マルチーズの抜け毛は少ない?ブラッシングなどのお手入れ方法も

白く美しい被毛が特徴のマルチーズですが、やはりお手入れは大変なのでしょうか。

本記事では、ワンちゃんのお手入れに欠かせないブラッシングやシャンプーといった、抜け毛対策について詳しく解説していきます。

マルチーズの抜け毛は少ない?その理由は毛質?

マルチーズの抜け毛は少ない?ブラッシングなどのお手入れ方法も
photo by audrey_sel

マルチーズの特徴的な被毛は、一見すると抜け毛が多くお手入れが大変そうですが、実のところそれほどではありません。その理由は、抜け毛が少ないシングルコートという毛質にあります。

マルチーズの被毛の特徴

ワンちゃんの被毛には、シングルコートとダブルコートという、構造の異なる2種類の被毛があります。シングルコートはオーバーコート(上毛)のみ、ダブルコートはオーバーコートとアンダーコート(下毛)が生えている被毛のことです。

このうち、マルチーズはシングルコートの被毛を持つ犬種となっています。

換毛期がないため抜け毛が少ない

マルチーズの被毛であるシングルコートは、ダブルコートと比べて抜け毛は少なくなっています。その理由として、ダブルコートにある換毛期がシングルコートにはないからです。

換毛期は文字通り毛が生え変わる時期で、年に2回「春と秋」に訪れます。
春には冬毛から夏毛へ、秋には夏毛から冬毛へ生え変わるため、換毛期には多くの毛が抜け落ちるのですが、シングルコートには基本的にこの換毛期がありません。
そのため、抜け毛はあるものの大量の抜け毛は発生しないため、それほど気にならないのです。

抜け毛が少ないので臭いも気にならない

マルチーズの人気の理由として、他の犬種に比べて体臭があまりしないという特徴があります。もちろん体臭には個体差があるので体臭がきつい子もいるのですが、全般的に控え目です。

そもそも、犬の臭いの原因は抜け毛にあります。マルチーズの毛は多いですが、抜け毛が少ないため体臭はあまりないのです。

抜け毛が少なくてもお手入れは大切!

マルチーズは抜け毛が少ない犬種なので、比較的お手入れに手間がかかりません。だからといってお手入れをしなくても問題ないというわけではありません。
その特徴的な被毛の美しさを維持するためにも、お手入れはとても大切なのです。

必要なお手入れ①「ブラッシング」

抜け毛対策の基本は、ブラッシングです。

ブラッシングは、ただブラシで被毛を梳かすお手入れではなく、抜け毛を取り除くことで被毛が飛散するのを防ぐ効果があります。そのため、抜け毛の掃除が楽になるでしょう。

また、ブラッシングにはマッサージ効果もあるので、血行促進による健康維持も期待できます。

必要なお手入れ②「シャンプー」

ワンちゃんの抜け毛対策には、定期的なシャンプーも有効です。

シャンプーすることで、皮膚や被毛の汚れとともに抜け毛をきれいに洗い流すことができるでしょう。ただし、ワンちゃんの皮膚は弱いので、人間のように毎日シャンプーしてしまうと、皮膚トラブルの原因になってしまいます。

マルチーズにシャンプーをするのならば、多くても1ヶ月に1~2回ぐらいを目安にすると良いでしょう。

必要なお手入れ③「洋服を着せる」

抜け毛対策として、マルチーズに洋服を着させるのも1つです。

ただし、ブラッシングやシャンプーとは異なり、抜け毛そのものを処理するのではなく、抜け毛の飛散を防止して掃除をしやすくするための対策になります。

注意点としては、洋服は着せっぱなしにせず定期的に脱がせたり着替えさせたりましょう。
そして、脱がせた洋服に付いた抜け毛はしっかり取り除き、きれいに洗濯してください。

