賢く飼いやすいラブラドールレトリーバーは、小型犬が主流の日本で比較的良く見かける大型犬です。体の大きさの違いもあり、小型犬と大型犬とでは散歩の時間などに違いがあります。
本記事ではそんなラブラドールレトリーバーの散歩について、知っておきたい情報や気を付けたいポイントについて解説します。
目次
ラブラドールレトリーバーが散歩を始められるのはいつから?
愛犬との散歩を楽しみにして、子犬を迎えるという方もいらっしゃるでしょう。しかし、迎えたその日に散歩できるというわけではありません。
では、ラブラドールレトリーバーの子犬を迎えて、いつ頃から散歩ができるようになるのでしょうか。
お散歩デビューはワクチン接種完了後!
子犬は、生後2~3ヵ月になると母犬からもらった免疫が徐々に失われていき、感染症にかかるリスクが高くなります。そのため、散歩デビューの前にまずはワクチンを接種して、感染症への免疫をつける必要があるのです。
しかし、社会化期と呼ばれる生後3週~12週齢に外の世界を経験させることは大切です。この期間は、時期的にワクチン接種が終わっていないため、獣医師に許可取ったうえで飼い主が抱っこして散歩する『抱っこ散歩』で外の世界に慣れさせてあげるとよいでしょう。
ラブラドールレトリーバーの散歩に必要な時間と距離
大型犬のラブラドールレトリーバーは、必要となる散歩時間が少し長めです。また、まだ成長途中の子犬と成犬とでは、当然1日の散歩時間は違います。
では、子犬と成犬では、1日の散歩にどれだけの違いがあるのでしょうか。
子犬・成犬それぞれの散歩時間の目安
ゆっくりでも良いので、長い時間外を歩かせてあげましょう。
お散歩に適した時間帯は?
散歩に適した時間は、季節によって違いがあります。
特にラブラドールレトリーバーは暑さに弱いので、夏場の散歩時間には注意しましょう。熱中症や脱水症を予防するためにも、夏は日が出ている日中の散歩は避け、まだ日が出ていない早朝か日没後に出かけてください。
逆に冬場は低体温症や肉球の凍傷を防ぐために、日が出ているなるべく暖かい時間がおすすめです。
ラブラドールレトリーバーの散歩に必要なグッズ紹介
ワンちゃんとのお散歩を安全にマナー良く行うには、それなりの準備が必要です。他の人の迷惑にならないためにも、愛犬を危険から守るためにも、飼い主としてしっかりとした準備をして出かけるようにしましょう。
お散歩に必要なものリスト
- 首輪 or ハーネス
- リード
- 水を入れたペットボトル
- ビニール袋
- ライト
- 迷子札
お散歩グッズの役割
一般的な『スタンダードリード』のほか、『ロングリード』『伸縮性リード』『ハンズフリーリード』など、好みや用途に合わせて選ぶと良いでしょう。
専用のボトルや、ペットボトルに取り付けられるシャワーキャップもあるので、持ち運びやすさ、使いやすさで選ぶと良いでしょう。
ラブラドールレトリーバーは大型犬とはいえ、人間よりも体高が低いため、車の運転手からは見えていないことも珍しくありません。
最近では、光量が多いLEDもあるのでおすすめです。
雨の日や夏場の散歩はどうする?
散歩は毎日欠かせない日課ですが、天候など、その日の条件によっては難しいこともあるでしょう。責任感が強い方の場合、どんな状況であっても毎日散歩には連れて行ってあげなければいけないと考えるかもしれません。
しかし、愛犬のお散歩は無理をして行うものではなないのです。
雨の日も散歩はするべき?
ワンちゃんとの散歩で困ることの1つが、雨の日の散歩をどうするかという問題だと思います。少しくらいの雨なら出かけるべきですが、濡れることを嫌うワンちゃんもいるので迷うところでしょう。
その点、ラブラドールレトリーバーは泳ぎが得意で水を好む犬種なので、雨が降っていてもむしろ喜んで出かけようとします。
ただし、レインコートを着せるなどの対策をして、帰宅後にしっかり乾かしすようにしてください。濡れたまま長時間放置すると、皮膚病や風邪になりかねません。
暑い日の散歩で気を付けたいこと
日本の夏は毎年熱中症が話題に上るほど、人間にとっても過酷な環境です。人間よりも低い位置を歩くワンちゃんにとって、地面からの照り返しの熱も含め、夏場の散歩は飼い主以上に厳しい環境といえるでしょう。
散歩は毎日必要とはいえ、暑さにやられて体調不良になっては元も子もありません。
ワンちゃんは人間よりも体温調整能力が低い動物なので、飼い主が感じている以上の暑さを感じていると考えてください。
対策としては、日が出ている時間帯を避け、比較的涼しい日没後や早朝に散歩するようにすると良いでしょう。また、散歩コースを変えて。アスファルトなどの熱が籠る地面を避けて歩くように心がけてください。
このほか、水分補給は絶対に欠かせないので、多少多めに水を持つようすると良いでしょう。
ラブラドールレトリーバーが引っ張る場合のしつけ方
散歩時に困るワンちゃんの癖が『引っ張り癖』です。特にラブラドールレトリーバーのような大型犬は力が強いため、高齢者など力が弱い飼い主の場合、抑えが利かず愛犬の暴走を許すことになってしまいかねません。
引っ張る原因
ワンちゃんが散歩中、飼い主の制止を無視して引っ張ってしまう理由として、興味をそそるものを感じたことがあります。特に、鋭い嗅覚が反応してしまった場合が多いでしょう。
それでなくとも、散歩中はテンションが上がっている興奮状態なので、ちょっとした刺激にも反応してしまうことも珍しくありません。
引っ張り癖を直すには
引っ張り癖を直すには、「リードが張ったら進まない」というルールを決めると良いでしょう。「リードが緩んだら進む」「引いたら進まない」を繰り返し、リードを引っ張ったら一歩も動かないことを徹底してください。
慣れるまでは、リードが緩んでも動かないかもしれませんが、最初は進むことよりもその場に止まることを覚えさせましょう。
注意点として、リードで引っ張って無理に進ませるような真似は、しつけの最中に絶対やってはいけません。リードが引っ張って無理に進ませようとすると、「引っ張る=進む」を教えることになってしまいます。
お散歩のマナーと注意点
公道を歩くこともあり、散歩する際に周囲への配慮は絶対に必要です。以下に愛犬と散歩で守りたいマナーや気を付けたいポイントを紹介します。
飼い主としてマナーは厳守!
