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愛犬とはいつまでも一緒にいたいもの。ですが、いずれ別れは訪れます。では、少しでも長く生きてもらうためには、どんなことに気を遣えばよいのでしょうか。
今回は、ダックスフンドに長生きしてもらうために心がけたいこと、やっておきたいことを詳しく解説します。
ダックスフンドの平均寿命は何年?最高齢やギネス記録は?
アニコム損保の調査によると、ミニチュアダックスフンドの平均寿命は14.7歳、カニンヘンダックスフンドの平均寿命は14歳でした。
犬種別に見ると、ミニチュアダックスフンドは第2位、カニンヘンダックスフンドは第9位。全体的に、小型犬の方が平均寿命が長い傾向にあるのですが、ワンちゃん全体の平均寿命が13.7ということを考えると、どちらも平均より長生きの犬種といえるでしょう。
ダックスフンドの最高齢は21歳
現在記録に残っている世界最高齢のダックスフンドは、シャネルという名のメスのワイヤーヘアードダックスフントです。
英国のギネス記録に登録された年齢は21歳。これは、人間だと147歳に相当するということで、いかに長生きなのか理解できますね。
シャネルは2009年8月28日、米ニューヨーク市郊外の自宅で老衰のため亡くなりました。
参考 世界最高齢の犬、21歳の誕生日迎えギネス記録更新REUTERS 参考 21歳の世界最高齢犬が老衰死SHIKOKU NEWS
年齢換算表
犬の年齢 | 人間の年齢に換算した場合 |
---|---|
2ヶ月 | 3歳 |
6ヶ月 | 9~10歳 |
1歳 | 15~18歳 |
2歳 | 22~24歳 |
3歳 | 27~28歳 |
4歳 | 31~33歳 |
5歳 | 36~37歳 |
6歳 | 41~42歳 |
7歳 | 45~46歳 |
8歳 | 48~51歳 |
9歳 | 54~55歳 |
10歳 | 56~60歳 |
11歳 | 63~64歳 |
12歳 | 68~69歳 |
13歳 | 71~73歳 |
14歳 | 77~78歳 |
15歳 | 80~82歳 |
16歳 | 85~87歳 |
17歳 | 89~91歳 |
18歳 | 93~96歳 |
19歳 | 98~100歳 |
20歳 | 100~105歳 |
※表の年齢はあくまで目安です。犬種や飼育状況などによって個体差があります。
ダックスフンドに長生きしてもらうためにできることは?
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愛犬にできる限り長生きしてもらうには、どんなことに気を付ければいいのでしょうか?
ここからは愛犬の健康を守るために、飼い主ができること、気を付けるべきことを解説していきます
予防接種を欠かさない
ワンちゃんも生き物である以上、病気のリスクを完全に避けることはできません。しかし、感染症など病気のリスクは、予防接種で低くすることは可能です。
命に関わる感染症を予防するために、ワクチン接種は必ず行いましょう。
ワンちゃん用の感染症ワクチンには、法律で義務付けられたものと任意接種となる混合ワクチンがあります。混合ワクチンは5~8種あり、定期的なフィラリア症予防、ノミ・マダニ対策も必要です。
感染症に感染してしまうと、可愛い愛犬に苦しい思いをするだけではありません。他のワンちゃんにも感染させてしまうリスクも生じてしまいます。
こうしたリスク対策として、予防接種は欠かせないのです。
定期的な健康診断
人間同様、ワンちゃんも年齢を重ねれば病気のリスクが高まります。
そのため、まだ若い頃から定期的に健康診断を受けて、病気の予防や早期発見を心がけましょう。
成犬になったら、年に1度の健康診断を欠かさず受けるようにして、高齢になったら健康診断を年2回に増やし、12歳を超える超高齢犬になったら年3回に増やすことをおすすめします。
年齢に合わせた食事を
当然のことながら食事は欠かせません。そして、食事の質にも気を使いましょう。
具体的には、良質なタンパク質を含んだものを与え、ライフステージに合わせて栄養バランスを調整すると良いでしょう。
例えば、成長期の子犬には、タンパク質などのエネルギー源をより多く与え、成犬になったら成犬用のフードに切り替えてください。成犬になっても子犬のフードを与え続けると、肥満のリスクが高まります。
また、高齢になったら、シニア犬用のフードに切り替えて、無理なく食事できるようにしてあげましょう。