マルチーズにブラッシングする手順

被毛のお手入れの基本は、やはりブラッシングです。
では、マルチーズをブラッシングするには、どんな準備をしてどのような手順で行えばよいのでしょうか。

用意するブラシとブラッシングの頻度

使用するブラシ
  • コーム
  • ピンブラシ
  • ラバーブラシ
  • スリッカーブラシ

ブラッシングの頻度は、週2~3回が目安です。季節によっては抜け毛が増える場合があるので、多少ブラッシングの回数を増やすと良いでしょう。

手順①「顔と頭」

もつれや毛玉がないか、毛並みに逆らわずスリッカーブラシで梳かしてください。マズル周辺にはコームを使うと良いでしょう。

ブラシが引っかかったら、毛のもつれを丁寧にほぐしてください。力を入れてしまうと愛犬に痛い思いをさせてしまうので、ゆっくりほぐしましょう。

引っかかりがなくなったら、ラバーブラシで抜け毛を取り除いて、最後にコームかピンブラシで毛並みを整えてください。

ブラシの先が目に入ると大変なので、顔周辺のブラッシングには、細心の注意を払いましょう。

手順②「首から尻尾」

立たせた状態で、首から尻尾にかけてなぞるように、スリッカーブラシでもつれや毛玉
を取り除いていきます。顔と同様、力を入れずに軽く撫でるように梳かしていきましょう。

それからラバーブラシで抜け毛をきれいに取り除いてください。梳かす回数は、1ヶ所につき5回ぐらいのストロークが目安です。
腰周辺の抜け毛は、手かコームで取り除くと良いでしょう。

手順③「胸とお腹」

胸元からお腹にかけては、なるべく地肌に触れないようにスリッカーをかけましょう。

場合によっては、寝かせた方がやりやすいかもしれません。ラバーブラシは、「顎下→胸→お腹」の順でかけていきましょう。

お腹は汚れやすい部位なので、汚れなどもチェックしつつ、下腹部にたまった死毛を取り除いてあげます。

手順④「前足と後ろ足」

全身で最も汚れやすいのが前後の足です。そのため、ブラッシングと同時に、小さな傷やダニがついていないかをチェックしましょう。

毛が長い犬種の場合、特に足元の毛が汚れやすいので、散歩帰りなど、日常的にチェックしてください。
基本的なブラッシング方法は、そのほかの部位と同じです。

マルチーズにシャンプーする手順

ブラッシングとともに、ワンちゃんの被毛のお手入れで欠かせないのがシャンプーです。
しかし、人間のシャンプーと同じように考えるのは、愛犬に大きな負担を強いることになってしまうので、ワンちゃんにはワンちゃんなりのシャンプーのやり方を行う必要があります。

用意するものと頻度

シャンプーに必要な物
  • 犬用シャンプー
  • 犬用リンス&トリートメント
  • タオル

過度なシャンプーは、必要な皮脂まで落としてしまい、皮膚トラブルの原因となってしまいます。そのため、マルチーズへのシャンプーは、夏場であれば月2回程度、冬場は月1回程度の頻度を目安に行いましょう。

シャンプー前の準備と確認

シャンプーを始める前に、準備をしておきましょう。

ワンちゃんへのシャンプーは、我々人間が考えている以上に体力を消耗させるので、まずは愛犬の体調や体力に問題がないか確認してください。不調な状態でシャンプーをすると、体調を崩してしまうことになりかねません。

また、シャンプーをやりやすくするために、被毛の絡みや毛玉をブラッシングで取り除くと良いでしょう。毛の指通りを良くすることで、洗いやすくなるだけでなく、乾かしやすくなるので、その後の作業がスムーズに行えます。特に、耳の付け根や内股、脇の下は重点的に梳かしてください。

そのうえで、シャンプーに使用する道具を手が届く範囲に準備しておき、少しでもシャンプーの時間を短くできるよう工夫すると良いでしょう。

それでも、自宅でシャンプーができないという方は、トリミングサロンでお願いすることも考慮してはいかがでしょうか。トリミングサロンでカットをしてもらう場合、ほとんどのサービスにシャンプーがセットでついてくるので、プロにお任せするのも良いと思います。

手順①「体全体を予洗い」

シャンプーで洗っていく前に、まずはシャワーを使って全身をお湯で洗っていきましょう。

お湯は、ややぬるめの36~38℃に設定して、シャワーヘッドを皮膚に軽く押し当てて濡らしていきます。シャワーヘッドを皮膚から離さないようにすることで、毛の根元までしっかりと濡らすことができます。

