とっても小さなカニヘンダックスフンド。垂れた耳に胴長の体は愛嬌たっぷりでとってもかわいいですよね。活発で甘えん坊な姿を見ると「もう1頭お迎えしたいな」と、ついつい考えてしまう気持ちも頷けます。
多頭飼いをしている飼い主さんのお散歩風景を見ると、すごく賑やかで楽しそうな雰囲気がありますが、飼い主さんによっては多頭飼いに対しての悩みはつきないのではないでしょうか。
犬同士のケンカやしつけ、優先順位などで困っていることはありませんか。今回はその中で『多頭飼いについての悩み』をピックアップしてその対応方法をご紹介したいと思います。
目次
多頭飼いをすることのメリット&デメリット
photo by sⓘndy°
多頭飼いを検討する際の理由として「1頭だけでは寂しいよね…」「飼うことに慣れてきたから、もう1頭増えても変わらないよね!」といったことが多くあげられます。しかし、多頭飼いすることによってメリットもあればデメリットがあるのも事実。そこで多頭飼いに対してのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
多頭飼いのメリット
- 賑やかになって楽しい
- 犬の社会性が身につく
- お留守番が寂しくない
- 先住犬を見習って家庭内のルールを短期間で覚える
- 過保護になりすぎない
多頭飼いのデメリット
- 経済的な負担がかかる
- しつけが大変になる
- 分離不安障害になりやすい
- 犬に対しての時間が多くなり、自分の時間が少なくなる
- 先住犬との相性が合わない場合も…
多頭飼いをするうえでの犬の特性と歴史を学ぼう!
犬の祖先はオオカミとする説が一般的で、人間がオオカミを家畜化していったことから人と暮らすパートナーへと進化していきました。
本来オオカミは集団生活をしながら獲物を狩り、生活をしてきた動物です。そして、集団行動をまとめあげるリーダーが必要となり、次第に主従関係が生まれていきました。
現在、人と暮らす犬の場合もそのオオカミの血を引いているため、カニヘンダックスフンドを始め、多くの犬種は社会性が高いといえるでしょう。
そもそもカニヘンダックスフンドは多頭飼いに向いているの?
カニヘンダックスフンドは明るくて友好的
カニヘンダックスフンドの主な性格として、下記が挙げられます。
- 明るい
- 友好的
- 遊ぶことが大好き
- 好奇心旺盛
そのため、人や犬でも比較的誰とでも仲良く接することができますので、多頭飼いをしても問題のない犬種といえるでしょう。
他犬種や猫種との生活には支障はないの?
犬種やその個体が持つ性格などで単独行動を好む犬もいますが、他犬種やその他の動物との信頼関係を築くことは、そこまで難題ではありません。相手の犬種や動物との性格が合えば、日々楽しく生活ができることでしょう。
多頭飼いで気を付けたいこと
「新たに犬を飼いたい!」と思っても、先に住んでいる愛犬との相性がとても大切です。先ほど述べたように、基本的に社会性が高いといっても性格はそれぞれ異なります。比較的大人しく過ごしたい子やシニアの子の場合、新しい子が来ることによってストレスを溜め込んでしまう恐れがあります。そのため、先住犬の性格を考慮した上で新しい子をお迎えしてあげることがベストといえます。
新しい子をお迎えするタイミングってあるの?
犬同士の年齢が近ければお互いの生活スタイルも似ているので、よほど相性が悪くなければいい関係が続くことでしょう。しかし極端に年が離れてしまうと、若い子のパワフルな行動についていけず先住犬がストレスを溜めてしまう恐れがありますので、先住犬の年齢が3~8歳ぐらいが望ましいといえます。
また飼い主さんの負担を考えると、ある程度年齢が離れていた方が楽かもしれません。その理由としては犬同士の年齢が近いがために、シニア期を迎えた際の介護が大変になるからです。きちんと最期まで責任を持ってケアをすることができれば問題ありませんが、少しでもためらいがある場合は年齢差を考えることが先決でしょう。
性別の組み合わせについて
ただし、この組み合わせで気を付けたい点としては“繁殖”についてです。望まない繁殖は、犬にとっても飼い主さんにとっても不幸にするだけです。きちんと避妊・去勢手術を行う必要があります。
大きさ(サイズ)の組み合わせについて
もし、小型犬×大型犬の組み合わせで多頭飼いするのであれば、先住犬を小型犬にすると比較的仲良く生活ができるといわれています。
その理由としては、犬は順位づけをする性質があるからです。頭が良くて優れた犬が優位に立つことができるので、体の大きさ(サイズ)はあまり影響しないでしょう。
相性が悪かったときの準備は万全に!
