ミニチュアダックスがなりやすい病気は?症状から予防方法までご紹介

ミニチュアダックスフンドがかかりやすい病気は?

ミニチュアダックスがなりやすい病気は?症状から予防方法までご紹介
photo by BlueRemyDog

日本国内では、トイプードルやチワワと並んで高い人気を誇るミニチュアダックスフンド。
一番の魅力でもあり最大の特徴でもある、胴長短足の体型は、椎間板ヘルニアのリスクがあります。

では、ミニチュアダックスフンドは、どんな病気に気を付ければいいのでしょうか?
見ていきましょう。

細心の注意が必要な「椎間板ヘルニア」

◆症状
椎間板の中から髄核が飛び出すことで、背骨の中の「脊髄」を圧迫している状態です。腰を中心に、四肢にまで痛みや麻痺などの症状が現れます。「お散歩へ行きたがらない」「触られるのを嫌がる」などの挙動を見せたら、この病気を疑ってください。


◆原因
過度な運動やケガの影響で脊髄に強い力が加わるほか、老化による背骨の変形が原因で発症します。ミニチュアダックスフンドは、胴長短足な体型のため腰や背骨に負担がかかりやすいので、他の犬種と比べて椎間板ヘルニアになりやすいといえるでしょう。


◆治療法
椎間板ヘルニアの治療法は、大きく分けて「内科的治療」と「外科的治療」の2つ。症状の程度によって治療方法が選ばれます。内科的治療、非ステロイド系の薬や抗炎症薬の投与、レーザー治療を行ない、外科的治療は手術で椎間板の飛び出した部分を取り除きます。


◆予防法
予防に必要なのは「運動」や「肥満防止」など、腰にかかる負担を軽くして背骨を保護することです。また、日常で高いところから飛び降りたり、滑りやすい床で生活したりするのも背骨に負担をかけることになるので、日常生活でも注意しましょう。


椎間板ヘルニアについては下記の記事でも詳しく解説しています!
ミニチュアダックスフンドは腰が弱い!?椎間板ヘルニアってどんな病気?

垂れ耳なダックスフンドはなりやすい「外耳炎」

◆症状
外耳炎は、耳穴の入り口から鼓膜までの外耳という部分が炎症を起こす病気です。犬種問わずワンちゃんがなりやすい病気で、一見しただけでは気付きにくいので慢性化しやすく注意が必要です。ワンちゃんが首を振ったり傾けたり、後肢で耳を引っかく仕草が多く見られるようなら、外耳炎かもしれません。


◆原因
外耳炎の原因は菌やダニ、アレルギーなど多種多様で、そのどれか1つだけの場合もあれば、複数の原因が同時に関与している場合もあります。素人目には判断が難しいため、疑わしい素振りを見せたら早い段階で病院を受診するようにしてください。特にダックスフンドのような垂れ耳の犬種は外耳の通気性が良くないので、発症しやすい傾向にあります。


◆治療法
外耳炎の原因は複数あり、その原因によって治療法は異なります。共通して行われるのは、消炎剤やかゆみ止めといった治療薬の処方で、症状が軽ければ点耳薬や駆虫剤で完治が期待できます。アレルギーなどの基礎疾患がある場合は、並行してそちらも治療していきます。


◆予防法
外耳炎は原因が無数にあり、ある日突然発症することもあるので完全な予防は難しいでしょう。比較的有効な方法として、定期的な動物病院の受診や耳のケアはおすすめです。病気の早期発見はいうまでもありませんが、原因となり得るものを1つでも多く取り除くことを心掛けましょう。

原因不明の病気?「無菌性結節性脂肪織炎」

ダックスフンド10
photo by Alexas_Fotos

◆症状
「無菌性結節性脂肪織炎」は聞きなれない方が多いと思いますが、腰や足の付け根などの皮膚にしこりができる病気です。比較的柔らかい弾力のあるしこりが無数にできて、何らかの拍子に弾けて膿や漿液がでて皮膚がただれたみたいになってしまいます。こうした皮膚の症状のほか、発熱や元気消失、食欲不振などの症状が現れる場合があります。


◆原因
この病気に関しては明確な原因が判明しておらず、2019年4月時点ではまだ調査中とのことです。免疫が関与していると考えられていますが、断定できるだけの情報が揃っていません。数ある犬種の中でも、ミニチュアダックスフンドはこの疾患の好発犬種といわれており、再発率も高い傾向にあります。


◆治療法
無菌性結節性脂肪織炎の治療には、一般的にステロイドが用いられますが、場合によっては免疫抑制剤を使うこともあります。ただし、こうした治療は免疫力が下がるため、「感染ではない=無菌である」ことがはっきりしていなければなりません。原因が分かっていないため、治療のためには患部だけでなく全身をくまなく検査する必要があります。


◆予防法
はっきりとした原因が分かっていないため、明確な予防法も確立されていません。また、発熱や食欲不振といった症状だけでは、他の病気が先に疑われるため、早期発見も難しいかもしれません。