顔が濡れるのを嫌がるワンちゃんは多いので、「おしり→後肢→背中→胸→前肢→顔」という流れで、頭から遠い所から濡らしていきましょう。

シャンプーの前に、全身をしっかり濡らして予洗いすることができれば、泡立ちがよくなり汚れが落としやすくなります。

手順②「足を洗う」

最も汚れる箇所である足を洗っていきます。ただし、まだシャンプーは使わずに、脚のつけ根から足先まで1本ずつ丁寧に洗っていきましょう。特に肉球は汚れがたまりやすいので、指の間までしっかり洗ってください。

手順③「おしりと内股を洗う」

手順②まで終えたら、本格的にシャンプーで全身を洗っていきます。最初はお尻周辺から。しっぽを持ち上げて、汚れがちなおしりの穴周りや内股を泡立てたシャンプー液で丁寧に洗っていきます。

この際、可能であれば肛門腺絞りも行ってあげましょう。ただし初心者には難しので、獣医さんやトリマーさんにお願いして、やり方やコツを教えてもらってから行うようにしましょう。

手順④「背中と胸を洗う」

泡立てたシャンプー液で、指の腹を使って優しくマッサージするように、皮膚を傷つけないように洗っていきます。

手順⑤「顔を洗う」

顔周辺は、特に丁寧に洗っていきましょう。目や耳、鼻にシャンプー液が入らないように気を付けて、他の部位以上に優しく顔を撫でるように洗います。

手順⑥「シャンプーを流して水気を取る」

全身を洗い終えたら、シャンプー液を洗い流してすすいでいきます。このとき、すすぎ残しがあると皮膚トラブルの元になるので、すすぎは洗い以上に丁寧に行ってください。

すすぐのは洗うのとは逆に顔からはじめて「頭→耳→顔→背中→胸→前肢→おなか→おしり→後肢」の順に行ってください。

すすぎ終えたら、保湿のためにもコンディショナーを使ってあげましょう。
シャンプーと同じ手順でコンディショナーも洗い流したら、タオルで水気を取ってドライヤーで乾かしていきます。

生乾きのまま長時間放置すると体が冷えて体調を崩す原因になるだけでなく、細菌がわいたり毛玉ができたりと、ワンちゃんに負担をかけることになるので、手早くしっかりと乾かしましょう。

抜け落ちた毛の掃除はどうするのがいい?

抜け毛対策は、ワンちゃんのお手入れだけでなく、床に抜け落ちた毛の掃除も大事です。
マルチーズの被毛は細いため、軽く宙に舞いやすく部屋中に散らばってしまうので、こまめに掃除をするようにしましょう。
では、効率的に掃除するためにはどのようにすればよいのでしょうか。

拭き掃除→掃除機の順番で

ワンちゃんの抜け毛の掃除は、手順が大切です。

基本的な部屋の掃除であれば、まず掃除機を使っての掃除が一般的ですが、それでは抜け毛を舞い散らせてしまい掃除を面倒にしてしまいます。そのため、まずはフローリングモップなどで床の拭き掃除をしてから掃除機をかけるようにしましょう。

どちらにも言えることですが、ワンちゃんの抜け毛は軽く宙に舞いやすいので、力を入れずにゆっくり丁寧に行ってください

粘着ローラーやゴム手袋も便利

ワンちゃんの毛は細く軽いため、部屋中に舞い散ってしまい取りにくいこともあります。

例えば、毛足の長い絨毯や毛布など、掃除機やモップでは掃除がしづらいでしょう。
そんな場合は、粘着ローラーやゴム手袋が便利です。

粘着ローラーなら、掃除機で取りきれなかった抜け毛も簡単に吸着してくれますし、ゴム手袋で擦れば絨毯に絡まった毛も取り除くことができます。

まとめ

ブラッシングも毎日する必要はなく、換毛期がなく抜け毛が少ないマルチーズは、お手入れの面で苦労することは少ない、初心者でも飼いやすい犬種といえるでしょう。

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