おとなしく穏やかなラブラドールレトリーバーも子犬のうちはやんちゃなので、目を離すのは危険です。誤飲誤食の危険もあるので、愛犬を守るためにも散歩中に目を離さないようにしてください。
お散歩がマンネリ化しないように
ラブラドールレトリーバーは運動好きで好奇心なので、毎日同じ散歩コースでは飽きてしまいます。
距離や時間も大事ですが、何よりも愛犬を満足させるためにもマンネリ化しないように少しずつ変化をつけてください。散歩コースは1つだけでなく複数用意したりルートを逆に歩いたりするなど、ちょっとした変化をつけると良いでしょう。
ラブラドールレトリーバーが散歩中歩かない場合
ワンちゃんにとって散歩は必要な日課ですが、中には散歩があまり好きではない子もいます。場合によっては、散歩中に足を止めて、それ以上歩くことを嫌がることもあるでしょう。では、そんなときどんな対処をすれば良いのでしょうか。
恐怖で歩かない場合の対処法
ラブラドールレトリーバーは好奇心旺盛な性格ですが、子犬の頃に十分な社会化ができていないと、さまざまなものに恐怖を感じで、散歩中に足を止めてしまうかもしれません。
特に、家の中には存在しない車やバイクのエンジン音を怖がる子は意外と多いものです。
外の世界を怖がらないように育てるには、社会化期に十分な経験を積ませてあげる必要があります。ワクチン接種が終わっていないようなら、抱っこ散歩で外の空気に触れさせてあげると良いでしょう。
家族以外のものや人と接触するのは、ワクチンを終えて本格的な散歩デビューをしてからでも大丈夫です。
気まぐれで歩かない場合の対処法
ワンちゃんの中には、普段は何も問題なく歩いているのに、突然立ち止まって歩かなくなる子がいます。こうした気まぐれな態度を見せる原因として、飼い主が愛犬のわがままを許してしまっているのかもしれません。
こうした、ワンちゃん主導の散歩を止めさせるためには、散歩のしつけだけでなく飼い主がリーダーであることを認めさせる必要があります。
匂いに夢中で歩かない場合の対処法
ワンちゃんは、その鋭い嗅覚で感じた匂いに気を取られてしまうことがあります。散歩中に匂いを嗅ぐ仕草を見せて立ち止まっている姿は良く見る光景でしょう。
ワンちゃんが匂いを嗅ぐ理由のほとんどが、他の犬が電柱などにマーキングした匂いを気にしているからです。
匂いを嗅ぐことに夢中になり歩かなくなる場合は、愛犬に道の中央を歩かせるようにして飼い主が道の隅っこを歩くように位置取りをすれば防ぐことができるでしょう。
夏・冬に歩かない場合の対処法
夏の暑い日や冬の寒い日に歩こうとしない場合、地面があまりにも熱い、または冷たいことが考えられます。
こうした理由の場合、無理に歩かせようとすると肉球を傷めたり体調を悪くさせる恐れがあるので、負担が少ない時間に改めて散歩に出かけると良いでしょう。
そのほか、靴を履かせたり防寒具を着せるなどの対応も有効です。
体力が衰えて歩かない場合の対処法
ワンちゃんも高齢になれば人間と同じように体力が衰えていきます。しかし、いくら衰えたからといってまったく散歩をしなくなるのは良くありません。
まだ十分体力があった時と同じような運動はできないので、体力や体調に合わせて散歩時間を短くするなど、負担にならないよう散歩時間やコースを見直すと良いでしょう。
病気やケガの可能性も
上記のどれにも当てはまらないのに散歩中歩かなくなるようなら、場合によってはケガや病気の恐れがあります。
食事内容やうんちの状態、日常の様子などをつぶさに観察して、少しでも異常が認められるようなら動物病院で診察してもらってください。
特に、ラブラドールレトリーバーは股関節に症状が出やすい犬種なので、注意してあげましょう。
まとめ
散歩はワンちゃんの日課ですが、大型犬であるラブラドールレトリーバーは、小型犬や中型犬に比べ少し長めの散歩時間が必要です。
本記事を参考に、愛犬の心身の健康のためにも、しっかりとしたしつけを施し、マナーを守って散歩を楽しんでくださいね。
お散歩以外の飼い方については下記ページで解説しています。こちらも参考にしてみてくださいね。
ラブラドールレトリーバーの飼い方は?準備・しつけ・子犬の育て方
著者/ブリーダーナビ編集部