マルチーズの皮膚病とは?症状や原因、シャンプーによるケア方法も

1.マルチーズの被毛を維持するために!皮膚病について知ろう

皮膚病への意識と知識を持っておこう

マルチーズの皮膚病とは?症状や原因、シャンプーによるケア方法も

photo by wsilver

白く美しい被毛が特徴的なマルチーズ。シルクのように綺麗な被毛をずっとキープしたい、すべての飼い主がそう思うでしょう。しかし、マルチーズも皮膚の病気に脅かされることがあります。愛犬のマルチーズが皮膚病になってしまったときに備えて、どう対処すればいいのか確認していきましょう。

皮膚病の種類

皮膚が赤い、黒い、フケが出ている、かさぶたができている、膿んでいるなど、さまざまな症状のある皮膚病。一口に「皮膚病」と言っても、その種類はひとつではありません。
直接皮膚に原因があるものや、体のどこかから影響しているものなど、その原因もいろいろとあります。

〇よくある皮膚病
・細菌、カビによるもの
・ノミ、ダニによるもの
・アトピーやアレルギーなど体質によるもの

〇病名でいえば…
・膿皮症
・マラセチア皮膚炎
・ニキビダニ症
・皮膚糸状菌症
・疥癬症(かいせんしょう)
・毛包虫症
・アロペシアX
・アトピー性皮膚炎
・アレルギー性皮膚炎

このように、本当にたくさんの皮膚病があります。その中でも「アトピー性皮膚炎」や「アレルギー性皮膚炎」などは耳にしたことがある方も多いのでは?ワンちゃんの発症例も多いため知っておいて損はありません。

また、どの皮膚病であっても赤みや痒み、脱毛など何かしらの症状が出るため、少しでも気になる症状があれば、早めに病院へ行くといいでしょう。

アレルギー性皮膚炎とアトピー性皮膚炎の違いとは?

人においても馴染みのあるアレルギーやアトピー、中には同じものと認識している方もいるかもしれません。実はこの2つ、似ているようで違うものです。

〇アレルギー性皮膚炎とは…
体に害となる細菌やウイルスが侵入してきたとき、通常は免疫反応により撃退しますが、有害でないものにまで免疫反応が起き、体を傷つけてしまう状態をアレルギーといいます。
アレルギー性皮膚炎では、特定の食物、草花、素材に「触れる」もしくは「体内に取り込む」ことでアレルギーを起こします。原因となっているものを追及しやすいところが特徴です。

〇アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患のひとつです。アレルギー体質の家族がいたり、皮膚のバリア機能が弱かったりすると発症しやすいと言われています。
素質のあるワンちゃんは、カビ、ダニ、ハウスダスト、汚れ、汗、紫外線、化学物質、引っ掻くなど、肌への刺激に敏感です。
アトピー性皮膚炎は、何が原因になっているか特定しにくいところが特徴でもあります。

では次の章で、皮膚病の代表格でもあるアレルギー性皮膚炎と、アトピー性皮膚炎の原因や症状などを見ていきましょう。

2.アトピー性皮膚炎

症状について

【皮膚の症状】
かゆみ、脱毛、炎症、色素沈着(皮膚が赤黒くなる)
…良くなったり悪くなったりを繰り返す

【ワンちゃんの様子】
・体をしきりに掻く
・かゆいところを噛む、舐める
・床にこすりつける

【症状が出やすい場所】
・顔
・耳
・脇の下
・足の付け根
・足の先
・尻尾の付け根
・お腹

マルチーズは、白くて柔らかい被毛のため、赤く変色した皮膚がよく見え、すぐに発見しやすいです。皮膚の機能が低下しているため、噛む、舐めるなどの行為が繰り返されてしまうとさらに悪化し、二次感染を引き起こす可能性があります。できるだけ、早めに病院で診てもらいましょう。

原因、治療法、予防法は?

