photo by Ian Bauer
ジャックラッセルテリアは、同じ犬種でありながら異なる性質の被毛を持つ犬種です。そのため、お手入れの方法も被毛の性質に合わせて行わなければなりません。
本記事では、そんなジャックラッセルテリアの被毛について解説するとともに、お手入れの方法を紹介します。
目次
ジャックラッセルテリアは抜け毛が多い?
ジャックラッセルテリアは、被毛のタイプによって3種類存在しており、どれも抜け毛が多いダブルコートの被毛を持っています。
ダブルコートの被毛は、上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)の性質が違う2種類の毛で構成されており、このうち下毛が頻繁に抜け落ちます。
そのため、年間を通して抜け毛が多く、毎日のブラッシングが欠かせません。特に年2回訪れる換毛期には多くの毛が抜け落ちます。
また、ジャックラッセルテリアの場合、抜け毛の多さやケア頻度が3種類の被毛のタイプによってそれぞれ違いがあります。
ジャックラッセルテリアの被毛は3種類?
上述したように、ジャックラッセルテリアは毛の長さと毛質が違う3種類が存在する犬種です。この3種類は被毛の性質が違うため、当然お手入れの仕方が異なり、抜け毛対策もタイプによって違います。
ここでは、そんなジャックラッセルテリアの3種類の被毛のタイプを確認していきましょう。
スムースコート
ジャックラッセルテリアの中で、最も被毛が短いタイプです。
艶がありすべすべとした手触りで硬い毛質、被毛の長さは数mm~1cmくらいで、3種類の中でも最も抜け毛が多いタイプでもあります。
ラフコート
一番毛が長いタイプになり、2.5~5cm程度のワイヤーヘアで全体的に毛量が多めで緩くウェーブがかった毛質をしています。
抜け毛の量はスムースより少ないものの、毛が長いのでブラッシングでのお手入れは欠かせません。
ブロークンコート
ラフコートとスムースコートの中間といったタイプで、長いふわふわの毛と短く硬めの毛が混在しています。
毛質も硬かったり柔らかかったりと様々で、抜け毛の量も双方の中間程度です。
個体差によって特徴が異なる、ある種独特なタイプの毛質です。
ジャックラッセルテリアの毛色は?
ジャックラッセルテリアの毛色は、ホワイト、ブラック、タン(茶色)の3種類。
どれもホワイトがベースとなっており、黒や茶の模様が入ることで印象が大きく変わります。
ホワイト&タン
ジャックラッセルテリアのなかで最もよく見かける毛色です。
ホワイトをベースに、目の周りや耳、顔全体、しっぽ、背中に茶色の模様(タン)が表れます。
ホワイト&ブラック
ベースとなるホワイトに体や顔に部分的にブラックが入る、ジャックラッセルテリアの毛色の中でも珍しいカラーです。
成長に伴い茶が混じりトライカラーになる個体も多く、ホワイト&ブラックのままのラッセルテリアはとても珍しいといわれています。
トライカラー
ホワイト、タン、ブラックの3色で構成された毛色がトライカラーです。
全体的なベースとなるのはホワイトで、そこにタンやブラックが部分的に入ります。生まれた頃は2色だった子が、成長に伴いトライカラーになるケースも確認されています。
ホワイト
ジャックラッセルテリアの中で最も珍しい毛色で、成犬になってもホワイト一色のままでいる個体はとても希少性が高いといわれています。
汚れが目立つ色なので、こまめにお手入れしてあげましょう。
被毛のお手入れはどうすればいい?