色々と考慮した結果、お迎えしたはずなのに先住犬と相性が悪い場合もあります。その場合、一緒にいることでお互いがストレスを感じてしまう恐れがあるので、それぞれの専用サークル(ケージ)を用意したり、トイレやベッドなどを全て分けてあげたりするなどの配慮を心がけてあげてください。
実際は、お迎えをする前に先住犬との相性を見極めるためにもお試し期間で一緒に生活をしてみたり、一度会わせて相性を確かめたりするのが1番です。その際は、ブリーダーさんに相談してみるのもよいかもしれません。
出費は2倍かかることを念頭にいれて
犬種によってかかる費用は異なりますが、通常1頭にあたる毎月の飼育費用は平均約5,000円からといわれています。これはおもちゃ代やおやつ代、トリミング代などを除いた最低限の費用になります。あくまでも日々使う消耗品や食費、ワクチンなどの最低限の費用だけです。
そこに、もう1頭自宅にお迎えすることで出費費用は2倍以上に膨れ上がります。どんなに犬が好きで、最期まで面倒を見る!という気持ちがあってもお金のことは忘れてはいけません。自分の経済力はどれぐらいあるのか改めて振り返り、無理なく面倒をみることができるのか考える必要があるといえるでしょう。
多頭飼いを始めたら気を付けたいポイント
愛情を分け隔てなく注いで
photo by Jason Tucker
多頭飼いをすることで、少なからず先住犬と新しくお迎えした犬にはストレスが生じています。今まで生活してきた環境に、いきなり知らない犬がやってきて飼い主さんを独占し始めたら、先住犬はヤキモチをやいてしまうでしょう。それがエスカレートしてしまうと、問題行動を引き起こす恐れもあります。
また、新しくやってきた犬もいきなり知らない環境に飛び込むわけですから、緊張と疎外感でストレスを感じていることでしょう。そうなると、飼い主さんは両方のケアをきちんとする必要があります。愛情を分け隔てなく注いであげながらなるべくストレスを溜めないように気を付けてあげてください。
ごはんはそれぞれに適した量をあげましょう
ごはんを与えるときは、それぞれの食器に適した量を与えるようにしてあげてください。このとき犬は、自分以外の食器に入ったごはんを食べてしまうことも恐れもあります。そうなると、犬同士がケンカをしてしまい、トラブルの元となりますので、必ずごはんを与えるときは見守るようにしましょう。
ときには一頭ずつお散歩に連れて行ってあげて
2頭以上とお散歩をすると、それぞれが好きな方向に進んでしまう恐れがあります。そうならないようにするためにも、まずは1頭ずつしつけを済ませてから一緒にお散歩をするようにしましょう。
また犬種によっては大きさや運動量が異なるため、1頭ずつお散歩へ連れていってあげるのも1つの手段です。それぞれの愛犬達ときちんとスキンシップを取ってあげるためにも、ときには飼い主さんを独占できる日を設けてあげ、一緒の時間を過ごしたり、お散歩に出掛けてあげたりすると愛犬達も喜びますよ。
ひとりになれる空間を作ってあげよう
多頭飼いをするときは、必ずそれぞれの専用サークル(ケージ)を設けてあげてください。自分専用の部屋があることで犬にとって安らげる場所ができ、何かあった時に落ち着いて身体を休めることができるからです。新しい犬をお迎えしたときは、うまく専用サークル(ケージ)を利用してあげましょう。そして、少しずつ時間をかけながら一緒に過ごす時間を増やしてあげてください。
犬同士が決めた上下関係を尊重しよう!
多頭飼いで注意したい点の1つとして『犬同士が決めた上下関係を崩さない』ことが何よりも大切です。下の子が上の子におもちゃを取られた時に「かわいそうよ!ダメっ!」といって、上の子を叱って下の子におもちゃを渡してしまうと犬は混乱していまいます。犬には犬同士の上下関係がしっかりとありますので、飼い主さんはむやみにその中に入らないでやさしく見守ってあげましょう。そうしないと、より酷いケンカを始めてしまい一緒に生活をするのが困難になってしまいますよ。
まとめ
多頭飼いをすることで、楽しさ&賑やかさが2倍!3倍!と増え、毎日のドッグライフが充実することでしょう。しかし、それぞれの性格や相性などをきちんと確かめてからお迎えするのが何よりも大切です。
“ブリーダーナビ”では、直接ブリーダーさんに相談することができます。たとえば、多頭飼いをする際の注意点やアドバイス、先住犬との相性を確かめることができるので、大変おススメです。多頭飼いを検討中の方はぜひ“ブリーダーナビ”をご覧になってみてくださいね。
著者/ブリーダーナビ編集部