかで掃除方法を変えましょう。
フローリングの床を掃除する場合、掃除機を使うと排気で飛び散らせてしまうので、基本的にはフローリング用のワイパーを使ってください。
部屋の角から中央に向かって、集める用に掃除するのがポイントです。ある程度掃除をし終えたら、窓を開け換気しながら掃除機をかけてください。
一方、カーペットや絨毯などを掃除する場合は、最初に粘着ローラーで表面の毛を取りましょう。その後、中に入り込んだ毛を掃除機で吸い取ればきれいになります。
また、掃除用具は生活圏内の手に届く場所に置いておき、気が付いたらすぐに掃除できるようにしておくとよいでしょう。
洗濯のポイント
愛犬と接触した飼い主の服やワンちゃん用の洋服をまとめて洗濯機で洗ってしまうのは、他の衣類に抜け毛が付着してしまう恐れがあります。
そのため、基本は別々に洗うようにして、一緒に洗うのであれば、「事前に抜け毛を落としておく」「抜け毛がついた服を洗濯ネットに入れる」などの対策が必要です。
そのほか、以下のような対策も有効です。
- 洗濯機の水量を多く設定する
- スポンジタイプの洗濯ボールを使う
- 柔軟剤を使う
- 干す時は残った毛を払い落とす
まとめ
パピヨンといえば、特徴的な耳に代表される長く美しい被毛でしょう。
基本的に抜け毛は少ないものの、お手入れを怠ると絡んで毛玉になったり汚れが目立ったりと、愛犬の可愛らしさだけでなく健康まで損なってしまう恐れがあります。
日頃の丁寧なお手入れは、飼い主と愛犬との貴重なスキンシップの時間でもあります。
今回の記事の内容をもとに、愛犬との絆を深めるためにもお手入れしてくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部