そのほか、妊娠中や授乳期間、傷病などの体の変化に合わせて、食事の量や内容を変更していくことが、健康寿命を延ばす秘訣です。
適度な運動
ワンちゃんの健康のためには、毎日の適度な運動は大切です。
特に、ダックスフンドは元々猟犬ということもあり必要な運動量が豊富なため、小型犬に属するミニチュアダックスや超小型犬のカニンヘンダックスでも、毎日散歩をさせてあげるようにしましょう。
適度な運動は、肥満の予防や筋力の維持につながるので、糖尿病など病気や筋力増強による関節疾患を予防することができます。
ただし、胴長短足な体型のダックスフンドは、ただでさえ腰に負担がかかっているので、過度な運動は逆に健康を害する恐れがあります。
散歩時間は、愛犬の体調や体力に合わせて調整するようにしてください。
夏の暑さには要注意
ただでさえ人間よりも低い位置で、灼けたアスファルトの熱を感じてしまうワンちゃんですが、ダックスフンドはその足の短さから、より地面に近い位置で熱に晒されることになります。
そのため、夏場の散歩には十分な準備をして、比較的涼しい時間に出かけるようにしてください。場合によっては、生命に関わる危険もあるので、決して甘く考えないようにしましょう。
ダックスフンドの健康チェックポイント
- 息切れをする、疲れやすい
- 元気がない
- 歩き方や行動がおかしい
- 睡眠時間が短い、もしくは長い
- 体重の変化が著しい
- 食事量、飲水量が多い、または少ない
- うんちがいつもと違う
- 排泄の回数が多い、または少ない
- 被毛にツヤがない
- 抜け毛の量が多い
- 過度にかゆがる、皮膚に異常がある
- 目に濁りがある、充血している
- 頻繁にくしゃみや咳をしている
- 鼻水や鼻血が出ている
- 口臭が気になる、よだれを流している
- 歯が汚れている、歯石がある
- 耳から悪臭がする
シニア犬になったらどうする?
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ワンちゃんも、高齢になればさまざまな面で衰えが出てきます。
そのため、まだ衰える前から気を配ることで、健康を維持できるよう対策を講じておきましょう。
スキンシップを多くとる
スキンシップが愛犬の寿命を延ばすというと、飼い主の皆さんはどう思うでしょうか。
ですが、これには明確な理由があります。
撫でたり抱っこしてあげたり、一緒に遊んであげることで、常に愛犬に触れちょっとした変化や違和感にも気付くことができるのです。それにより、ケガや病気の早期発見早ができ、重篤化する前に早期治療に入れます。
スキンシップの時間を増やすことで、十分な愛情を与えるとともに、健康管理をしてあげましょう。
外に連れ出す
高齢になって体力が落ち、足腰が弱くなると、散歩に出かけるだけで一苦労です。動きも緩慢になるので、若い頃と同じようなペースで散歩することはできなくなります。
だからといって、外出せず家の中で大人しくさせるだけでは、心身の衰えが早くなるだけです。
シニア犬の体力や体調を考慮して、無理のない範囲で散歩に出かけ、気分転換もかねて外の空気を吸わせてあげてください。
ストレスを溜めさせないように、散歩の時間や距離を短くするほか、場合によっては抱っこやドッグバギーに乗せてあげてもいいので、外に連れ出してあげましょう。
「おかしいな?」と思ったら獣医さんに相談
人間同様、ワンちゃんも年老いれば、毛に白いものが混じったりツヤがなくなったり、見た目にも変化が現れます。
それ以上に、食欲や体力といった目に見えない部分の変化が重大で、「老化だと思っていたら病気を患っていた」ということも珍しくありません。
愛犬に元気で長生きしてもらうために、病気の予防・治療は最も注意が必要です。
素人目にシニア犬の変化を見極めるのは難しいので、少しでもおかしいと思うことがあったら、動物病院で診察してもらってください。
まとめ
ワンちゃんの寿命は人間よりも短いのは事実ですが、生活環境を管理することで、一緒にいられる時間を長くすることは可能です。
今回は、そんな望みを実現するために必要な点を紹介してきました。
記事の内容を参考に、愛犬という家族と末永く暮らしていただけたら幸いです。
また、下記のページでは、ダックスフンドの性格を始め、種類や飼い方について解説しています。合わせてご覧になり、ワンちゃんがいる生活を充実したものにしてください。
【獣医師監修】ミニチュアダックスフンドの飼い方。お迎え前に知っておきたい7つのポイント
著者/ブリーダーナビ編集部