ジャックラッセルテリアはダブルコートの被毛を持つ犬種なので、年中抜け毛が多く、特に換毛期になれば驚くほどの毛が抜け落ちます。
ここでは、抜け毛対策にはどんなお手入れが有効なのか紹介します。
こまめなブラッシングが大切
ジャックラッセルテリア抜け毛が多い犬種なので、古い毛を取り除き落ちる毛を少なくするために、毎日ブラッシングをしてあげる必要があります。
ブラッシングには、血行を良くし換毛を促したりマッサージ効果もあるので、理想は朝と晩、1日2回のブラッシングをしてあげましょう。
シャンプーも効果あり
定期的なシャンプーも、古い毛を取り除くのに有効なお手入れです。
人間であれば毎日シャンプーするのが普通ですが、ワンちゃんは皮膚が薄く弱いので、毎日では皮脂を落としすぎてしまい、皮膚トラブルを誘発することになりかねません。そのため、臭いが気にならないのであれば、月に1回でも十分でしょう。
すすぎ残しや乾かし残しがあっても皮膚トラブルの原因となるので、洗い以上に丁寧にしてください。
被毛の種類ごとの抜け毛対策
ジャックラッセルテリアの被毛は、被毛のタイプによってお手入れの方法も変わります。
ここでは、それぞれのタイプに合わせた抜け毛対策を紹介します。
スムースコートのお手入れ
スムースコートは毛が短いものの、生え変わりのサイクルが短く、他のタイプと比べても抜け毛が多いので、できれば毎日ブラッシングをしてあげましょう。
毛が短いということは、床に抜け落ちると確認しづらくお掃除が大変です。そのため、「掃除機で取り切れていない」「服に毛がついている」ということも珍しくありません。
スムースコートのブラッシングには、ピンが柔らかいラバーブラシを使って、仕上げに獣毛ブラシを使ってツヤを出してあげると良いでしょう。
ラフコートのお手入れ
スムースコートよりも抜け毛は少なめですが、それでも抜け毛は多い部類なので、毎日ブラッシングしてあげましょう。
ラフコートの毛は長くウェーブがかっているので、ブラッシングを怠るとすぐにもつれや絡まりが起きます。放っておくと毛玉になってお手入れが難しくなるだけでなく、皮膚疾患のリスクも高くなる恐れも。
ブラッシングには基本的にスリッカーを使いほぐしてから、ピンブラシで被毛の流れを整えると良いでしょう。
力を入れると生きた毛を引っ張ったり、皮膚を傷つけたりするので、優しく丁寧にブラシをかけてください。
仕上げに目の粗いコームを使って、毛の絡まりをチェックして完了です。
ブロークンコートのお手入れ
3つのタイプのなかで最も毛の量が多く、長毛と短毛が混ざっているため、抜け毛の量も多めです。
ブロークンコートのブラッシングは基本的にラフコートと同様で、スリッカーブラシやピンブラシで抜け毛を取り除き、絡まりがないかをコームで確認してください。
ジャックラッセルテリアにトリミングは必要?
ワンちゃんの毛をカットするトリミングですが、ジャックラッセルテリアは被毛の性質が3種類もあるため、一概に必要とも不要とも言い切ることはできません。
ここでは、被毛の種類ごとに、トリミングが必要かどうか、その理由とともに解説していきたいと思います。
スムースコートには必要ない?
スムースコートは元々毛が短く、トリミングするほど長くなることはありません。そのため、スムースコートに関してはトリミングの必要はないでしょう。
ただし、部分的に伸びていると感じたら、ご自宅で簡単にカットしてあげてください。例えば、足裏の毛が伸びて肉球にかかってしまうと、滑ってケガをする恐れがあるため、カットしてあげた方が良いでしょう。
ラフコートとブロークンコートには定期的なカットを
長毛のラフコートとブロークンコートは、伸びてきたらトリミングで毛の長さを調整してあげる必要があります。長さがあるのでさまざまなヘアスタイルが楽しむのも良いでしょう。
ただし、バリカンを使うと毛質や生える周期が変わるので、愛犬に痛い思いをさせないためにも、プロのトリマーさんに任せた方が安心できます。
まとめ
ジャックラッセルテリアは、被毛の性質によって3種類に分かれます。
抜け毛が多いダブルコートで、毛の性質によってお手入れの仕方も変わるので、その点ではお手入れが大変な部類に入るかもしれません。
また、生まれたばかりと成犬になった頃とでは、毛色が毛質が変わる場合もあるので、その点も理解して子犬を迎えると良いでしょう。
今回の内容を参考に、丁寧にお手入れしてあげてくださいね。
ジャックラッセルテリアの性格や飼い方については、下記ページで解説しています。こちらも参考になれば幸いです。
ジャックラッセルテリアの性格や特徴とは?初心者向け飼い方について
著者/ブリーダーナビ編集部