〇原因
アトピー性皮膚炎は体質的な問題が大きいです。アレルギー症状を起こしやすいところに、ハウスダストやノミなどの環境中のアレルゲンなどいくつかの要因が影響し、皮膚炎を発症します。また原因となるものはひとつに限らず、いくつか重なることもあります。

体質的な問題がゆえに症状は良くなったり、悪くなったりを繰り返すため、アレルギー症状と上手く付き合いながら生活していくことになります。

〇治療法
何にアレルギーを示しているのかを探りながら、獣医さんと適切な治療法を選択します。
スキンケア、薬の内服治療、食事療法やサプリメントの飲用など、治療法はさまざまです。

〇予防法
アレルギー体質が関係しているため、予防は難しいでしょう。また、さまざまな要因が重なって発症していることがほとんどであるため、診断にもいくつかのステップを要します。自分では判断せず、獣医さんに任せ、早期発見、早期治療の開始を目指しましょう。

3.アレルギー性皮膚炎

症状について

【皮膚の症状】
食物アレルギー…かゆみ、炎症、軟便など
ノミアレルギー…かゆみ、フケ、脱毛など

【ワンちゃんの様子】
アレルギー性皮膚炎は強いかゆみを伴います。

・しきりに体を掻く
・舐める
・噛む
・こすりつける

【症状が出やすい場所】
食物アレルギー…顔、股周辺、耳、肛門
ノミアレルギー…背中、腰、後ろ足

アレルギー性皮膚炎には食物アレルギーと、ノミアレルギーが多いです。特定の物に触れると症状が出る、接触性アレルギーもあります。

強いアレルギー反応によりかゆみが現れますので、ワンちゃんの様子にも気づきやすいでしょう。マルチーズはシルクのような綺麗な毛並みが特徴ですので、強く掻くことで毛質が少し変わったり乱れたり、または舐めたり擦ることで変色したり、気付きやすいかと思います。

原因、治療法、予防法は?

〇原因
食物アレルギー…ドッグフードや食材に含まれるたんぱく質
ノミアレルギー…室内のノミの唾液成分が原因となる。夏季に多く活動している

〇治療法
アレルギー性皮膚炎の場合は、アレルゲン物質を特定しやすいです。
そのため、食物アレルギーの場合は原因となっている食材を避けることが主な治療法となります。ノミアレルギーの場合は、ノミの駆虫薬を使用して治療を行います。

接触性のものも同じように除去療法を行います。例えば、寝床に敷いている毛布に反応しているなら使用を中止し、散歩中、道に生えている草むらに触れて反応を起こしてしまったのならば、散歩コースを変えるなど対策を取ります。

こうした治療法でも治らない場合は、アトピー性皮膚炎を合わせて発症している可能性もあるため、より原因の特定が難しくなります。

〇予防法
ノミアレルギーの場合は、同じく駆虫薬で予防を行うことも可能です。繁殖しやすい夏季は特に室内を清潔に保ちましょう。食物アレルギーの場合は、何がアレルゲンとなるか分からないため予防は難しいですが、低アレルギー食を与えるなどして予防することも可能です。

こちらも早期発見、治療が症状の悪化を食い止めてくれるでしょう

4.薬用シャンプーを使用した自宅ケア

皮膚病のワンちゃんは症状を緩和するために、自宅でできる補助治療も行うことをすすめられます。特にシャンプー療法は効果が期待できるため、獣医さんもおすすめしています。

通常1~2ヵ月に1回の頻度でシャンプーを行いますが、皮膚病のマルチーズはその限りではありませんので、回数は獣医さんの指示に従いましょう。

〇シャンプーの選び方
・天然由来成分のもの
・保湿性のあるもの
・低刺激性のもの

皮膚病のワンちゃんには低刺激のシャンプーがマストです。また、皮脂を落とし過ぎてしまうと皮膚病の発症を煽る可能性があるため、保湿性も欠かせません。

薬用シャンプーには、ノミやダニを落とすためパワーの強いものもあります。症状が該当していればいいですが、そうでない場合は肌に優しいものを選びましょう。

・ノンシリコン
・アミノ酸系
・セラミド配合

こうしたシャンプーは選び方の目安となるでしょう。また、シャンプーは必ず獣医さんに相談しながら決めるようにします。薬用シャンプーは医薬部外品ですが、しっかりとマルチーズの症状にあった薬用シャンプーを選ばなければ、副作用で悪化する場合もありえますので、獣医さんの指示のもと、購入するようにしましょう!

まとめ

街を歩くマルチーズの多くの子が綺麗な被毛を保っていますが、いつ何が原因で皮膚病を発症するか分かりません。マルチーズの飼い主となる方は、ぜひ家計にアレルギーの子はいないかなども確認できたらしておき、皮膚病に対しての意識や知識を持っておくといいでしょう。中には長期的な付き合いになる皮膚病もありますが、早期発見や適切な治療でマルチーズの被毛をケアしてあげましょう。

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