狩猟犬としての血筋
ミニチュアダックスフンドの誕生は、ほら穴に住むアナグマや野ウサギなどを捕まえるためでした。そのため、この頃の名残があるのか『吠える・噛みつく・追いかける』の3つの行動特性があるため、しつけをする際もこの特性をコントロールする必要があります。
また、もともととても利口な犬ですので、きちんとしつけを覚えさせれば吠え癖も直すことは可能です。では、どのように吠え癖を直していけばよいのでしょうか。
ただ無駄に吠えているわけではない!
吠えることは生まれ持った習性
犬の習性と本能は、遠い祖先でもあるオオカミから受け継いだものです。そこから私たち人間が生活しやすいように、様々な用途目的で改良したり、繁殖したりを繰り返して現在の家庭犬があるといわれています。
祖先でもあるオオカミの血を引いているためか、“吠える遺伝子”を犬たちは持っています。そのため、成犬になれば多かれ少なかれ吠えるものなのです。犬にとって吠えることは「当たり前」のこと。でも、人間にとっては「問題行動」になるため、犬が人間社会で共存するためにも子犬の頃からきちんとしつけをする必要があります。
吠える原因はたったの2つ!?
犬は、ただ吠えたいからという理由で無駄に吠えているのではありません。祖先であるオオカミでさえ、吠える理由がきちんとあります。
【オオカミが吠える理由】
・仲間との絆を確認し合うため(社会的目的)
・他の動物に自身のなわばりを知らせ、近づけさせないようにする
・群れからはぐれた時に仲間を見つけるため(オオカミの吠え声は数km先まで通るといわれています)
このように、オオカミであっても遠吠えにはきちんと理由があるのです。
では、ミニチュアダックスフンドの吠え癖はどんな理由があるのでしょうか。それは「警戒吠え」と「要求吠え」という大きく2つの理由があります。
「ん?警戒吠えと要求吠え?」と思われる方もいるかと思いますので、どんな吠えなのかを詳しく解説していきます。
警戒吠えについて
不安や恐怖から吠えてしまう
photo by vagawi
「警戒吠え」とは、何かに対して不安や恐怖を抱いたときに吠える行為です。
例えば…
・他の犬とすれ違ったとき
・家族以外の知らない人が近づいたとき
・外の物音や玄関のチャイムが鳴ったとき
・踏切や車の音などの大きな音を聞いたとき
など
このようなときに吠えるのは恐怖心からくるのが原因といわれています。
どうすれば吠えることを止めさせられる?
まずは、吠えた瞬間に「ダメ!」「NO!」など短い単語で叱ります。そして静かになったら「よくできたね」「えらいね」とすぐに大げさなぐらい褒めてあげましょう。それを何度も繰り返すことが大切です。
繰り返していくうちに鳴き声が「ワンワン!」から「グフッ!グフッ!」と変化してきたら、吠えることはよくないことだと理解し始めてきたといえます。
吠えないように環境を作ってあげることも大切
お散歩へ行く度にすれ違う他の犬に対して吠えてしまう場合は、他の犬とすれ違わないように時間や進路を変えたり、飼い主が立つ位置をずらして他の犬を視界から入らないようにしたりすることで、吠えることを抑えることができます。
『怖い』というイメージを変えてあげる
「警戒吠え」の多くは、家族以外の人に対して恐怖心を抱いていることが原因だといわれています。
お散歩中や来客時に吠えてしまう場合は、犬が吠えている対象人物にお願いしておやつをあげてもらいましょう。お散歩中であれば、よく会う人やご近所さん、向こうから「かわいいね」と近寄ってきた人であれば頼みやすいかと思います。
この時、それでも吠えてしまう場合は問題ありません。まずは「この人は怖くないよ、おやつをくれるいい人だよ」と認識させることが大切です。
また、おやつをあげる方法は音に対して吠えてしまう場合も有効です。例えばチャイムに対して過剰に反応してしまう子には、チャイムが鳴ることでおやつがもらえると認識させるようにしてみてください。そうすることで「チャイムが鳴るとおやつがもらえる!」と思い、吠え癖が改善される場合もあります。
もし上記の方法を試しても改善されない場合は、獣医師やドッグトレーナーに相談してみることをおすすめします。
著者/ブリーダーナビ編集部